狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

合掌。

2020年03月11日 19時00分57秒 | その他の日記
 本日の倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は十三度。最低気温は九度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。


 本日3月11日は、ローマ皇帝のヘリオガバルスが近衛隊プラエトリアニによって暗殺された日で、メディチ家出身のレオ10世がローマ教皇に就任した日で、イギリス女王アンがスコットランド民兵法の裁可について拒否権を発動した日で、徳川家茂と和宮親子内親王の婚儀が執り行われた日で、明治政府が琉球藩を廃して沖縄県を設置して琉球藩王・尚泰王に東京居住を命じた日で、品川弥二郎が第2回衆議院議員総選挙での選挙干渉を非難されて内務大臣を辞任した日で、路面電車の運賃値上げに反対した東京市民が路面電車を焼き討ちして54の車両を焼失させて検挙者200人以上を出した日で、中華民国臨時大統領・袁世凱統治下の同国が中華民国臨時約法を公布・施行した日で、イギリスの外交官ヘンリー・マクマホンがイギリス領インド帝国とチベット地方政府による国境線「マクマホンライン」を引いた日で、ロシア内戦中のニコラエフスクで赤軍パルチザンと中国海軍が日本軍守備隊に武器の引き渡しを要求して日本軍守備隊を殲滅した(その後、老若男女の区別無く数千人の市民を虐殺、日本人はほぼ皆殺しにされた)日で、ミハイル・ゴルバチョフがソビエト連邦の最高指導者に就任した日で、リトアニアが1940年になされたソビエト連邦への加入を強制併合で無効であるとして連邦からの脱退・独立を宣言した日で、スペインのマドリードで通勤列車の連続爆破テロが発生して死者191人を出した日で、東北地方太平洋沖地震が発生した日であります。

 合掌。


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氷のような気高き薔薇の花 散りもせず朽ちもせず その美を留めて

2020年03月11日 18時18分32秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜はオダ トモヒトの漫画『古見さんは、コミュ症です。』の第16巻を読んだ後に、同人サークル『あんかけスパ』のアクションRPG「東方紅輝心」で遊んでいました。
 東方Projectのファンゲームで、吸血鬼『レミリア・スカーレット』と従者『十六夜咲夜』を主人公としたアクション・ロールプレイング・ゲームであります。


 レミリア・スカーレットお嬢様でプレイ。
 昨日は、『第5章:ゴシップをやっつけろ 』が終了。
 滝のある場所のステージで水に落ちると流れる水に弱い吸血鬼のレミリアお嬢様は一発KOであります。
 んで、水に落ちやすいステージの構造となっております。
 私、延々と水に落ちておりました。
 トランポリンのような魔法陣のある場所は特に苦手で延々と魔法陣を踏み外して水に落ちておりました。
 何とか第5章のボスがいる所にたどりつき、倒すことに成功。
 延々と第5章を繰り返していたのでサクサク進めていません。
 なので、いらちなレミリアお嬢様はお怒りモードであります。
 すまぬ。お嬢。


 暫らくはこのゲームで遊んでいきたい。と思っているところなのでございます。



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『古見さんは、コミュ症です。』第16巻/オダ トモヒト

2020年03月11日 18時12分44秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、オダ トモヒトの漫画『古見さんは、コミュ症です。』の第16巻を読んでいました。

 古見さんは、周囲からは凛としていてしっかりしているように見られている。
 言葉を発しないがそれ故に神秘的に思われていて、周囲は古見さんを崇拝している。
 しかし実は古見さんは、他者とのコミュニケーションがとても苦手で話しかけられると(表情からはわからないけれども)ひどく動揺して上手く返答できないでいることに悩んでいる。
 いつも「どうやって話しかけよう?」とか「どうすれば友達が出来るんだろう?」とか考えている。
 自分は嫌われているのではないかと悩んでいる。

 クラスメイトの只野くんは人気者に見える古見さんの悩みを知って古見さんの目標である「友達を100人作ること」に協力することにした。
 のだけれども……。

 コメディ漫画です。


 今巻は、文化祭や体育祭のお話であります。
 他者とどのように関わるか? という難題に悩んでいる人のお話でありますね。
 今巻のラストで「おぉ!」と仰け反ってしまいました。
 でも確かにこの方向にお話は進んでいたのです。
 ふむふむ。


 今巻も面白かったですよ。
 続きが楽しみであります。

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馳車千駟、革車千乗、帯甲十万、千里にして糧をおくるときは、すなわち内外の費、賓客の用、膠漆の材、車甲の奉、日に千金を費して、しかるのちに十万の師挙がる。

2020年03月11日 18時12分10秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの鈴木 寛氏の『新型コロナ報道:3.11に学ばないテレビ』と題した記事の転載であります。



           『新型コロナ報道:3.11に学ばないテレビ』

 東日本大地震からまもなく9年を迎えるところで、新型コロナウイルスの感染拡大という新たな国難に直面しました。
 国の専門家会議は2月24日に「今後1〜2週間が感染拡大を収束できるか瀬戸際」だと訴え、安倍政権は大規模イベントの中止や延期を国民に要請。
 感染拡大が著しい北海道では、道内全ての公立小中学校の休校へと動きました。

 本稿執筆時点でも感染拡大がとどまる気配はみられません。
 感染症に詳しい専門家のなかには「温かくなればウイルスの動きが鈍くなる」との楽観的な見方もあるようですが、2003年に今回と同じく中国から世界に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)のときは、WHOが終息宣言をするまで半年かかりました。

 確立された治療法はまだありません。
 新薬の開発導入には時間を要します。
 未曾有の危機に陥っているという点では、原発事故のときに放射性物質が拡散した事態と共通します。
 国民が不安と困惑の連続にいるなかで、専門家やメディアは科学的なエビデンスに依拠し、楽観にも悲観にも偏ることなく、正確なファクトを打ち出して「正しく恐れる」ように呼びかけるのが本来の姿のはずです。

 しかし原発事故直後の報道と言論は、すさむばかりでした。
 ネットで真偽不明の情報が飛び交う中で、テレビでも不安を煽る言動が続き、あろうことか当時の売れっ子科学コメンテーターまで「日本にはもう住めなくなる」と発信したこともありました。
 テレビ報道でも放射線モニタリングの最高値だけを強調し「福島は危ない」と煽って風評被害が拡大。
 某局のプロデューサーが「水素爆発の映像を流せば数字(視聴率)が取れる」と平然と私に言ったときの衝撃は今でも忘れられません。
 この報道のおかげで、福島に医薬品などの支援物資を届けるドライバーがいなくなり、救急搬送患者や病気療養中の方が亡くなりました。

 避難と籠城、二つの選択肢を、各人のケースに応じて、慎重に見極めて判断する必要があったのに、中央のテレビが避難のみを喧伝し、それに煽られた菅直人総理(当時)は、寝たきりの高齢者の避難を強行しました。
 その結果、避難などの震災関連死が1600名に及ぶ二次被害が相次ぎました。
 避難関連死について、NHKを除くテレビ各社は、いまだに、自らの責任に十分に言及していません。

 今回の新型コロナ感染拡大でも、まるで希望者全てにPCR検査を受けさせるべきかのような、医療資源が有限であることを無視した論者をテレビは登場させています。
 感染対策の専門家がそれを否定すると、検査を受けさせる、させないで論争も起きる事態も見受けられました。

 政府の対処が後手に回っているのは確かでしょう。
 ある程度の批判、非難もやむを得ません。
 しかし科学的、医学的根拠が不十分、あるいは根拠はあっても非現実的な言説がはびこるメディア空間のありようを見ていると、3.11から何も学んでいなかったのではないか、暗澹たる思いです。



                               転載終わり。



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白き肌 照らすのは緋色月 綺麗な夜 明けるなら 染めるまで

2020年03月11日 18時11分39秒 | VSの日記
 或る月が眩い夜のこと。
 友人が深夜に私の部屋に押しかけてきた。
 迷惑である。
 追い返そうとしたが友人はするりと私の部屋に入ってきた。


 「おっす。愛しの○○(←友人の名前)が会いに来てやったぞ」
 私という者がいながら? 
 「だから会いに来てやったといっているだろうが」
 何しに来たのです? 
 「お酒ある?」
 うちは飲み屋ではありませんよ?
 「いいからお酒を出しなさい」
 良いですけれども、好みのお酒はありませんよ? 強いお酒は今はありません。呑んでしまいました。
 「別に私は強いお酒が好きなわけではないんだけどな。か弱い女の子だし」
 はははは。
 「笑うところではないぞ」
 一口呑んだら帰ってくださいね。
 「私にそんな口をきいていいのか?」
 駄目なのですか? 
 「折檻するぞ。否。キスするぞ! それも破廉恥極まりないフレンチキスだ!」
 ……。降参です。

 ……。私はそろそろ寝たいのですが。
 「私が折角会いに来てやったのになんだその態度は。お喋りに付きあってよ。そっけないな~」
 私はもうこの時間はお寝むの時間なんですが。
 「あ~駄目駄目。悪い子はもっと夜更かししなきゃ」
 私は良い子だよ? 
 「良い子がこんな時間まで起きてちゃいけません。お仕置きです♡」
 待って待って待って。ふぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~。

 ……。体罰は駄目。駄目絶対。
 「体罰ではありません。愛の鞭です。愛のスパンキングです」
 もう嫌だ、この人。お尻が痛い。
 「こんな美人と呑んでいて嫌はないでしょ。そして君はお尻を叩かれるという辱めを受けて興奮していたはずです! 目が潤んでいますよ」
 傍若無人な振る舞いをしておいて神様扱いをしろとでも云うつもりですか? そして私はMではないのでお尻を叩かれて興奮する性癖は持っていません。
 「私は美人な上に性格も良いからね。神様扱い程度では困る。そして君は素直になれないドMだ。認めてしまえよ」
 ……。貴女のそういうところが嫌いです。
 「私は大好きだよ」
 自分のそういうところ? 
 「自分のそういうところ」
 ……。

 貴女が私生活でストレスが溜まりに溜まっているのは分かりますが、私に八つ当たりをするのはやめてくれませんか? 
 「何を言っているの? 君が居るから私は頑張れるんだよ?」
 嬉しくない……。
 「君は幾ら苛めてもやり返してこないし、何だかんだで付き合ってくれるじゃない」
 やり返したらもっと酷い仕打ちが待っているから、受け流しているだけです。
 「そんなことを言って、私のことが好きなんでしょ?」
 え? 嫌いですよ? 何言っているんですか? 
 「照れなくても良いよ。分かっているから」
 ……。照れてない照れてない。私は怒です。

 「怒らないでよ。機嫌直してよ」
 否です。
 「どうしたら機嫌を直してくれるの?」
 暴力を振るわなければ治りますよ?
 「それ以外では?」
 ありません。私はMではありませんから。
 「私は君が居るから頑張れるんだよ?」
 知りませんよ。モチベーションは他で保ってください。
 「分かった。もう暴力は振るわない」
 愛の鞭も振るわない。私を襲わない。SAY YES。
 「……」
 SAY
 「私なりの愛情表現なんだよ」
 愛情を込めていたら何をしてもよいって訳ではないですよ?
 「え?」
 私が愛情を込めて良かれと思って貴女の御酒にお醤油をぶちまけたら怒るでしょ?
 「ふざけんなよ。ぶっとばすぞ」
 そういうことです。
 「どうゆうことです?」
 ……。

 「私の愛を受け止めてよ。この溢れんばかりの愛を!」
 愛というものはもっと優しいものなのです。例えばお布団みたいな優しさ。貴女の愛は吊り天井です。
 「吊るタイプのお布団」
 そんなタイプの愛は私は要りません。
 「食わず嫌いは駄目だよ。滅多に出来ないプレイをもとい経験を積む良い機会だよ♡」
 誰彼構わずそんなことをしていては人に嫌われますよ。
 「誰彼構わずこんなことはしてはいないよ。……。こんなことをするのは……君にだけだよ♡」
 ……。それらしく云っても駄目です。

 貴女が私のことを好きでも私は貴方のことが大嫌いですからね! 
 「嫌よ嫌よも好きのうち」
 好きならもっと大切にしてください。
 「大切だから名前彫っとこう」
 や・め・て・く・だ・さ・い。重い。愛が重い。その発想が怖い。
 「そんなに痛くないから」
 貴女は何をしても痛みなんて感じないんでしょ? 一緒にしないでください。
 「痛みは感じるよ? 心が痛むこともある」
 心の無い人が心を痛めることなんてあるわけないでしょ。 
 「では、私は大好きな君を理由もなく折檻することで心が痛むかどうか試してみよう!」
 待って待って待って! ふざけるなやめろ。
 「愛する者を傷つける痛みは何よりも痛いはずだ。分かってくれ!」
 分かるかぁぁぁぁ。試すな! 私で試すな! 私を縄で縛るな!!!
 「処刑人というのは自分の主張に関係なく手を下さなければならない呪われた運命にあるのです。私は心の無い罪深い人間です。罪は償わなければならない。私は愛する者を理由なく折檻する役を敢えて引き受けて苦しみを受けることにする!」
 こっちは無罪なんだよ! ごらぁ! ふぎゃああああああああ!!!! 


 もうね。まぢで怒りますよ? 
 「と云いながら、何だかんだで許してくれる君が好きだよ♡」
 許してねえよ? 

 ……。理由もなく折檻だなんて理不尽過ぎる……。
 「世の中ってのは理不尽なんですよ」
 理不尽なのは世の中ではありません。貴女の倫理観です。
 もうそろそろ帰ってください。私はお寝むです。
 「酷いなあ」
 酷いのは貴方です。何で帰りたくないんです? 
 「帰りたくないんじゃない。君と一緒に居たいの♡ もとい君と一緒に寝たいの♡」
 私は一緒に居たくないです。ましてや一緒に寝たくないです。
 「またまた~。相思相愛じゃんか♡」
 帰ってください! 

 「あれ? 君は何を呑んでいるの?」
 鬼殺しです。
 「何で死なないの?」
 私は貴女と違って鬼ではありませんから。
 「結構呑んでいるよね? どれだけ呑んだの?」
 ……。2升。
 「君は見かけによらず笊だよね」
 呑めりゃ良いってものでもないですよ。
 「やだ♡ 格好いい♡」
 ……。

 もう、午前4時ですよ。もう勘弁してくださいよ。てかまぢ帰れ!
 「いいじゃん。君は明日はお仕事がお休みでしょ」
 もう寝たいんですよ。
 「え?]
 照れないでください。誤解です。眠りたいのですよ。
 「つれないなあ。君は」
 明日は休みだけど用事があるのですよ。私はさっさと寝たいのですよ。
 「え?」
 照れないでください。誤解です。眠りたいのですよ。
 「お酒が切れたよ? もっと頂戴」
 人の話を聞いていませんね? 
 これで最後の一杯にして下さい。呑んだら帰ってください。てかまぢで帰れ! 
 「私にそんな口をききましたね?」
 駄目なのですか? 
 「最初に言いました。折檻です。否。キスします! それも破廉恥極まりないフレンチキスだ!」
 待て待て待て待て。やめろ! こらぁ! やめろやめろってばやめろやめてくださいやめておねがいしますやめて。んんんんんん~!!!!




 私・狐は身の危険を感じ身を穢される不安を感じたので、友人を私の部屋から追い出す作戦から友人を酔い潰して寝かしてしまう作戦に切り替えた。
 友人が酔い潰れてすやすやと可愛い寝顔を見せた頃には、夜の向うに夜明けが忍んでいた。

 無念である。


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戦略とはこちらの資源や行動を1点に集中させることである。「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要になってくる。

2020年03月11日 00時31分56秒 | その他の日記
 以下の文は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の見解」の転載であります。


新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「 新型コロナウイルス感染症対策の見解 」
2020年3月9日



この専門家会議は、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の下、新型コロナウイルス感染症の対策について医学的な見地から助言等を行うために設置されました(令和2年2月14日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)。
 この見解は、新型コロナウイルス 厚生労働省 対策本部クラスター対策班が分析 した内容に基づき、専門家会議において検討した結果をまとめた見解です。
 現在までに明らかになってきた情報をもとに、我々がどのように現状を分析し、どのような内容について政府に助言をしているかについて、市民に直接お伝えすることが専門家としての責務だと考え、この見解をとりまとめています。
 この内容はあくまでも現時点の見解であり、随時、変更される可能性があります。

1. 感染拡大の防止に向けた 日本の基本戦略

 専門家会議では、日本で新型コロナウイルスに対応するための基本的な考え方を、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大の効果を最大限にするという方針とし、 政府に助言をしてきました。
 その具体的な戦略は 「クラスター(集団) の早期発見・早期対応」、 「患者の早期診断 ・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「市民の行動変容」 という3本柱であると考えています。
 この戦略は世界保健機関(WHO)の推奨する戦略とも一致しており 、 既にシンガポールや香港などで実施されているのと同等の戦略です。
 一方、日本よりも急速に感染が拡大してしまった国では、日本のような戦略のみでは感染拡大を抑えることができず、人々の行動を大幅に制限する戦略を取らざるを得ない状況になっています。
 日本では、医療機関が高い医療水準を誇っており、地方公共団体や保健所の高度な調査力があります。
 今後の感染拡大に備えて、これらの機関の体制を強化し、広域での連携や情報共有をすることは不可欠です。
 そして、日本には、市民のみなさまの強い協力意識があります。
 この戦略を確実に実行するためには、市民のみなさま一人一人が二次感染を防ぐための行動にご協力いただくことも欠かせません。
 我々が提案する基本戦略は、これらがそろって、はじめて実現できる戦略ですが、後述するように、日本の状況はこの戦略により感染拡大のスピードを抑えられる可能性もあります。
 そのため、専門家会議としては、当面の間、この戦略を強化すべきであると考えています。

2. 現在の国内の感染状況

 現時点において、感染者の数は増加傾向にあります。
 また、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が、全国各地で相次いで報告されています。
 しかし、全体で見れば、これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
 また、実効再生産数(感染症の流行が進行中の集団のある時点における、1人の感染者から二次感染させた平均の数)は日によって変動はあるものの概ね1程度で推移しています。
 感染者や濃厚接触者の方々、地方公共団体や保健所の皆様 、厚生労働省対策本部クラスター対策班の連携と多大な努力が実り、現時点までは、クラスター (集団)の発生を比較的早期に発見できている事例も出てきています。
 これは、急激なペースで感染者が増加している諸外国と比べて、感染者数の増加のスピードを抑えることにつながっています。
 2月24 日に公表した専門家会議の見解において、 我々は、 「これから1-2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となります」と述べましたが、 以上の状況を踏まえると、 本日時点での日本の状況は 、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、 持ちこたえているのではないかと考えます。
 しかしながら、感染者数は、一時的な増減こそあれ、当面、増加傾向が続くと予想されます。
 また、 後述するように、感染の状況を把握するためには、 約2週間程度のタイムラグを生じ、すべての感染状況が見えているわけではないので、 依然として警戒を緩めることはできません。
 専門家会議としては、 現在、北海道で行われている対策の十分な分析が完了し 、さらに他の地域の状況の確認などをしたうえで 、 全国で行われている対策も含め、 我々の考えを政府にお伝えしたいと考えています。

3. 重症化する患者さんについて

 中国からの2020年2月20日時点での報告では、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、13.8%が重症、6.1%が重篤となっています。
 また、広東省からの2020年2月20日時点の報告では、重症者125 名のうち、軽快し退院したものが26.4%、状態が回復しつつある者が46.4%となっています。
 日本国内では、2020年3月6日までに、感染が確認された症状のある人366 例のうち、55例は既に軽快し退院しています。
 重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別をつけるのは、依然として難しい状況です。
 日本では、死亡者数は大きく増えていません。
 このことは、限られた医療資源のなかであっても、日本の医師が重症化しそうな患者さんの多くを検出し、適切な治療をできているという、医療の質の高さを示唆していると考えられます。
 今後も死亡者数の増加を抑えるために、日本の医療提供体制を強化する必要があります。
 重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急激 に悪化し、肺炎に至っています。
 重症化する患者さんの場合は、入院期間が約3~4週間に及ぶことが多いです。
 また重篤の方の場合は、人工呼吸器による治療だけでなく、人工心肺を用いた集中治療が必要になることがあります。

4. 北海道における、「人と人との接触を可能な限り控える」対策について

 北海道では、急速な感染拡大を収束に向かわせることを目的として、2020年2月28日に「新型コロナウイルス緊急事態宣言」が知事より示されました。
 道民のみなさまには、基本戦略への対応に加えて、現在、「人と人との接触を可能な限り控えること」にも多大なご協力をいただいています。
 こうした対策の効果を検討するための最初のデータが得られるまでには、まだ時間を要します。
 この感染症の感染から発病に要する潜伏期間の平均値は約5日間であり、発病から報告までに要する平均時間は約8日間であることが知られており、我々が今日見ているデータはその約2週間前の新規感染の状況を捉えたものであるというタイムラグがあるためです。
 そのため、北海道での対策については、北海道での緊急事態宣言から少なくとも 約2週間後からでなければその効果を推定することが困難です。
 その後、複数の科学的な指標(感染者数の変化、実効再生産数、感染源(リンク)が明確な患者数)を用いて、約1週間程度かけて、この対策の効果を判断し、 3月19日頃を目途に公表する予定です。

5. 今後の長期的な見通しについて

 国内での急速な感染拡大を抑制できたとしても、世界的な流行を完全に封じ込めることはできません。
 先週まで報告が少なかった諸外国において、患者数が急増しています。
 これまで渡航の制限がなかった諸外国や国内の人々との間の往来や交流が既に積み重ねられています。
 しかし、全ての感染源(リンク)が追えているわけではないので、 感染の拡大が、 既に日本各地で起きている可能性もあります。
 よって、今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくは、いつ再流行してもおかしくない状況が続 くと見込まれます。
 また、世界的な流行が進展していることから、国外から感染が持ち込まれる事例 も、今後、繰り返されるものと予想されます。
 新型コロナウイルス感染症は、人々が気づかないうちに感染 し、感染拡大に重大な役割を果たすという特徴があるため、クラスター(集団)を早期に発見し、早期に 対応できる体制の確立が不可欠だと考えています。
 今後、急速な感染拡大が予想される地域では、その地域ごとに「人と人との接触を可能な限り控える」対策を進め、収束に向かえば、比較的、感染拡大のリスクの低い活動から解除するなど、社会・経済活動の維持と感染拡大防止のバランスを取り続けるような対策を繰り返すことが、長期にわたって続くと予想されます。
 WHOは、今回の新型コロナウイルス感染症の地域ごとの対策を考えるために 、 3つの異なるシナリオ3Cs を考えるべきとしています。
 つまり、それぞれの地域を 1 )感染者が他地域からの感染者に限定されている地域(Cases)、 2 )クラスターを形成している地域 Cluster)、 3 )地域内に広範に感染者が発生している地域(Community Transmission)、の3つに分類して対応を考えることが必要だとしています。
 まだ、 WHOからそれぞれの地域の詳しい定義は提示されていませんが、 厚生労働省のクラスター対策班でこれらの地域 ごとの流行状況を決める指標とそれぞれのシナリオに応じた対策についての指針を作成しています。
 専門家会議としては、この指針と北海道での対策の効果をもとに、全国各地での対応を検討し、報告する予定です。
 また、 クラスター(集団)の早期発見・早期対応が長期的にわたって持続できる体制の整備が急務だと考えています。
 保健所については、労務負担を軽減すべく、帰国者接触者相談センターの機能 について保健所以外の担い手を求めるなど、早急に人的財政的支援策を講じるべきだと考えます。 
 また、地方公共団体や保健所の広域での連携及び情報共有が必要です。
 医療提供体制については、さらなる感染拡大に備え、対応にあたる一般医療機関や診療所を選定し、その体制を強化 していく支援をすべきだと考えます。

6. みなさまにお願いしたいこと

 これまでに明らかになったデータから、集団感染しやすい場所や場面を避けるという行動によって、急速な感染拡大を防げる可能性が、より確実な知見となってきました。 
 これまで集団感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い密閉空間であった、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われたという 3つの条件が同時に重なった場です。
 こうした場ではより多くの人が感染していたと考えられます。
 そのため、市民のみなさまは、これらの3つの条件ができるだけ同時に揃う場所や場面を予測し、避ける行動をと ってください。
 ただし、こうした行動によって、どの程度の感染拡大リスクが減少するかについて は、今のところ十分な科学的根拠はありませんが、換気のよくない場所や人が密集する場所は、感染を拡大させていることから、明確な基準に関する科学的根拠が得られる前であっても、事前の警戒として対策をと っていただきたいと考えています。
 専門家会議としては、すべての市民のみなさまに、この感染症との闘いに参加して頂きたいと考えています。 
 少しでも感染拡大のリスクを下げられるよう、 別添の 「新型コロナウイルス感染症のクラスター(集団)発生のリスクが高い日常生活における場面についての考え方」を参考にしていただき、様々な場所や場面に応じた対策を考え、実践していただきたいと考えています。
 どうかご協力をお願いいたします。

事業者の方へのお願い

 事業者の皆様におかれましては、既に 感染拡大のリスクを防ぐために 様々な対策をとっておられることと思いますが、別添の「新型コロナウイルス感染症のクラスター(集団)発生のリスクが高い日常生活における場面についての考え方」 を参考にしてください。
 そして、どのような対策を取っておられるかをぜひ積極的に市民に情報共有して ください。
 そのことが市民にとって、施設や各種サービス等の利用しやすさの判断につながると考えています。
 どうかご協力をお願いいたします。

【感染拡大のリスクを防ぐための参考となるウェブサイト】
首相官邸「新型コロナウイルスお役立ち情報」
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/coronavirus_info.html
厚生労働省「新型コロナウイルスに関する Q&A (企業の方向け)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
以上



新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「新型コロナウイルス感染症のクラスター(集団)発生 のリスクが高い日常生活における場面についての考え方」
2020年3月9 日



 新型コロナウイルスに対する地域での対策として、クラスター(集団)の発生を防止することが重要です。
 感染していると知らずに多くの人々と接触することで、感染を拡大してしまう可能性があります。
 そのため、感染拡大の機会を減らすために、多くの人が接触するような機会をできるだけ作らないようにする必要があります。
 クラスター(集団)の発生のリスクの高い場面では、一人の感染者が多くの感染者を生み出し、それが大きな クラスター(集団)の発生につながる場合があります。
 海外では多くの人が集まる 行事に伴い大規模な クラスター(集団)の発生が報告されています。
 この文章は、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容に基づき、専門家会議がクラスター(集団)の発生の防止に向けて、広く情報を共有することを目的としています。
 なお、これまでの知見、エビデンスは限られており、感染経路については不明な点も多く、適宜、変更される可能性があります。

 これまでクラスター(集団)の発生 が確認された場面とその条件

 これまで感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い密閉空間、②人が密集していた、③近距離での会話や発声が行われたという3つの条件が同時に重なった場です。
 こうした場ではより多くの人が感染していたと考えられます。
 これら3つの条件がすべて重ならないまでも1つないし2つの条件があれば、なにかのきっかけに3つの条件が揃うことがあります。
 例えば、満員電車では、①と②がありますが③はあまりなされません。
 しかし、場合によっては③が重なることがあります。
 また、一連の活動のなかで多くの時間は3つ条件が揃わなくても、あるときにはそうした機会があることがあります。
 例えば通常の野外スポーツをしている際には 3つの条件は揃いませんが、着替えやミーティングにおいては①から③の条件が重なることがあります。
 そのため、3つの条件ができるだけ同時に重ならないようにすることが対策となります。
 また、上記の条件の他に、共用の物品を使用していたという場面もあります。
 こうした状況では接触感染がおこる場合があります。
 これまで、換気の悪い閉鎖空間で人が近距離で会話や発語を続ける環境、例えば、屋形船、 スポーツジム、ライブハウス、展示 商談 会、懇親会等での発生が疑われるクラスターの発生が報告されています。
 なお、不特定多数が参加するイベントは、感染拡大のリスクが高いだけでなく、クラスターが発生したときに感染源の特定、接触者調査が困難となり、クラスターの連鎖につながるリスクが増します。
 イベントの特徴に応じて可能な場合には、主催者があらかじめ参加者を把握できているほうが感染拡大のリスクを下げることができます。

 クラスター(集団)の発生のリスクを下げるための3つの原則

 1.換気を励行する:
  窓のある環境では、可能であれば 2 方向の窓を同時に開け、換気を励行します。
  ただ、どの程度の換気が十分であるかの確立したエビデンスはまだ十分にありません。
 2.人の密度を下げる:
  人が多く集まる場合には、会場の広さを確保し、お互いの距離を1-2メートル程度あけるなどして、人の密度を減らす。
 3.近距離での会話や発声、高唱を避ける:
  周囲の人が近距離で発声するような場を避けてください。
  やむを得ず近距離での会話が必要な場合には、自分から飛沫を飛ばさないよう、咳エチケットの要領でマスクを装着するかします。
  これらに加えて、こまめな手指衛生と咳エチケットの徹底、共用品を使わないことや使う場合の充分な消毒は、感染予防の観点から強く推奨されます。

以上



                               転載終わり。



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