水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -18- お偉方(えらがた)

2024年12月09日 00時00分00秒 | #小説

 今の世相を見回せば、お偉方(えらがた)の不祥事があとを絶たない。なにも私が偉そうにお偉方を上から目線で見て言っている訳ではないが、本当らしいから仕方がない。とはいっても、過去のこの手の事例のように孰(いず)れは闇から闇に葬られるのだろう…と余り期待はしていない。私の見解によれば、立件→長期に渡る裁判→世間が忘れ去る・・と、いつの間にか黙阿弥となるという予測だ。今日もキャッシュバックとかで司法当局の強制捜査の手が入った・・とか何とかのニュースが流れていたが、出来れば入らなくても済むような世相にして欲しいものだ。年末のクソ忙しいときに、人の手を煩わさず、猫の手で住む程度して下さい。^^
 とある職場の忘年会である。
「…ウィッ! 田所常務が副社長になるらしいぜ」
「お前、その話、誰から聞いたんだ?」
「隣の課の薄毛だ…」
「ああ、同期入社のあいつか…。アイツ、そんなお偉方のこと、よく分かったな?」
「いや、あれでアイツ、なかなかの情報屋らしいぜ」
「そうか…。だが、お偉方と俺達じゃ済む世界が違うからな…」
「そらまあ、そうだ…」
「お偉方はお偉方、俺達ゃ俺達さ…。まあ、気楽にやろうぜ」
 そう言いながら二人はグビリ! とビールを飲み干し、美味そうに煮えたスキ焼の肉を鍋から摘まみ上げた。
 お偉方はお偉方で大変な今の世相ですから、底辺あたりでのんびり暮らす方が楽といやぁ~楽かも知れませんよ、お二方!^^

                   完


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