まつや清の日記 マツキヨ通信

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森下小学校11.3億円→19億円→11.3億円 教育長の謝罪を受け受注者(パシコン)責任を質す

2016年02月15日 | ニュース・関心事
 
総工費が19億円と膨れ上がり、公共建築課で設計をやり直した森下小学校の改築期間が2年から3年、2017年10月完成という継続費変更議案について質問。17日の常任委員会(教育委)に注目。
 
※2月補正予算議会 議案質疑原稿      2016年2月15日
 
<補正予算第一号 継続費の変更>
只今、議案となっております議案第一号2015年度一般会計補選予算中第2表 継続費補正の変更について議案質疑を行います。議案は、森下小学校児童クラブ室建設費、森下小学校改築費の事業年度、2015年、16年の2年間を17年含めた3年間にしたいとするものであります。
この補正は、「平成26年度(2014年度)森下小学校校舎建築工事設計業務委託における事務事業事故」に端を発するものであり、1月29日に教育委員会事務局、都市局、そして、2月1日田辺市長による謝罪会見もおこなわれております。既にこの事務事業事故については昨年9月から総務局総合調整・内部統制担当による検証委員会が開催され今年1月に報告書がまとめられています。
この議案をどう見るべきか、何故このような事態となっているのか、理解に苦しむ点が多々あるわけであります。ある意味、2020年オリンピックの国立競技場の設計にも通ずる問題でもあろうかと思います。17日にはこの問題について常任委員会も開催されますのでその審議に期待しながら質疑を行いたいと考えます。
《1回目》
「1」 提案に至る経過について
まず、この継続費の変更の議案が示されるに至った経過と概要について伺います。
「2」 設計工事内容について
1、 補正予算議案は、森下小学校の改築事業年度2年が3年の継続となり小学校の完成は2017年1月から10月に遅れるものの、本体の総工費の11億5100万円は変わらないものとなっております。検証報告によりますと設計委託受注業者であるパシフィックコンサルタントから昨年4月の成果品の提出を受け精査したところ、総工費は予算を大幅に超える19億円となったとのことで、建築部公共建築課で設計を見直しこの提案に至っているとのことであります。
① 工事予算額を上回る約19億円の設計を、本来の11億5100万にするために主な設計の見直し点は何であったのか、伺います。
「3」 議会・市民説明について
1、 今回の継続費補正の議会提案前に市長も関係部局も記者会見をされて謝罪をされております。この謝罪の中で税金の無駄な支出や議会軽視への謝罪、説明がどのようになされたのかは不明であり、検証報告にもこの事務事業事故と議会との関係のあり方については触れられておりません。そこで、
① 事務事業事故の発生後、1年近く経過してから補正予算の議案提出となったのはなぜか、また、議会への情報提供が、なぜ、この時期になったのか、伺います。
② 特に設計のやり直しに際し構造設計委託を9月25日に発注しておりますが、この時点での、議会への説明が必要であったと思いますが伺います。
《2回目》
 経過、事業経費、議会関係について答弁をいただきました。今回の事業期間が3年となるその理由は、完成した設計書の総工費が19億、太陽光など設備関係1億5000万もありますが、PC(プレキャスト)工法を選択したことによる6億5000万もの増加があったということにつきます。検証報告書は、7つの論点をあげ①業務委託契約約款違反としての設計業務の監督、②受注者への不適切な指示、③自治法や契約規則違反としての契約行為、④全体としての組織マネジメントの欠如の4点で問題を整理していますが、受注者の責任問題について言及は全くありません。
「1」 設計工事内容について
1、 この問題を解明するためには、教育施設課職員の受注者への不適切な指示とはどのようなものであったかを確認することから始まります。報告では、職員のメール記録で検証したとのことですが詳細な説明はありません。このメール記録が議会に資料提供されれば問題は整理できるところですが財政当局によって拒まれております。常任委員会委員長権限で是非とも資料提供をお願いしたいところです。
メールについて質問する前に、受注者であるパシフィックコンサルサルタントと静岡市と業務関係で経過について整理しておきたいと考えますが、3つの時期に分けられます。
第1は、6月26日受注者との契約から8月28日第1回設計時審査までの間です。委託仕様書では「RC構造4階」とし「PC(プレキャスト)工法も視野に検討」となっていますが、提案はPC構造の4階案でした。
第2は、8月28日第1回設計時審査を経て9月に受注者から4階案から3階案への変更提案があり、そして12月19日の第2回設計時審査までです。12月の設計審査会議事録によりますとこの時点で3階案は了承されておりません。
第3は、12月19日第2回設計時審査を経て1月21日第3回設計時審査で4階案が3階案に了承される時期です。検証報告では一昨年9月での受注者からのPC工法4階案の3階案への変更を教育委員会事務局は「予算の範囲内」で了承されたことになっておりますが、設計時審査では、検証報告とは違っていて昨年の1月21日第3回設計時審査で了承されたことになっています。
① この3つの時期に教育委員会施設課職員が受注者とメールなどどんなやり取りをしていたのか、極めて重要です。この委託契約から3回の設計時審査を経て合格通知発行までには、教育施設課職員と受注者とのメールのやり取りは何回程度行われ、工法や階数等の指示はどのように行われていたのか。
 
次に、合格通知書が出される経過について伺います。
② 普通に考えれば、1月21日にはじめて基本設計が建築部においてはじめて了承されたたわけですから、2月27日の契約期限日に成果品が提出できるわけはなく、事故繰越明許の事務手続きが取られても不思議ではない状態でした。公共建築課としては、基本設計が了承されてから契約工期まで約1か月間で実施設計が完了できるとの認識をしていたのか。
③ この時期、1月14日に平成27年度予算の内示額が示されており11億3000万の予算額はいやがおうでも認識させられる時期ですが、改めて受注者に内示額を伝えたのか。
④ そして、当然にもありえない自治法や契約規定に違反する合格通知書を出すという事態となったわけですが、そもそもこの時点で、どのような成果品が不足していたのか、伺います。
 
2、 次に、昨年4月13日成果品未提出資料をもとに精査した結果、総工費が19億円となった問題についてお聞きします。設計書としては、私は契約違反である思うわけですが、検証報告は先ほど述べたように全く言及はありません。そこで、
① 一昨年8月の第1回設計時審査で、PC構造がRC構造に比べ躯体コストが1.1倍との資料を提示されたとのことですがどう判断されたのか。
② 最終的な設計額が約19億円となったことについて、受注者は、どう捉えているのか、伺います。
というのも、1月21日に示された4階案を3階案に変更する際の資料には、太陽光発電も含め工事費は11億3250万と明示されています。それが4月段階で未提出資料を合わせて精査してみたら19億円、とんでもないことです。検証報告では、受注者は11億3000万について直接経費として認識していたとされています。通常でこのような「誤認」はありうるんでしょうか。第1回設計審査での1.1倍の根拠は何であったのでしょうか。やり直しを請求してもおかしくないものです。その点で受注者はどういう認識で成果品を提出しているのか、確認しておきたいと考えます。
③ 一方で、受注者に見直しを求めず、公共建築課で設計のやり直しを実施しているわけですが、理由について伺います。
 
《3回目》
「3」議会・市民説明について
 本来なら、受注者であるパシフィックコンサルタントにも大きな責任があるにも関わらず非常に遠慮している印象ですが、17日の常任委員会で問題点を明らかにしていただきたいと考えます。
 あと残されているのが、議会としてはどのように対処するかという点です。
問題としては、第1は子供たちや地域の住民の皆さんに楽しみでもあり期待していた2016年度内完成ができず結果として公共サービスに遅れが出たこと、第2にそれをもたらした職員機構内部問題への解明と監督責任、第3に、この一連の事態を通じて使わなくてもいい税金がどれくらい発生したか、となろうかと思いますが、第1と第2については謝罪されましたが、第3についてどのような努力がなされていたのか、十分な説明もなされておりません。
パシコンへの設計委託費4200万の返還請求もひとつの選択肢でもあります。公共建築課でのやり直しの設計業務での構造計算で540万の委託費、公共建築課職員の設計費用等無駄な税金が相当額使われたことになります。議会としての対応は17日の常任委員会に委ねられますが、最後に2点質問をして質疑を終わりたいと考えます。
1、 今回の1連の設計のやり直し、結果として11億3000万に収まりましたが、設計の見直しや工事の遅れによって、当初の事業費から増加となる経費はいくらか、伺います。
2、 投入する必要のない税金の支出については市民への説明や学校、地域住民の皆さんへの工事遅れなど一連の経過についてはどのように説明されるのか。