マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下深川の元旦

2015年10月06日 09時19分41秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
都祁の大字上深川の歳旦祭を見届けて北へ向かう。

ここは大字下深川。

平成17年2月10日に行われた正月初めの寺行事を取材させてもらった。

帝釈寺の柳のオコナイだった。

当地には春日神社がある。

神社行事は存知していないから訪れることもなかった。

春日神社にはかつて能が行われていた。

今では見ることはないが入母屋造りの草葺屋根能舞台が現存している。

正月飾りはどのような形態になっているのか知りたくて訪れた。

能舞台は昭和45年3月7日に旧都祁村文化財に指定された。



古代建造物の構造は桁行が十七尺、深行は十五尺と書かれてある。

柱は七寸角、床高は二尺四寸、床面積が七坪余。江戸時代末期まで神事能楽が奉納されていたそうだ。

「朱の橋懸の彼方から翁舞を演ずる人影が現われて語りかけて来るようです。幽玄の境地に引きずり込まれるような幻想にひたりつつ、瞑目するとき 只、風音のみが古き建物にすい込まれていきます」とある。

草葺きでは現存しないだろう。

茅葺であると思われる風情を醸し出す能舞台。

ふわっと正月の風が通り抜ける。

門松は松・竹・梅に赤い実をつけたナンテン。

土台は砂を盛ったところにクマザサをあしらっていた。

参籠所には氏子たちが寄り合っていた元旦の朝。

冷たい風が吹き抜ける。



声は掛けず終いで神社を後にして集落を遠景に落ち柿の色を撮っていた。

(H27. 1. 1 EOS40D撮影)