マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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中畑町のとんど

2015年10月28日 07時30分21秒 | 奈良市(旧五ケ谷村)へ
1月8日に勧請縄掛けをされた奈良市中畑町。

3カ所でとんどをすると聞いて訪れた。

中畑町は上出、向(茶屋)、中垣内(中組)、日浦垣内、雀垣内の5垣内。

とんど場は上出、中垣内、日浦垣内である。

向垣内と雀垣内の住民は中垣内と合流してとんどをされる。



家で飾った正月の注連縄を持ってくる住民。

とんど場に運んできた。

場には伐採した笹葉付きの竹を運んでとんど組みをする。

1軒あたり2本の竹を持ってくると云う。

現在のとんど場は田主を承諾を得て田んぼでさせてもらっている。

その昔はここより下の地道の真ん中だったそうだ。

今では3週目の日曜日になったが、かつては2月15日だった。

いつしか1月15日の小正月に移った。

「薮入りのときやった。その日はとんどでモチ焼きをしていた」と話すから16日であったかも知れない。

15日は成人の日の祝日であったが、ハッピーマンデーが施行されるようになって集まりやすい日曜日にされた。



とんど組みを終えたら火点け。

おもむろに始まった。

一気に燃え盛るでもないとんど。

長い竿竹のように突っ込んでとんどに風を入れる。

なかなか燃えることないとんどに灯油をぶち込んだ。



一挙に上がったとんどの火だ。

かつては子供が書き初めの書を燃やしていた。

学校に出かける直前にしていたが、子供がいなけりゃそういう風習は見ることもない。

下火になれば食べたら無病息災になるというモチ焼きもしていたそうだが、2年前に中断したらしい。

中垣内のとんど場より北に位置する上出から煙があがった。

とんどの場を求めて車を移動したが停車する場がない。

名阪国道を跨がる処まで行ってしまった。

ガソリンメータはランプが点灯する。

どうもこうにも・・戻るしかない中畑は旧五ケ谷村の最上流部だ。



諦めて戻った中垣内のとんど場では、垣内の人たちが鎮火するまで見届けていた。

残り柿がわずかにあった。とんどは残り火。

暖をとっている様子を遠くから眺めていた。

(H27. 1.18 EOS40D撮影)