狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

清き月夜 霞流るる 天へ行かば 畏きを眺ゆ

2020年03月22日 20時53分12秒 | VSの日記
 本日3月22日は、屋島の戦いがおこなわれた日で、南アフリカのインド移民を制限する法律に反対して弁護士ガンジーが不服従運動を開始した日で、袁世凱が中華帝国皇帝を退位した日で、イワノフカ事件がおこった日で、ニコラエ・チャウシェスクがルーマニア共産党総書記に就任した日で、三月学運で李登輝政権が学生の要求受け入れを表明した日で、公証人役場事務長逮捕監禁致死事件および地下鉄サリン事件で警視庁がオウム真理教に対する強制捜査を行った日です。

 本日の倉敷は晴れたり曇ったりしていましたよ。
 最高気温は二十度。最低気温は八度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れとなっております。









 靜な晩である。
 空気は柔かく湿つて、木々からは甘酸い酸性の馨りが快く重く眠たい夜気の中に放散し、新芽が澄みわたった宙にひつそりと影を泛べている。
 到るところに陰翳の錯綜があつた。
 冬と春の混り合つた穏やかな何処となく淋しい景物が、今ぱつと咲いた銀色の大花輪のやうな月光の下で微かに震えながら擁き合つている。

 何処にも動くものがなかつた。
 何処にもものを云う声が聴えなかつた。
 其の沈黙が一層聞えない囁きの優しさと見えない魂の団欒を想わせるような夜の内を二人はパブリツク・ハウスに向つていた。

 二人はいつかあらゆる日常生活の煩しさから開放されていた。
 単調になりがちな愛の経過にさつと差した輝きのやうな新鮮さが二人のうちに夢をかきたてた。
 忘我と魂の鼓動がまるで月光のやうに二つの心を耀かせているのである。

 長い林を抜けると道は急に開いて、二人の前には寝靜まつて森閑とした大通りが黒く現われた。
 其処を横切る踏切りを抜けて一二丁行つた処に二人が向かうパブリツク・ハウスが大きな樺の樹に覆われて建つているのである。
 過去幾年か通り過ぎ踏み馴れた其の道を今二人は輝きに騎るやうな心持で履み越えやうとしているのである。

 眠つた家々の屋根や動かない樹々の重い梢々が高い透明な大空の穹窿の下に見えない刻々を彫みながら少しばかりずつ地殻の彼方へずり落ちて行くような感じを与えた。
 樹蔭の闇から月光を反射する窓硝子や扁平な亜鉛屋根の斜面が不思議に悒鬱な銀色で周囲の闇を一層際立たせ、同じやうな薄ら寒い脊骨を刺すやうな光線は土に四本並んで這う鋼鉄の線路からも反射しているのである。
 線路の傍に小さく建つた番小屋の傍まで来ると、今まで先輩に体を持せかけるようにしていた狐は、急にぱつちりと眼を見開きながら身を起して、「好い月ですね」と云つた。

 先輩は「ん? 其の台詞は『我愛你』と捉えてよいのかな? ん?」と云つて澄ました顔をしている。
 狐は頭を傾けて彼方に流眄を与えると其の儘先輩の自信を無視して歩調を速めた。

 月が照つている。
 窓々の硝子は光り、樹々が眠つている。
 深閑とした夜の空気……。




 其のパブリツク・ハウスは極小さかつた。
 然しパンの神の額の下には赫い鉢に植ゑたゴムの樹が一本、肉の厚い葉をだらりと垂らしてゐた。


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『永世乙女の戦い方』第二巻/くずしろ

2020年03月22日 12時34分56秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、くずしろの漫画『永世乙女の戦い方』の第二巻を読んでいました。

 高校2年生の早乙女 香は、女流棋士。
 彼女は女流7冠の天野香織と対戦することを夢見ている……。

 女流棋士の女子高校生が主人公のお話であります。



 勝負師ならではのメンタルの強さと弱さと思い込みの強さが描かれています。
 人生を1点賭けした者同士ならではの狂気じみたぶつかり合いの表現が見事であります。
 良い塩梅で狂っておりますなぁ。
 良いですよ良いですよ。


 面白かったですよ。
 続きが楽しみです。


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師に答えを求めるな! 教えを説く師は自分で答えを導き出したのだぞ! 学ぶ者よ、創造せよ!

2020年03月22日 12時18分27秒 | その他の日記
 もう既に様々な情報が公開されているにもかかわらず、「隠蔽されている!」とマスメディアが述べるのは調査能力が皆無であることを示しています。
 本来ならば、専門家や公的機関が公表している情報を分かりやすく伝えるのがマスメディアの職務ですが、陰謀論を述べるマスメディアはまともに取材する気はないようです。能力がないのかやる気がないのかは分かりませんが。

 これまで、もう既に公開されている情報が無視され続けてきました。
 専門家や公的機関が公表している情報が無視され続けてきました。
 人の命が係っていることであっても、マスメディアは専門家や公的機関が公表している情報を無視し続けました。
 現場の人間の切実な訴えもマスメディアは無視し続けてきました。
 空虚な正義感を訴え不安を煽り、実際の手順や決まり事や約束事を無視し、勝手に結論を出してそれを人々に押し付ける。
 私達は、もはやマスメディアの情報ではなく、原文をあたらなければなりません。

 マスメディアは原文を読まずに勝手に妄想で記事にしたリ番組を作ったりしています。
 マスメディアが原文とは全く違うことを平気で主張するのは、原文を読んでいないから、と見做すべきです。
 マスメディアがデマを大量に発するのは、事実をまともに調べる能力がないから、と見做すべきです。
 私達は、原文を調べるべきです。

 今は様々な機関から情報が発せられています。
 当事者が情報を発しています。
 それらは簡単に手に入ります。
 まずは現物を調べるべきです。
 その上でマスメディアの情報を利用すべきです。
 マスメディアが信用できないのならば、自分で情報を取りに行くべきです。
 これまでもマスメディアは散々、デマを拡散させ続けました。
 私達は自分で調べて自分で判断すべきです。
 今はそれが可能だ、と思うのです。


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