「ともかく、よかったです…」
「ええ…」
手羽崎管理官と庭取副署長が顔を見合わせ、安堵の息を漏らした。マスコミに知られまいと、署内の全員に箝口令(かんこうれい)を敷いた矢先だった。
「このあと、どうします、副署長?」
「そうですね。取り敢えずは署長から詳しい話を聞くことに…」
「分かりました。合同捜査本部の会議は開く必要があるようですが…」
「科捜研の報告がありましたね」
「ええ…」
二人はゴチャゴチャと話し合い、合同捜査本部と分化本部は関係署員達でザワザワしていた。^^ そのとき、三人を乗せた覆面パトが麹町署へ戻ってきた。三人が急ぎ足で署へ入ると、署員達はまるで有名人を見るかのように遠目で視線を三人に送った。
「署長っ!」
「ああ、どうも…。心配をおかけしました」
「どうされたんです?」
「いや、それが…。私にもよく分からんのです。署長室の椅子に座ったまでは記憶しておるのですが、そのあとが…」
署長に乗り移った[憑依した]Й3番星人は、迂闊なことは言えないぞ…と語り口調がスローダウンし、慎重になった。