マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下山田・一番星、明けの明星御供にイタダキ膳

2022年11月14日 08時08分24秒 | 天理市へ
いつ停止してもおかしくないバッテリー上がり。

ブースター接続に起動したものの、不安しかない。

ヒヤヒヤしながらも走った10km。

十分な充電ができよう・・。

次に向かうは、天理市山田町・下山田。度々、お世話になっているSさん。

玄関にしめ縄をかけていた。

その一部に、昨年の元日に拝見した三角の形で設えた藁つくり

今年もされていた。

一番星明けの明星の正月迎えの鏡餅を供える場ができていたので、いつされるのか聞いてみた。

なんなら今からでもしてあげよう、といってくれた

小餅は2段重ねの鏡餅。

「ニコニコ、仲睦まじく」の名がある10個連なる吊るし柿から串ごと2個取りした串柿。

蜜柑は大きいからはみ出し。

本来なら夜半にされているのだが、せっかく来てくださったんだから、してやりや、と奥さんの声。



午後4時過ぎにしてくれたのがありがたい。



この場を借りて厚く御礼申し上げる次第だ。

おまけに、これもしてあげようと、室内で見せてくださったイタダキの膳。

かつては赤膳に盛っていたそうだが、たいそうになってきたことから、現在はSさん手つくりの台に載せた。

珍しいのは餅重ね。

一般的な2段の鏡餅でなく、S家は薄くつくった餅を5枚重ね。

上は大きく、下は小さく。

逆三角錐形の餅重ねは末広がり。



お家の繁盛が末永く、と願う形だそうで、昔はもっと大きかった、という。

今年の恵方(※さいとくしんと呼ぶ歳徳神)に向けてイタダキする時間帯は、午前0時すぎから。

イタダキをしたら、若水でつくった雑煮を食べる。

ちょっと取ったおすそ分けの雑煮の具。

その一部を一番星明けの明星の正月迎えの棚に追加する。

それを済ませてから、大とんどの火で迎える春日神社に出かけて初詣。

役に就いていた宮守さんらとおめでとうしてから帰宅。

午前1時には就寝し、元日の朝は、講中になっている関係から三輪神社に初詣に出かける。

イタダキにもう一つ。

閏年の場合は、餅を13個にする月の数の餅。

てっぺんに三日月の餅。



その他、用意はできなかった一升桝も。

頒布されたお伊勢さんのお札を桝に立て、内側に財布を入れるそうだ。

お礼を伝えて下山田を離れ、帰路に就こうと思いハンドルをにぎったそこに見える夕景。

雪が積もった下山田の田園地。

真っ白な情景に、カメラを構えた。



刻々と変化する下山田の景観。

集落が、今まさに暗闇に包まれようか、という午後5時直前の時間帯は、今まさに「山眠る」。

除夜の鐘が鳴る大晦日の日暮れ時に、電話が鳴った。

写真家Kさんからの緊急連絡だ。

砂モチ調査に伺った天理市長滝。

今はしていない、とわかった長滝の民俗である。

カラスのモチなら今からしてやる、と云われて急遽、取材することになった。

翌年には90歳になるおばあさんの心に惹かれて、山の上にあるお家にたどり着いた。

その場で作ってくれたカラスのモチ。

藁ズトのようなものを2本。

両方とも、餅を6個ずつ入れて柿の木に吊るす。

消防団の火の見やぐらがある筋の急な坂道を登りつめたどんつき。

柿の木の枝に吊るしているそうだ。

初祈祷行事から、秋祭り座分け正月ドーヤカンジョウナワオコナイコンコンサン閏庚申涅槃さんも取材していた長滝の地。



場がどこであるのか、すぐにわかったが、今からでは暗闇の地。

急遽、決めた正月二日に訪問するつもりだ。

(R2.12.31 SB805SH/EOS7D撮影)