マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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椎木西の日待講

2015年10月25日 08時45分34秒 | 大和郡山市へ
初集会を兼ねて日待ちをされている旧村行事の県内事例は多い。

いくつか拝見させていただいた日待ちに掲げる掛軸はアマテラスオオミカミ。

ご神号の「書」もあれば、雨宝童子像もある。

場合によっては三社託宣のお軸もある。

この日の初集会の寄り合いに掛軸を掲げると聞いていた大和郡山市の椎木(しぎ)町。

暗くなる午後6時より始められる。

場は椎木町・西の新公民館。

平成4年に建てられた。

寄合の場に掲げていた掛軸は八神だ。

上段中央に天之御中主大神。

右側に高皇産霊大神。

左に神皇産霊大神の三神。

中段は右より國之御柱命、天之御柱命、天照大御神、須佐之男命、大國主神の五神。最下段は天神地祇八百萬神であった。

左側に「龍田神社宅司□□渡邊重春謹書」とあることから龍田神社の宮司であったろう。

が、謹書年代を示す文字は見当たらなかった。

八神の掛軸を納めていた軸箱は黒光りだ。

年代的には相当古いように思える。

もしかとすれば江戸時代であるかもしれない軸箱。

僅かであるが墨書文字で「御宮教會御佗宣箱」と書かれていた。

集まったのは日待講と呼ばれる村の人たちだ。

「おめでとうございます」と新年の迎えた挨拶をされて席につく。

講中は廻り当番が差し出すお茶をいただいて全員が揃うのを待つ。



神職は登場することなく講の代表が前に座って祓いの儀をされる。

祝詞は「身禊大祓」。

講中全員が声を合わせて八回(八神)奏上された。

これよりは講中の直会。

席に配膳されたパック詰め料理をいただく。

汁椀は潰した豆腐を入れたトーフ汁。

昔は砂糖を入れた甘い味だったそうだ。

パック詰め料理の前は各家が家で作った料理を「ゼン」に盛った。

「ゼン」は「膳」のことである。

今でも変わらないのは漬物だ。

(H27. 1.12 EOS40D撮影)