水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

ユーモア推理サスペンス小説 無い地点 <43>

2024年07月31日 00時00分00秒 | #小説

「先々のことは、お婆さん、いや、御祈祷師様がお思いのとおり100%、起こりましたか?」
「へぇ~、思いましゅ通りに成りよりましゅただ…」
「で、ご祈祷をお始めになったということですか?」
「へぇ、左様で…」
「では、身に着けておられる装束は…」
「これでごぜぇ~ましゅか?」
「ええ、何か訳でも?」
「いや、訳などごぜぇ~ません。身に着けとうなったからです…」
「よく、そんな装束がありましたね?」
 それまで黙っていた鴫田が口を開いた。
「それが、不思議なんでごぜぇ~ましゅ。急に現れよりまして…」
「現れよりましたか…」
 そういえば、奥多摩から遥か離れた麹町署へ突然、現れたこととも関連があるように口橋には思えた。


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