最近の受付は、なんとも味(あじ)けない・・と聞いたので、私も行ってみた。で、確かにそうだな…と思えた。^^ まったく、愛想がないのである。これが客に対する態度かいっ! 社員教育はいったいどうなってるんだっ! と怒れたが、口には出さず思うに留(とど)めた次第である。内部はさておいても、窓口は笑顔で愛想よく、{^^『ペチャクチャ…』}という感じで客に接してもらいたいものだ。[1]笑顔がなく、[2]事務的で、[3]的(まと)を得ていない・・となれば、これはもう、アウト!! と叫ばねばならない。世の中の趨勢(すうせい)は最近、頓(とみ)にこうした色彩を強めているが、実に嘆(なげ)かわしい限りである。内部が修羅場の様相(ようそう)を呈(てい)していようと、窓口だけは愛想いい笑顔であって欲しいものだ。^^
とある会社のエントランスである。朝、いつものように大勢の社員が出勤し、それぞれの所属課へと散っていった。当然、その中には管理職や重役連中も含まれていた。
「おいっ! あのおばさんっ! なんとかならんのかねっ!!」
大声で窓口を指さしたのは、社長の鰻川(うながわ)だ。窓口にはオールドミスの土壌(どじょう)が偉(えら)そうな顔つきで座っていた。
「はっ!! さっそく人事にその旨(むね)を伝えますっ!」
鰻川のひと言に、まるで怖いものにでも触(さわ)るかのように秘書課長の尾小是(おこぜ)は追随(ついずい)した。
「愛想いいピチピチの若い娘(こ)を、だよっ!」
「はあ、そらもう! 分かっとります…」
「ちっとも分かっとらんじゃないかっ! あれほど言っておいたのに、あんなモノノケみたいなババアをっ!」
「社長、いくらなんでも、そこまでおっしゃられちゃ!」
「いや、今日は言わせてもらうっ!! 窓口こそ会社を現(あらわ)すっ!」
「ははぁ~~!!」
尾小是は、まるで水戸のご隠居の印籠を見たかのように鰻川に一礼した。
「私に、そんなことはしなくていいんだよっ! くれぐれも窓口は頼んだよっ!!」
実のところ、鰻川には若い頃、土壌に振られた苦(にが)い経験があったのである。遠い昔のことが、それでも尾を引いていた訳だ。ある意味、パワハラ[パワーハラスメント]ぎみなのだが、一応、筋が通った話だから仕方がない。
窓口には尾を引かないOLを配置したいものだ。^^
完