執行草舟の名著『生くる』の「習慣について」の以下はいい。
「悪い習慣を身に付けている人は、うすうす悪いとわかっているから、つい卑屈になる。 この卑屈さが自負心を奪い、流行に振り回され、他人に認められたがり、誉められたがる小人を生み出す。
自分を低めることにより、個性も人格もない浮き草となる。」
これを読んで、以下のひらめきを得た。
不誠実な振る舞いをする場合も同じ。
不誠実な、嘘や、ごまかし。
これらは、自分の心の「弱さ」から来る。
不道徳で、不誠実とわかっている。やっちゃいけないとわかっている。
でもその弱い、醜い、卑しい心に、負けている。
この「小さな敗北」が、積もり積もって、卑屈さを生む。
「俺はどうせ弱いんだ」「人間なんて弱い生き物だ」「誰だってミスするんだ」「多少は甘えていいんだ」という。
これが、自負心を奪う。矜持を奪う。自尊心を奪う。
そういう人間は、ゆくゆくは、「流行に振り回され、他人に認められたがり、誉められたがる小人」に成り下がる。
つまり、自分を低める、「個性も人格もない浮き草」になる。
執行草舟さんがいう「横野郎」「水平野郎」ですね。
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以上のロジック・心理は、「克己の工夫は一呼吸の間にあり」と言う佐藤一斎を思わせる。
ちょっとでも自分の弱さに負けることが、積もり積もって、自分の習慣、性格、そして人生を築いている。
執行草舟的な言い方をすれば、「人生は一瞬で決まる」。
刹那の、呼吸、気合、心情で、人生は形作られる。
「ビジネスは一瞬一瞬が勝負」と思って仕事していますが、その「刹那の工夫」は、ビジネスのみならず、人生行路全般に、影響すると知りました。