昨日の夜は、仁木英之の小説『恋せよ魂魄 僕僕先生』を読んでいました。
舞台は、唐の時代の中国。
お金持ちの家に生まれた主人公の王弁は、自分の家に死ぬまで遊んでいられるだけのお金が有ると気付き、仕事もせず勉学もせずフラフラと日々無為徒食を貪っていた。
そんな日々を送っていた王弁はある日、父親に命じられて黄土山に住む仙人の元へおもむくことになる。
王弁の前に現れた仙人はどう見ても十代の少女。彼女は自らを『僕僕』と名乗る。
父親の意向により王弁は僕僕に弟子入りする。のだけれども……。
唐と並ぶ勢力を誇る吐蕃(チベット)という超大国での騒動を経て、連れ去られた両親を救う為に、劉欣は僕僕先生達から離れて長安へ向かった。
劉欣を追う僕僕先生と王弁は、その旅の途中でタシという少女に出会う。
不治の病と診断された彼女は何故か王弁の傍にいると症状が和らぐ……。
治療をしていないのに……。
僕僕先生シリーズの9巻目です。
僕僕先生の教え方というのはとても迂遠な教え方でとても面白いです。
弟子の能力を信頼して任せてしまう。
見守って口は出さない。弟子に考えさせる。
間違っていれば間違っているというサインは出す。でも何が間違っているかは述べない。
放任主義のように見えるけれども放任はしていない。
今巻は、超絶的な力があったとしても不可能なことはある、というお話。
出来ないことを不可能なことをどう受け入れるか、受け入れて何をするのか? というお話であります。
物語は終結に向かっているのかな?
今巻も面白かったですよ。
続きが楽しみです。