舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

チヒロブルース、BLUES「ラッキーホラーショウ!」を熱く語る!

2013-09-30 22:28:06 | Weblog


BLUES「ラッキーホラーショウ!」にお越しいただいた皆様、ありがとうございます!
…ってブログに書くの何度目かって感じですね。

写真は、出演者の皆さん。
左から、コウヘイくん、おもケン、そうめい、レイ、ニコチンさん、おちやいさん、ほんざわさん。



僕は9月28日(土)の20時の回を観劇しました。
その時のざっくりとした感想はこちら「BLUES「ラッキーホラーショウ!」初日終了しました!」

ここで僕が書いたことは、純粋に楽しめたということ。
BLUESの一番の魅力は、役者が本気で楽しんでいるということで、それは演劇人として最も大切なことだと思うということ。

おもケンの脚本は非常にあざとく青臭く中二病臭いのだが、そこがBLUESの魅力であるということ。
また、BLUES初出演であるコウヘイくんがおもケンの脚本の魅力をとても引き出していた、ということ。

でも、やっぱりそれだけではBLUESの魅力は語りつくせない!
という訳で、日本で最もBLUESを熱く語れる男、チヒロブルースが「ラッキーホラーショウ!」を語ります!(長いですよ)



はい、先程おもケンの脚本は中二病臭いと書きましたが、「ラッキーホラーショウ!」のストーリーざっくりと書いてみようと思います。
公演終わってるし、いいよね…

DVD化(未定!)か再演(もっと未定!)を待つ!いつになるか分からないけど待つ!という方は、飛ばして下さい。
それでは、ストーリー張り切ってどうぞ。



とある屋敷で100年振りに再会した、ドラキュラ(レイ)、狼男(おもケン)、ミイラ男(そうめい)の三人のモンスター。
100年前に屋敷を出た狼男とミイラ男は人間として生きる道を選び、ドラキュラは一人屋敷に残ったのだ。

100年振りに屋敷に二人を呼び出したドラキュラは、二人に人間を襲うのを手伝えと言う。
ドラキュラは人間の生血を吸って寿命を長らえているが、人間を襲っていないドラキュラは今日の夜明けで寿命が尽きてしまうのだという。

突然呼び出しておいて上から目線なドラキュラに不満な狼男とミイラ男だが、1000万円を山分けと聞いて話に乗ることに。
すると、そこに偶然転がり込んできた、ヤクザ(おちやい)と、1000万円の借金の肩代わりに臓器売買されそうになってるのに超笑顔の少年(コウヘイ)と、謎のメガネスーツ男(ニコチン)。

襲おうとするが、取り敢えずヤクザの仲間らしいメガネスーツ男がめっちゃ強いので部屋の一角に閉じ込める。
ヤクザもめっちゃ怖いのだが、偶然にも窓の外に落下していくヤクザ。

少年の血を吸ってしまおうとするも、「友達になってよ!」と超笑顔でグイグイくる少年に、三人は何だかんだで友達になると言ってしまう。
なんでも、少年には今まで一人も友達が出来たことがなく、さらに家族も知り合いも、周りにいる人達は次々と不幸になっていくのだという。

しかし、人を憎むということを知らない少年は、ことあるごとに周りの不幸は自分のせいだと思い込み自殺を図る。
自殺されては生血が吸えない!と阻止するモンスターたちだが、段々本当に仲良くなって行ってしまう。

その後、ヤクザに死霊が乗り移って殺戮マシーンになったり、謎のメガネスーツ男が少年に取り付いていた疫病神だと判明したり、大変なことが色々と起こっててんやわんやします。
が、色々な偶然が重なって、ヤクザも疫病神を屋敷から去って行きます。

そして判明する、100年前の事実と、ドラキュラが狼男とミイラ男を呼び出した本当の理由。
ドラキュラは100年前、ミイラ男と狼男と喧嘩をしたのだが、実はそれは二人に出て行って欲しくないと素直に言えなかっただけだったのだ。

本当は死ぬ前に二人と仲直りしたい、ただそれだけだったのだ。
しかし、またしても素直になれず、二人を追い出してしまうドラキュラ。

そしてドラキュラは少年の血を吸うことを諦め、少年に1000万円を渡して屋敷に一人残るドラキュラ。
朝が近づく中、一人誰にも言えなかった気持ちを叫び続けるドラキュラ。その時…



ま、大体こんな感じです!
大分頑張ってまとめたよ!

あらためてストーリーを思い出しながら書いてみて、やっぱり思ったよ。
うっわあああああ!!中二病臭え!!

なんだよモンスターって!
生血を吸わないと死ぬとか、ヤクザに死霊が乗り移るとか、疫病神とか、何だよその微妙なホラーだかファンタジーだかよく分からん設定は!

しかも、結局素直になれないドラキュラと、人を憎むことを知らない少年の出会いとか、マジでなんという青臭さ、かつ泥臭さ!
ストーリー書いてて、ちょっと恥ずかしくなってきました。



さらに、これらのストーリーの中に、本当にバカバカしいギャグシーンが次々と挿入されていきます。
これ、ストーリーにいる?いらないよね?ってレベルの、本当に下らないギャグの数々。

例えば人生ゲームをやろうとしたらジュマンジを拾って来ちゃうみたいな、そういうレベルの。
ちなみにレイはこれを「普通にやったら20分で終わる舞台をボケまくって2時間近くやる」って言ってましたが、本当そんな感じです。



しかし俺は、この舞台を見て、面白かったし、いいだ舞台だなあって素直に思いました。
その理由は三つほどあります。



良かったとこ一つ目は、ギャグでちゃんと人を笑わせていること。
何も考えずに見ていて、コントのようなシーンが次々と訪れるので、2時間近くある舞台でも飽きずに見られること。

コメディ演劇をうたっておいて全く面白くなかったら致命的ですからね。
ま、ぶっちゃけ最初は滑ってる感ありましたけど、徐々に会場の空気が温まるにつれてそれも気にならなくなって行きました。

ただ、これだけは言わせてくれ…
お前ら、照明さん音響さんに頼りすぎなギャグ多すぎ!(らぼ、ありさ、本当お疲れさんでした…)



気を取り直していきましょう。
良かったところの二つ目は、ただのボケと思わせておいたシーンでも、実は伏線として物語の中でちゃんと意味を持ってくること。

また、ギャグのシーンというのは、少年と、その周りのモンスターに起きる不幸(アンラッキー)に関するものが多かったです。
が、それらが後々のストーリーにおいて「実はラッキーだった」という風に繋がってくるんですね。

例えば、人生ゲームで「バイト先が爆発する」というというコマに止まったら、本当にミイラ男のバイト先が爆発する、というギャグがあるんですが、物語の後半になって、実はその爆発のおかげで…みたいなことが判明したりします。
要するに、キャッチコピーである「ホラ、ラッキーだったでショウ」が、ここにかかってるってわけですね。



そして良かったところの三つ目は、これが一番大事だと思うんですが。こんな中二病設定とあざといギャグ全開の作品ですが、実は物語が描くべきことをちゃんと描いているということ。
ここで言う物語が描くべきことと言うのは、人間の気持ちの変化、という点です。

この物語ではバカなことが色々起こりますが、要は、素直じゃないドラキュラが素直な少年と出会って、気持ちが変わっていく、という作品です。
バカなことをやりながらもそこをちゃんと描いているから、ラストシーンでは感動することが出来ます。

ここで面白いのは、主人公が何かを成し遂げたり、当初の問題を解決したりした訳ではないのに、感動できる、という点です。
ドラキュラの当初の目的は人間の生血を吸うことでしたが、結局それは成し遂げられず、寿命は尽きてしまう。

全然関係ない少年の命なんかはちゃっかり救ってしまうくせに、自分の当初の目的は一つも達成されていないんですね。
それどころか、喧嘩していたミイラ男、狼男に素直になることもできずに物語はクライマックスを迎える。

ドラキュラ、結局最後死ぬからね。
散々ご都合主義の物語だから、何だかんだで生き延びたりする方法もあったのかもしれないけど、そこは妥協しないんですね。

それなのに、見ていて「あ、これハッピーエンドだ」と確信させるものがあるのは、気持ちの変化をちゃんと描いていたからだと思います。
いや、主人公が成長したぜ!なんか成し遂げたぜ!系のハッピーエンドはたくさんありますが、こういうエンディングの描き方は、ええ、好きですね。



以上、おもケンが脚本家として成長したなあと思ったところです。
(まあ、「どうですか?すごいでしょ」っていうおもケンのドヤ顔が見えた気がしなくもないですが、優しい俺は見なかったことにします)





脚本の話だけでこんなに長くなっちまった!
もうちょっとだけ続くんじゃ!







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