ここ数日で心配なニュースを何度か観た。
中国の食糧生産政策に関する事だ。
政策の転換で、退林還耕のこと。
林を切り倒し耕地にする政策。
この三十年間は退耕還林だったのだから全く逆の政策に変わった。
私が最初に観たニュースは農民と役人が揉めている所。
既に果実の苗付けをしたばかりの畑を穀物以外認めないと苗を重機でなぎ倒す。
こんな光景は中国ではよく目にした。
強制退去や強制撤去は二十年前も日常茶飯事。
それでも、その見返りに住居を与えたり補償金があった。
しかし、今回は農地を召し上げる訳では無い。
だから補償金が支払われない。
事前に情報提供があればまだしもである。
ひどい話だが、中国では訴訟は出来ても勝ち目はない。
泣き寝入りするしかないのが現実だろう。
この政策は中国が食糧の自給自足を目指すからだ。
どうやら政策転換はウクライナ戦争が根本にあるようだ。
飼料としてトウモロコシ等をロシアやウクライナから輸入していた。
しかし昨年来、輸入が止まり飼料不足となった。
この政策転換は習近平の天の声である。
なにやら嫌な予感がする。
中国の農業は化成肥料に頼っている。
地勢は年々弱り、耕作が出来なくなる。
腰を据えてやれないのは、土地制度が原因だ。
農地も国からの借り物だから、何時取り上げられるか分からない。
実際に国策と言って、農家に整地をさせると取り上げる。
こんな事が全国で頻発した。
共産党員の地方役人は成績を上げることにやっきである。
農業では利益が出ないので、工業に転換する。
私が中国で仕事をしていた頃、こうした事例が各地で起こっていた。
広大な土地を持つ中国ではあるが、実は耕作適切地は少ない。
環境の見直しで林を育て始めたが、再び砂漠化が進行する。
結局、思うように農業は育たない。
もし、大水害でも発生すれば中国で大飢饉が発生しかねない。
習近平は中国を破壊する。
中国が共産主義を選択したばかりに、西側と歩調を合わせられない。
ここから脱却しない限り、中国は成長が止まる。
可能性のある国なのに、残念な事だ。