台風にも気分・・というものがあるように思える。普通の一般的なコースを辿(たど)る台風もあれば、嘘(うそ)だろっ! と思えるような迷走台風もある。台湾近くまで進み、このまま中国大陸へ上陸か? と思わせておいて、急に進路を90°右へ旋回(せんかい)させる・・などという風変わりな台風だってある。中には、太平洋上をグルグルと回りながら人々をイライラさせておいて、急に本土直撃・・というフェイント形の台風もあるのだ。このように台風も気分で動いているのではないか? と思えなくもない。愉快な気分になると、台風も少し遠慮(えんりょ)ぎみに弱まって上陸したり、外(はず)れたりしてくれるようだ。ところが、怒らせるようなことにでもなれば、これは偉(えら)いことで、大酒を食らい、猛烈な勢いで本土を直撃して甚大な被害を各地に与え、ようやく溜飲(りゅういん)を下げて寝入る、いや、温帯低気圧になる・・などということになる。^^
台風一過の青空が広がる中、二人の老人が家前を掃きながら話をしている。
「いやぁ~どうなるか? って心配していたんですがね。思ったほどでなく、助かりましたよ」
「確かにっ!」
「前日、人助けしたんですが、ソレとコレとは?」
「ははは…関係ないと思いますよ。ソレはソレ、コレはコレっ! …でも、ないか?」
「ははは…どうなんでしょう?」
「まさか! とは思いますがね。ははは…分りません」
科学では到底(とうてい)、解明できない愉快な真実が台風にはあるのかも知れない。^^
完