ところが、どういう訳か鳩村署長は二人が後を追ってくることを予見していた。いや、鳩村が予見していたというより、鳩村に乗り移った[憑依した]Й3番星から来た異星人が予見していたと言った方がいいだろう。
『口橋君と鴫田君は間もなく来るな…。よし、ここで待っていよう』
鳩村は警察から失踪した理由を考えていた。その理由とは、署長自らミイラが消えた真相を調べていた・・というものだった。無論、その理由は二人を欺(あざむ)くための異星人の詭弁(きべん)なのだが…。
五分後、口橋と鴫田は鳩村に追いついた。
「やっぱり署長だっ! 署長~っ!!」
鳩村の姿を遠目に認めた口橋は片手を振りながら走った。鴫田も当然、走った。
「やあっ! 口さんですかっ!」
「…いったい、どうされたんですっ!? 署内じゃ、署長が消えたって大騒ぎになってますよっ!」
「ははは…いや、申し訳ない。実は私も現場捜査に参加しようと思いましてね」
「現場捜査は私らがやりますからっ! 署長はドッシリ構えて陣頭指揮をお願いしますよっ!」
「口さんが言うのも、もっともなんですね。今回はフツゥ~の事件じゃないでしょっ! ですから…」
「公安がらみ、ってことですか?」
「さあ…私にはよく分かりません」
Й3番星から来た異星人が乗り移った[憑依した]鳩村は逃げを打った。
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