「先々のことは、お婆さん、いや、御祈祷師様がお思いのとおり100%、起こりましたか?」
「へぇ~、思いましゅ通りに成りよりましゅただ…」
「で、ご祈祷をお始めになったということですか?」
「へぇ、左様で…」
「では、身に着けておられる装束は…」
「これでごぜぇ~ましゅか?」
「ええ、何か訳でも?」
「いや、訳などごぜぇ~ません。身に着けとうなったからです…」
「よく、そんな装束がありましたね?」
それまで黙っていた鴫田が口を開いた。
「それが、不思議なんでごぜぇ~ましゅ。急に現れよりまして…」
「現れよりましたか…」
そういえば、奥多摩から遥か離れた麹町署へ突然、現れたこととも関連があるように口橋には思えた。