「ははは…若い人は、まあ、いろいろありますからね…」
何がいろいろあるのか? 口橋や鴫田には分からない。鳩村に乗り移った[憑依した]Й3番星から来た異星人にとって、地球上には、いろいろと珍しい事象があった訳である。鴫田の空腹状態も、実はその一つなのだ。^^
「さて、一度、署へ戻りますか…」
「そうして下さい。署内では署長が消えた消えたで、偉い騒ぎになってますから…」、先に連絡して下さい」
「分かりました…。ははは…それじゃ、署へ帰還しますかっ!」
「はいっ! 取り敢えず、合同捜査本部を一度、開きませんと…」
「そうですね‥‥」
「僕のパスタは?」
「馬鹿野郎っ! そんなもの、いつでも食えるだろうがっ!」
「ですよね…」
鴫田はオーダーを立って待つウエイトレスに片手を振ってキャンセルした。
署長を乗せた覆面パトは一路、麹町署を目指した。
同時刻の麹町署である。
「今、口さんから連絡が…。署長が見つかったようです」
署内から消え去り、繁華街で見つかったというマジックのイリュージョンを絵にかいたような通報に麹町署は沸き返っていた。