まつや清の日記 マツキヨ通信

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静岡県「南アルプスを未来につなぐ会」理事である松井孝典氏の解任求める! 『文芸春秋』3月号“リニアはなぜ必要か”にJR東海会長・葛西敬之氏らと対談!

2022年05月10日 | 市政

「環境問題は技術で解決できる」とリニア賛美に終始!「つなぐ会」理事に不適格!

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6月10日までに文書回答を求めた。静岡県くらし環境部自然保護課は、「つなぐ会」ではリニア問題を扱わない、しかし、川勝知事は第1回会合で「南アルプスリニアトンネル工事による南アルプスの環境への影響について「つなぐ会」で情報共有する必要がある」ことを強調している。

 

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川勝平太静岡県知事様

田島章次くらし環境部理事様                     2022年5月10日

「南アルプスを未来につなぐ会」の

理事である松井孝典氏に関する公開質問状

 

南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡

共同代表  有元利通 八木 功 服部 隆 増田和明 松谷 清

                 連絡先 静岡市葵区鷹匠3-3-1地球ハウス気付

tel054-209-5676 Fax054-209-5675

mail:chikyu_house@yahoo.co.jp

 

■4月26日、国土交通省有識者会議の中間報告を受けてJR東海と静岡県環境保全連絡会議・地質構造水資源専門部会が再開された。JR東海は「中央新幹線南アルプストンネル工事における県外流失量を大井川に戻す方策等について」の提案を行った。大井川の水の問題は南アルプスの環境保全・生態系に密接にかかわるものであり昨年7月設立された「南アルプスを未来につなぐ会」がリニア新幹線と南アルプスの環境保全・生態系にどのような対応をしていくのか、大きな注目が集まる。

 

■こうした中、文芸春秋3月号(2022年2月10日発売)に、「リニアはなぜ必要か?」なる対談が掲載された。対談者は、葛西敬之(JR東海名誉会長)、森地茂(元国交省リニア実用技術評価委員長)、そして、松井孝典(南アルプスを未来につなぐ会理事)の3氏である。

 

■その中で、松井氏は、その肩書きを引っ下げての登場からして、リニア南アルプストンネル工事を巡る諸問題、すなわち地下水脈の破壊に伴う大井川最上流部枝沢の源水枯渇、それによる生態系の死滅、残土置場周辺の軟弱崩壊地形の存在、水質汚染と温度変化、大気汚染、騒音、振動等、南アルプス環境に与える負荷について、その懸念を指摘せねばならないところ、何一つ説明をすることなく、次のように発言している。

 

■曰く、「『環境に影響を及ぼすから、工事などはやってはいけない』という類の議論になってしまうことは避けなくてはいけません。それは文明の後退でしかない。歴史をさかのぼると、環境問題に直面して、それを技術で克服しなかった文明は、例外なく衰退、滅亡しています。(中略)環境問題が文明の発展にとって障害であれば、それを技術革新で乗り終えてきたのが、これまで発展してきた文明(以下略)」(P103)と、『環境問題は技術で解決できる』論を何の具体的根拠もなく展開し、「まさに、日本の技術の粋を結集してできあがったのがリニアなわけですね」(P96)、「カーボンニュートラルが世界的な潮流となっている今、将来はリニアの技術を世界に売り出す日も来ると思うのですが」(P106)と、リニアの賛辞一辺倒で、南アルプス保全への言及は皆無。環境軽視の姿勢が際立ち、まさに、‟南アルプスを未来につなぐ会“ではなく、‟リニアを未来につなぐ会”の肩書がふさわしい人物である。

■更に、氏は言う。「環境問題を理由に、リニアに反対する人たちには、改めて文明史的な視点も加味して考えていただきたい。」(P110)。

 

 

■これは現在、大井川減水諸問題未解決により、工事をストップさせている静岡県川勝県政への牽制であり、同時にそれに共感する静岡県民へのあからさまな批判である。全てのいのちの源の大井川。

その減水を憂い、南アルプスを愛し、またその恵みを生きる糧にするが故に、その保全に立ち上がった人々の気持ちを逆なでし、愚弄するものであり、到底看過できない。

 

■とりわけ問題なのは、南アルプスを見る氏の目線だ。

 

■南アルプスの自然は過酷であり、強風、寒気、積雪、軟弱地形等、それらを克服する中で、南アルプスの生き物達(植物を含む)は生をつないでいる。その生は極めて繊細、脆弱だ。JR東海が南アルプスに引いた一直線のラインの下に、そうした多くのいのちが平和に調和的に暮らしているのだ。その者たちへの想像力が氏には決定的に欠落している。氏にとって、南アルプスとは愛する対象ではなく、ただの「障害物」に過ぎないだろう。

 

■『南アルプスを未来につなぐ』とは、このもの言えぬいのち達の目線に立つということに他ならない。南アルプスの豊かな生態系は、このいのち達の賜物であり、それは南アルプス南部を特徴付ける一大価値だ。ミネラルもこの生態系から作り出されるものであり、まさに私達の生活と南アルプスは不可分一体である。だからこそ、この豊かな生態系の健全性を守り、これを公共財産として未来に引き継いでいこうとしているのだ。そのためには、大井川の減水はあってはならないことであり、故に私達はその保全のために行動する。これは、今を生きる私達の義務でもある。

 

■しかるに、松井氏の発言からは、こうした南アルプスへの想いも言動も意志も感じられない。こうした人物が「南アルプスを未来につなぐ会」の理事であることは、甚だ疑問であると同時に「南アルプスを未来につなぐ会」の趣旨、存在意義を疑わせしめるものである。

よって、以下の質問と要請に答えられたい。回答は、6月10日までに文書でお願いいたします。回答は広く公開させていただきます。

 

公開質問項目

1,松井氏の『文芸春秋』3月号での発言について、どう考えるか、問題は全くないのか、評価を聞かせてください。

 

2,松井氏の発言と会の理念・目的は整合性を持つのか、どういう経緯で「理事適任」としたのか。

 

3,『南アルプスを未来につなぐ会』の共通理念として、南アルプスの環境保全は大前提と考えるが、松井氏にその視点はない。理事不適任であり理事から外すべきではないのか。