◆アフリカの内陸国でマスの養殖 食糧危機対策に養殖技術を生かせ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9331
砂漠産の魚を食べられる未来は近いかもしれない——。
今春に行われた私立大学の一般入試で、近畿大学が2年連続で志願者数トップになったことが、教育情報会社「大学通信」の調査で分かった(3月13日現在判明分)。この背景には、紙の願書からインターネットへ出願方式を全面移行したことに加えて、マスコミにも注目された「近大マグロ」効果によって大学のブランド力が向上したことがあると言われている。
近大マグロは、近畿大学水産研究所が2002年6月に世界初のマグロの完全養殖に成功したことにより誕生した。全国の百貨店や飲食店などで販売されており、今後、海外への輸出もにらんでいる。
◎アフリカの標高2200mの高地でマスの養殖
島国の日本では、養殖は馴染みが深いものだが、海のない内陸国でも行われていると聞くと驚く人も多いかもしれない。
アフリカ南部の高地に位置する内陸国のレソトでは、高山気候により1年を通じて水温を最適に保つことができることから、マスの養殖が行われている。生産されたマスの大部分は、日本を初めとしたアジアに輸出されているという。
レソトでマスの養殖を行う「ハイランズ・トラウト」プロジェクトは2009年、アフリカでボランティア事業などを展開するアドバンス・アフリカ・マネジメント・サービスによって立ち上げられた。ハイランズ・トラウト責任者のグラント・メリック氏が「100人強(の地元民)を継続的に雇用している」「ハイランズ・トラウトで働き始めるまで一度も正式に働いたことがなかった従業員も多い」(1月3日付CNN)と語っているように、国民の4人に1人が失業で苦しむ中で同国に大きく貢献している。
◎栃木ではプールに温泉水を入れてフグを養殖
日本国内でも、養殖を通じて、地域活性化につながった興味深い事例がある。
内陸県の栃木県那珂川町に本社を構える夢創造の野口勝明社長は、町おこしをするために、地元の地域資源である温泉水を利用し、民間のプールの跡地を養殖場として有効活用。県内外の飲食店や小売店など130店舗に養殖トラフグを卸し、地元の産業を支えるほか、産学連携にも積極的に取り組むなど、養殖技術の向上を目指している。
◎岡山理科大学の好適環境水で砂漠産の魚も夢じゃない?
さらに、本欄でも紹介してきた岡山理科大学で研究されている好適環境水を使えば、魚の生育に必要なミネラルを淡水に加え、マスのような淡水魚のみならず、海水魚も養殖可能だ。水は再利用されるため、海から離れている山間部や砂漠地帯でも養殖できる。国を支える未来の基幹産業にもなり得る技術だ。
今世紀中に世界の人口が100億人に到達すると予想されており、食糧危機が現実的な問題として議論されている。そうした中、日本発の養殖技術が果たす役割も大きいのではないだろうか。(冨)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『「未来産業学」とは何か』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1049
【関連記事】
2014年5月16日付本欄 陸上で養殖した「理大マグロ」が初競りに 発明で世界の飢餓を救え
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7839
2013年11月10日付本欄 常識にとらわれない発想で、100億人時代の食糧不足を解決しよう
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6911
2011年1月号記事 2031年日本の未来構想(4)100億人を食べさせる!
http://the-liberty.com/article.php?item_id=329
2009年3月号記事 世界を救う日本の知力
http://the-liberty.com/article.php?item_id=610
イスラム諸国は分裂する 外交評論家・加瀬英明氏に聞く中東問題(2)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9327
外交評論家 加瀬英明
プロフィール
(かせ・ひであき) 1936年、東京生まれ。77年から福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長を経て、現在は国内外での講演・執筆活動を行う。『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社新書)、『加瀬英明のイスラム・ノート』(幸福の科学出版)など著書多数。
年初からイスラム過激派によるテロが相次いでいる。しかし、日本人にとっては、なぜ、どんな理由で中東地域の混乱が起きているのかは分かりにくい。
そこで、外交評論家でイスラム教やユダヤ教に関する多数の著作で知られる加瀬英明氏に話を聞いた。現在発売中の本誌2015年4月号では紙幅の関係で割愛せざるをえなかった内容も含めて、全3回に分けてお届けする。2回目の今回は、日本の宗教観と中東の今後について。
イスラム諸国はどう変わっていくか
――今後、イスラム諸国はどのように変わっていくのでしょう? トルコではアタチュルク大統領が近代化をしましたが、現在はその方針が変わってきています。また、イランを近代化しようとしたけれどもイラン革命で崩壊したパーレビ政権も、イスラムを否定しすぎてしまった部分があるのでしょうか?
加瀬: トルコも今はイスラム原理主義が強くなってきていますね。しかし、エジプトのナセルもそうですし、イラクのフセイン、シリアのアサドも、全員がイスラムを否定していました。
彼らは、西洋に対して強い劣等感を持っていたんです。日本の明治時代に似ているんです。西洋を模倣して近代化を進めなければ、と考えていました。
ところが1970年代に石油ショックが起きました。自分たちが手本にしなければいけないと思っていたヨーロッパやアメリカ、日本などの、大統領や首相、経済界の大物が、「油乞い」で中東にやってきたわけです。
そうすると、「やはりイスラムは偉大だ!」ということになって、イスラム原理主義が復活してきました。石油ショックがなければ、中東は今もラクダが群をなしてナツメヤシが名物というエキゾチックな地域だったはずです。
中国も同じです。中国に投資すればたいへん儲かるということで「中国詣」が始まると、「中華文明は偉大だ」ということになった。
中国も、先進諸国が中国に投資しなかったら、今もまだ苦力(クーリー)ばかりの国で、昔ながらのおとなしい遅れた中国だったでしょうね。
――そういう揺り戻しのようなものがあるわけですね。
加瀬: 今の中東諸国は、第一次大戦後に、西側諸国が分割して国境線を引いてつくられた国です。地図をご覧になると、直線の国境線が多いですね。
中東の実状を全く考えずに、文字通り机の上に地図を広げて、定規をあてて勝手に国境線を引いた。これからは、これらの国境線がなくなっていきます。リビアは3つに分かれると思います。イラクも3つくらいに分かれますね。
トルコ、イラク、シリアには、シーア派、スンニ派、それからクルド族がいます。クルド族はトルコに1500万人くらいいるんですね。クルド族は自分たちの国をつくるのが願いであり、夢なんです。トルコにとって、クルド族は、イスラム国よりも恐ろしい。
イスラム圏を民主化しようとしたことが混乱のもとに
加瀬: もうひとつ、中東の混乱の原因は、アメリカがイスラム圏を民主化できると思い込んだことです。チュニジアで「アラブの春」が起きたとき、アメリカのオバマ政権は礼賛していました。
エジプトでは、自由な選挙を行ったら「ムスリム同胞団」の政権が生まれ、軍部がクーデターを起こしてシシ政権になったわけです。リビアでも欧米がカダフィ政権を倒してしまった。
もっと遡れば、アメリカのブッシュ元大統領は、イラクのフセイン政権を倒せば民主国家が生まれると思ってイラク戦争を始めましたが、それはとんでもない思い違いです。
イスラム諸国の長い歴史の中で、一度も民主主義が行われたことがないんです。急にうまくいくわけがない。とにかく第一次大戦後に引かれた現在の国境線はなくなっていくでしょう。
――今のイスラム国の動きも、そうした欧米の支配への対抗という意味があるのでしょうか。
加瀬: そうですね。だから、私はイスラム国は長く持たないと思います。
次の中東の大きな問題はイラン対イスラエル
加瀬: 中東の大きな問題は、イランの核開発がどうなるかということです。私は今のままゆくとイランが核兵器を持つことになると思います。
イランは中東唯一の核保有国であるイスラエルとアメリカへ対抗して核開発をしていますが、もし核武装すれば、イスラエルが先制攻撃をするかもしれない。
イスラエルはユダヤ人国家ですが、過去、ナチス・ドイツによって何の抵抗もせず羊の群れのように、死の収容所に送り込まれました。
それに対する反省と、イランによって抹殺される恐怖から、世界有数の軍事国家になっています。「もしイランの核を放っておけば、またアウシュビッツになる」と恐れて、ハリネズミのように武装しているのです。
もうひとつ懸念されることとして、イランが核武装すれば、対立するサウジアラビアがパキスタンから核兵器を買って核武装するかもしれません。そうなれば、中東は一層混乱すると思います。
そうした中で日本は、"極楽とんぼ"のように、今も原油の85%をペルシャ湾岸諸国に依存しているんですね。イスラム国の人質になった後藤健二さんのお母さんは、「反原発」を叫んでいましたが、日本としては原発をしっかりと全部稼働させるべきです。
エジソン著作の完全版が出版 発明王は「霊界通信機」を構想していた
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9328
電灯や蓄音機など、1000件以上もの特許を取った発明王トーマス・エジソンは晩年、死者の話を聞く「霊界通信機」を研究していた。
エジソンの死後、1948年に出版された著書『Diary and Sundry Observations』の最終章には、霊界通信機の構想が記されていた。しかし、再版時に最終章が削除されたため、その記録は失われかけていた。
そんな中、フランスで同書の完全版の仏訳版が見つかった。このほど、霊界通信機に関する記述も含めた完全版が出版される。
同書に解説を寄せた哲学者のフィリペ・ボードワン氏によると、エジソンは、霊界通信機の研究に協力した技師と、先に死んだ方が「生きている方にあの世からメッセージを発信するよう試みる」と約束するなど、真剣そのものだったという。(6日付AFP通信)
エジソンは神秘思想家のブラバツキー夫人と交流があり、夫人の開く神智学会にも出席したことがある。同書にも、死後の生命の存在を信じていることを伺わせる記述がある。
このエジソンの霊言を、大川隆法・幸福の科学総裁は1985年に収録していた。エジソンの霊は、霊界通信機の使い方について、「先祖と話をする」「地獄に落ちている霊を救済する」など具体的に述べていた(『大川隆法霊言集 第10巻』〔幸福の科学の精舎、支部で頒布〕に収録)。
大川総裁は2013年にもエジソンの霊言を収録。エジソンの霊に、未来科学にふさわしいテーマは何かを尋ねた(『トーマス・エジソンの未来科学リーディング』(幸福の科学出版刊)収録)。
エジソンの霊は再び「霊界通信機」について質問され、「『霊界を絡めた場合のエネルギーの法則は、いったい、どうなっているのか』、まだ十分に解明できていないんだよ。ここのところは、研究の余地がある」と、霊界の真実を探究する科学の可能性を語った。
エジソンの霊はこの他にも未来科学についてさまざまなアイデアを出しているが、霊界を前提にした研究である「霊界科学」の発展を何よりも願っているに違いない。(居)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トーマス・エジソンの未来科学リーディング』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1017
【関連記事】
2014年9月18日付本欄 NASAが民間企業に宇宙タクシー発注 日本は有人宇宙探査から撤退すべきでない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8431
2013年9月4日付本欄 発明王・エジソンが授ける「未来産業」のヒント
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6596
済制裁に苦しむロシアと日本[HRPニュースファイル1306]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2087/
文/政務調査会チーフ 小鮒将人
◆ロシアを苦しめる「経済制裁」の内容について
現在、ロシアは欧米から「経済制裁」を受けています。
日本ではロシア経済について、あまり報道されませんが、実際は深刻な影響を与えており、強気のプーチン大統領もさすがに厳しさを認識しているようです。
ひとくくりに「経済制裁」と言っても内容は様々です。昨年3月のウクライナ危機を受け、最初に、以下の経済制裁を行いました。
・ロシア政府・財界要人の入国禁止
・ロシア政府・財界要人の在外資産の凍結
第1弾の経済制裁は、一般のロシア国民には、影響はありませんでしたが、資産家・富裕層は、欧米での資産が運用できなくなり、大きな痛手となりました。
さらに昨年7月、ウクライナ上空で発生したマレーシア航空機撃墜にロシアが関与している可能性が高まった事で、以下の制裁が加わる事となりました。
・ロシア大手銀行への融資禁止
・ロシアへのエネルギー関連技術供与の禁止
第1弾は主として個人に対しての規制でしたが、第2弾は、企業が対象となるもので、撃墜事件がいかに、欧米諸国の怒りを買ったのかが分かります。
◆さらに「原油安」がロシア経済に大きな影響
さらに、第2弾の経済制裁と機を一にするかのように、原油価格が急落しはじめました。
昨年の年初から、100ドル前後の高止まりを続けていましたが、昨年7月から急落は始まり、現在はおよそ40ドル前後です。経済制裁に加え、原油安は深刻な影響を与えています。
元々ロシア経済は、原油及び天然ガスのエネルギー資源の輸出に大きく依存しており、大幅な資源安は、ロシア国内の景気及び、国家財政を厳しくし、それに連動してロシアの通貨ルーブルも急落しています。
ロシア中央銀行は、急落を食い止めるために度重なる金利の利上げを行い、この結果、物価が急上昇し、家計に厳しい影響を与えています。
ウクライナの紛争そのものは、ロシア、ウクライナ、欧州による交渉が合意に達し、ひとまず停戦に至っていますが、本質的な問題の解決ではなく、経済制裁が解除される見通しも立っていません。
また、原油安について、底を打った感はあるものの、上昇のトレンド(傾向)の見込みもなく、現在ロシア経済には大きな不安が残っています。
◆巻き返しとしての中国・北朝鮮との関係強化
こうした中、ロシアのプーチン大統領は、経済制裁に対しての対抗策を進めています。まず、中国とのガス供給の交渉が昨年5月、妥決しました。
元々、この交渉は価格が折り合わず、20年近く続いていたのですが、欧米の経済制裁への対抗措置として、プーチン大統領は中国側へ譲歩を行い、契約締結につながりました。
また、北朝鮮との関係改善についても注目されています。
今年5月、ロシアで行われる「対独戦勝70周年記念式典」に金正恩氏の出席が決定し、金氏が北朝鮮の指導者となって以来、初の海外訪問となりました。
ロシアは、北朝鮮に対して様々な支援を行います。米ハドソン研究所主席研究員の日高義樹氏によると、具体的に以下の支援を検討しているとの事です。
1.朝鮮半島での共同軍事演習
2.原油や天然ガスなどの供給
3.港湾、道路などのインフラ整備の支援
4.食料増産の援助
5.北朝鮮核兵器の小型化を技術支援
ロシアの本音はアメリカへの牽制である事は明白で、どこまで北朝鮮の支援を行うかが未知数ですが、特に、共同軍事演習及び、核兵器の性能向上については、日本の安全保障にも重大な影響が出てきます。
このように、欧米とロシアの緊張状態が続くことは、日本にとっては好ましいものではありません。
特に現在、中国の軍事的な拡大路線が懸念されているわけですが、その中で、ロシアは、中国への牽制ともなるべき非常に重要な国家であります。
◆日本がとるべき考えとは
「ウクライナ危機」は、ロシア側が、一方的な侵略の意図をもって進められたものではありません。元は、ウクライナがロシア側からEU側への移行を意図した事がきっかけとなったのです。
ウクライナは建国時より、EUとロシアの間の「緩衝地域」としての役割を果たしていたのですが、2013年、大規模な市民によるデモの結果、親ロシアのヤヌコビッチ政権は崩壊、現在はEU側につくことを選択しました。
しかし、ロシアとしてはEUと直接国境を接する事になり、国益の立場からこの事を決して容認できないのです。
とは言いつつも、ロシアの手法もかなり強引で、中間的な立場を持っていた国からも非難され、結果として経済的な苦境に立っています。
そして、プーチン大統領は、明るい見通しを国民に示すために、様々な手を打っているのが実情です。
日本は、まず日米同盟の堅持を掲げつつ、安全保障の観点からも、ロシアとの友好関係を強化することが非常に大切です。
安倍総理は、ソチ五輪の開会式において、欧米諸国の首脳たちの多くが欠席した中、数少ない出席者の一人でした。当然プーチン大統領としては、恩義に感じているでしょう。
欧米諸国と歩調を合わせるべき局面もありますが、日本は、ロシアがこれ以上、中国・北朝鮮との関係を深め、東アジアの安全保障上の危機とはならないよう、常にロシアへの配慮を続けていく事が必要です。
ウクライナをめぐるロシアと欧米諸国との緊張状態は、まだ見通しが立たない状態ですが、日本は今後も慎重な対応を続けていくことが、国益にかなう事にもなります。
緊急報告——今沖縄で何が起きているのか?!(拡散希望)[HRPニュースファイル1277]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2029/
文/幸福実現党・総務会長兼出版局長 矢内 筆勝
◆翁長知事誕生で活発化する、沖縄の左翼活動家
「今、沖縄の辺野古で大変な事が起きています!!ぜひ見に来て下さい!」−−。
沖縄県のある防衛関係者からそんな連絡を受け、私・矢内筆勝は今月7日と8日、幸福実現党の釈量子党首と共に、沖縄県名護市の辺野古にある米軍キャンプ・シュワブ沿岸の新基地建設現場を視察してきました。
キャンプ・シュワブは、宜野湾市にある米軍海兵隊・普天間基地の代替施設として、日米両政府が合意して建設を進めています。
しかしながら、昨年12月の県知事選で、辺野古新基地建設の中止を公約に掲げた翁長雄志・元那覇市長が当選。それに伴って、左翼活動家ら基地反対派の活動が過激化しているのです。
特に沖縄防衛局が、基地建設のための海上作業を先月15日から再開すると、地元や全国から集結した左翼活動家ら数十人が激しく抵抗、工事車両の通行を妨害し、罵声を浴びせ、警官ともみ合うなどの騒ぎを基地前で頻発させています。
動画:キャンプ・シュワブのゲート前で抗議する左翼活動家ら=地元の保守系活動家撮影
https://www.youtube.com/watch?v=-YDrneSiWS8
また左翼活動家らは20隻ものカヌー部隊を編成し、海からの基地侵入を企て、パトロールする海上保安庁と衝突を繰り返しています。
写真:カヌー隊、大型クレーン船に近づき抗議、琉球新報2月7日付より
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238542-storytopic-271.html
◆無法地帯と化した辺野古のキャンプ・シュアブ周辺
私たちが実際に辺野古のキャンプ・シュワブに行くと、そこは完全な“無法地帯”と化していました。
基地のゲート前の道路には、工事車両の通行や工事物資を抗議活動によって阻止するために、米軍基地のフェンス沿いに左翼活動家らが寝泊りする「テント村」が建てられ、常時数十人が鍋などを持ち込んで自炊し、寝泊りしています。
しかも、そのテントの骨組みとして使われている塩ビのパイプが、1〜1.5メートルも基地にフェンスに突き込まれ、基地側に大きく突き刺さった状態になっているのです。
基地ゲート前の「テント村」=矢内撮影
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=764374376986659&set=pcb.762664360490994&type=1&theater
基地のフェンスに付きこまれたパイプ=矢内撮影
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=762664017157695&set=pcb.762664360490994&type=1&theater
こうした行為が、国内法のみならず、米軍の基地管理に関する法律に違反しているのは間違いありません。ましてや、日米同盟を結ぶ同盟国の基地に対して断じて許してはならない「異常な行為」です。
国内でも、他人の土地や敷地に勝手にパイプを突き刺し、その所有権を侵害すれば、当然強制的に排除されてしかるべきです。もし皆さんの家の塀の外側に誰かがテントを張って暮らし始め、そこから1.5メートルもパイプを自宅の庭に突き刺されたら、どうするでしょうか?
しかも、相手は日本と同盟を結び駐留する外国の軍事施設で、断じて許してはならない行為です。しかし現実は、パイプは基地のフェンスに突き刺さったまま放置され、勢いに乗って左翼活動家が全国から集まり、「テント村」は拡大し続けているのです。
◆左翼の不法行為を放置する沖縄県と、左翼に慎重すぎる日本政府
地元沖縄の保守活動家によれば、米軍はこの左翼の行為に激怒し、いつでも強制排除する意志があるものの、日本政府が「左翼を刺激したくない」との理由で、米軍の強制排除を抑えていると言います。
事実とすれば、日本政府の「慎重姿勢」が、左翼の不法行為を是認し、放置しているわけです。
私はこの状態を見て、「破れ窓理論」(Broken Windows Theory)を思い出しました。建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると、管理人がいないと思われ、凶悪な犯罪が増えるという理論です。
かつて犯罪都市と言われたニューヨーク市で元検事のジュリアーノ市長が、この理論に基づき、ニューヨーク市では地下鉄の無賃乗車や落書きを「割れ窓」に見立て、徹底的に取り締まった結果、劇的に犯罪が減った話は有名です。
◆不法行為に対して、政府は毅然とした対応をとるべき
まさに、沖縄の左翼活動家らの不法行為は、この「破れ窓理論」によって、拡大し続けていると言えるのではないでしょうか。
つまり、沖縄県の県警や行政のみならず、それを監督する日本政府や行政機関が、沖縄における左翼滑動家とその背後に存在する左翼マスコミに遠慮し、一種の「事なかれ主義」に陥って小さな不法行為を放置した結果、今や日米同盟の絆すら毀損されかねない重大な事態を招いていると思えるのです。
今回のキャンプ・シュワブにおける「テント村」にしても、最初の不法なテントが一つでも作られ、不法なパイプが一本でも基地のフェンスに突き刺された段階で、沖縄県警や沖縄防衛局は法に基づいて、毅然と、そして強制的に排除すべきであったのです。
民主主義の根幹は法治です。民主政治によってつくられた法律を守り、毅然とした法の執行があってこそ、民主主義と国民の自由と権利、そして安全が守られるのです。
そんな法治国家として当然であるべき法の執行(違反者の摘発や取り締まり)を怠り、左翼活動家による違法な反米・反基地運動や選挙運動(沖縄の左翼陣営は選挙の度に確信犯的に選挙違反を行い、議席を伸ばしてきました)を是認し、放置してきた結果が、今の沖縄の姿であるのです。
ですから、今でも決して遅くありません。日本政府は、一刻も早く、辺野古のキャンプ・シュワブの左翼の違法な「テント村」を即刻、強制排除すべきです!
動画:辺野古のキャンプ・シュワブレポート、矢内筆勝
あなたは中国の「沖縄侵略計画」を知っていますか?
https://www.youtube.com/watch?v=UwPFvCzR4sU
東京大空襲を計画・実行した米空軍司令官の罪は許されるのか[HRPニュースファイル1284]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2043/
文/政務調査会チーフ 小鮒将人
◆「南京大虐殺」「従軍慰安婦」登録審査が迫っている
今年2015年は、戦後70周年という区切りの年です。世界各国で、様々なイベントが予定されていますが、中国は習近平国家主席を中心として、さらなる反日キャンペーンを広げようとしています。
その大きな柱が、ユネスコの世界記憶遺産への、いわゆる「南京大虐殺」「従軍慰安婦」問題の登録です。現時点の情報によると、ユネスコ内部での議論を通じて、今年の7月までに最終的な登録の判断がなされます。
私たち幸福実現党は、元々「南京大虐殺」「従軍慰安婦」なる存在はなかった事を訴えつつ、ユネスコ世界記憶遺産登録についても断固阻止するための署名活動も行っています。
◆「南京大虐殺」で松井石根大将が問われた罪とは。
「南京大虐殺」は、戦後の東京裁判において、日本軍の司令官であった松井石根大将を被告として裁かれましたが、その罪はA級戦犯「平和に対する罪」ではなく、B級「人道に対する罪」として有罪とされたものです。
これは「罪のない一般市民や捕虜などに対して、残虐な行為をした」という事で、松井大将は、現場で直接関わったわけではありませんが、部下の残虐な行為を止めなかったという事が罪とされています。
以前もお伝えいたしましたが、当時の日本軍は、元々武士道精神の行き届いた軍律の厳しい軍隊であった事や、国際社会からの孤立を防ぐために、南京占領下での軍政についても、現地の一般市民に対して最大の配慮を行っており、このような歴史のねつ造を受け入れるわけにはいきません。
HRPニュース「南京大虐殺」首謀者として裁かれた松井石根大将
http://hrp-newsfile.jp/2014/1591/
松井大将は、戦後、「裁判」という一見正当性のあるような価値判断の中で、「人道に反する行為」として裁かれましたが、このような形で、米国など連合国側は「日本人性悪説」を徹底的に植えつけ、戦後の日本人に悪い影響を与え続けました。
◆東京大空襲を計画した司令長官ルメイ氏
さて、戦後の東京裁判で「南京大虐殺」が「人道に反する行為」であったとの判断で極刑の判決が下ったのですが、ならば、大東亜戦争の中で明確な統計として、一夜で10万人もの死者を出した「東京大空襲」について「人道に反する行為」に該当するのではないか、という疑問が出てきます。
元は、米空軍のみならず世界的にも「昼間精密爆撃」と言う視野の明瞭な昼間の時間対に特定の軍需工場など「ピンポイント」での爆撃が常識とされていました。人道的な観点からすれば当たり前の考えでありますが、大東亜戦争末期、米軍の方針変更により「地域爆撃」(いわゆる絨毯爆撃)に切り替わりました。
米軍は、日本には木造の家が多いために、火災が起きやすい「焼夷弾」が有効であることを理解しており、昭和18年の米軍内部のリポートでは『住宅密集地域に焼夷弾を投下して火災をおこし、住宅と工場も一緒に焼き尽くすのが最適の爆撃方法』であるとの見解を得ていました。
さらに、空爆目標の日本全国20都市を選定し、東京、川崎、横浜など10都市については焼夷弾爆撃の有効度により地域を区分していたのです。
当初、空軍の司令官は「精密爆撃」のエキスパートとして知られていたハンセル准将でしたが、上記米政府の「無差別爆撃」への方針変更と時期を一にするかのように、昭和20年1月21日、カーチス・ルメイ氏への司令官交代が発令されました。
◆B29での爆撃、統計として10万人が虐殺された
ルメイ氏は、米軍の重要な作戦として東京大空襲を企画、実行しました。明確に「東京を焼野原にする」という目的を持って、昭和20年3月10日、325機のB29を投入し、約2千メートルという極めて低い高度から38万発、1,783トンという大量の焼夷弾を投下しました。この焼夷弾も日本家屋が燃えやすくなるように「改良」されたものでした。
一般市民の被害が出ることを明確に意図したもので、冒頭に掲げた「南京大虐殺」が、「人道的な観点」からの犯罪という事であれば、東京裁判において、「東京大空襲」に関わったルメイ氏がなぜ告発されなかったのか、おかしくはないでしょうか。
東京裁判が「勝者が敗者を裁く」という事を掲げたのであれば理解できますが、「平和を壊した」「人道的に許されない行為を行った」という大義名分を掲げる以上、ルメイ氏は、松井大将の如く告発されるべきであります。
少なくとも、南京大虐殺とは異なり、東京大空襲はその作戦の目的及び経過、さらにその死者についてもはっきりと約10万人という事が記録されているのです。
現代、日本の安全保障は、米国との同盟に大きくゆだねられておりかつ、欧米の自由・繁栄の考えを受け入れたことが結果として、繁栄という形になったのは事実で、今後もその外交政策を変える必要はありません。
しかし、今後の日本が進めるべき国家のビジョン、「世界のリーダー」となるべき将来像を考えると、もうそろそろ東京大空襲についての「総括」も必要ではないか、と感じるものです。
◆日本の誇りを取り戻すための署名活動にご理解を
そうした中、私たち幸福実現党は、一昨年より「日本の誇りを取り戻す」ための活動を展開してまいりました。その影響で、政府は河野談話の見直し、今年は安倍新談話の発表など、大きく前進しています。
そして、昨年より中国によるユネスコ世界記憶遺産登録への反対の署名活動を展開しています。先ほどまでお伝えした通り、事実無根でねつ造された歴史を国際的な常識とされる事には、断固反対の声をあげなければなりません。
これは、国家の長期的な戦略からも大切な事だと考えます。ぜひ、一人でも多くの方の署名活動へのご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し日本政府に万全の措置を求める署名
http://info.hr-party.jp/2014/3159/
「自由の法哲学」を欠いた憲法改正議論には要注意![HRPニュースファイル1305]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2085/
文/HS政経塾3期生 和田みな
◆憲法改正の重要3項目
自民党は11日までに、衆議院の憲法審査会の再開を与野党によびかけ、来週中に幹事懇親会を開き、今国会でどのように憲法改正を進めるかなどを話し合うことを提案しました。(3/12付「日経新聞」4面)
審議会が再開すれば、憲法改正のための議論が本格化していくことになります。
審議会では、自民党がすでに発表していた党の憲法改正案の重要25項目の内、これまで他の多くの党が必要性を認めている「財政規律」、「新しい人権」、「緊急事態条項」の3項目での議論を深め、他党との接点を探り、改憲への道筋としたいと考えています。
憲法改正の発議の高いハードルをクリアするため、安倍政権は他党とも協力することが不可欠な状況で、上記の3項目は公明党の主張とも合致し、維新の党も積極的な姿勢を見せています。
この3つの項目はそれぞれどのような意味を持つのでしょうか。
◆財政規律
財政規律とは、財政赤字の拡大を防ぐために歳入と歳出のバランスが保たれている状態のことで、政府の支出を抑え、国債の発行額などに一定の制限を設けるものです。
しかし、機械的な財政規律条項を導入すれば、行政の柔軟性や自由な活動を阻害する要因となります。
例えば、歳出の強制削減が法律に明記されていることで「財政の崖」を招いた米国よりも厳しい状況が、日本に生じるかもしれないのです。
また、憲法に財政規律条項を入れるということは、そのための規範や数値目標を憲法に明記するということですが、このようなものは法律として整備するかどうかの類のもので、憲法に明記するレベルのものではありません。
この点について、経済学者の高橋洋一氏は次のように述べています。
「政府のムダ撲滅は当然として、経済苦境時の緊縮財政は経済を傷めて元も子もないので、そこまで規定したらまずい。こうした議論は、憲法改正後に制定される実定法での話であるので、憲法改正とは切り離して議論すべきである。」(2/28『「日本」の解き方』より)
このレベルの内容を憲法に明記することは、今後、状況や目標が変わるたびに憲法の改正が必要になるということを意味しています。
それによって憲法の価値を落とし、憲法を一般の法律のレベルへと引き下げてしまうことにもなりかねません。
◆新しい人権
環境権などを憲法に明記することは、これまではっきりとは認められてこなかった「新しい人権」を認めるということです。
このような人権は「幸福追求権」(憲法13条)から導き出されるもので、プライバシーの権利、環境権、日照権、平和的生存権など、多くの権利が主張されてきましたが、これまで最高裁判所が認めたものはプライバシーの権利としての肖像権のみでした。
なぜなら、このような新しい権利の多くは、それを認めることで他人の基本権を害することにもつながるため、個人の人格的生存に不可欠であるのかを、様々な要素を比較考慮して、慎重に決定しなければならないと考えられてきたためです。
したがって、このような新しい権利は、「権利」ではなく、あくまでも「利益」であって、個人の自律的決定に任せるべきレベルのものであると判断されてきました。
これが、一転して憲法に明記されるようになれば、憲法上認められた明確な国民の権利に格上げされることになります。
しかし、最高裁判所が認めていない「利益」を「権利」に格上げする根拠はどこにあるのか、また、これによって何の自由が守られることになるのかが極めて不明瞭で、逆に多くの自由の侵害を招く恐れがあります。
◆緊急事態
緊急事態に即応するための条項を憲法に明記することは必要です。一方で、この緊急事態法制も個人の自由を制限するものであるという点を忘れてはいけないでしょう。
もちろん、有事の際には、「最大多数の最大幸福」のために、自由に一定の制限をかけることも必要です。しかし、法律レベルの利益や目標を憲法に明記しようとする現在の改憲議論者が、真の意味で自由の価値を理解しているとは到底思えません。
この程度の法理念の下で、緊急事態法制を行って国民の自由は本当に守られるのか不安が残ります
◆幸福実現党は憲法の真の価値を守る
自民党が悲願である憲法改正をなす為に、耳障りのよい項目で他党と協調したい気持ちはよく理解できます。しかし、それによって改正内容を間違えれば、逆に国民の自由が奪われてしまう危険性があります。
これでは憲法の持つ「国民の自由を守る」という真なる価値からくるところの崇高さを取り戻すことはできないでしょう。
その意味において、現在の憲法改正議論は、憲法の崇高さを失っていると言わざるを得ません。法律レベルのものか、憲法に明記すべき権利かは、それがいかに「国民の自由」を守るものかのレベルの差です。国民の生命、安全、財産を守り、日本を自由の大国とするための「自由の法哲学」をこそ、政治家は学ぶべきです。
幸福実現党は憲法改正を積極的に押し進めます。それによって国民の自由を守り、憲法の崇高な価値を守るためです。
幸福実現党が正面から訴えている憲法9条の改正は、このような「自由の哲学」を基礎に持ち、さらに、国家の自然権としてどの国にも認められている自衛権をしっかり持とうと主張しているものであり、法哲学的にも、歴史的にみても正当な理由があるものなのです。
幸福実現党は憲法の真の価値を守るという意味における「真の護憲政党」とも言える存在です。
パラオ・ペリリュー島の守備隊長が語る「最高の供養」とは
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9325
第二次世界大戦の激戦地となったパラオ共和国のペリリュー島で旧日本軍の遺骨を収集するために、厚生労働省の職員2人の派遣が決まった。今月25〜28日に、パラオ政府と協力して旧日本軍の陣地となった壕の発掘作業を行う。
島には、戦後アメリカ軍に埋められた壕が200カ所以上残っており、現地で戦死した日本軍人約1万人のうち、2600柱の遺骨が埋もれたままだ。今年4月に天皇、皇后両陛下が慰霊のためにペリリュー島を訪問されるにあたり、ペリリュー州政府は遺骨収集に協力する姿勢を表明。厚生労働省と情報交換を続けていた。
戦後70年を迎える今年、日本軍が太平洋の諸国で戦ったことの意味も改めて注目されるだろう。
このほど、大川隆法・幸福の科学総裁は、戦争当時、ペリリュー島の守備隊長を務めた中川州男大佐の霊を招霊し、霊言を収録した。その内容が、『パラオ諸島ペリリュー島 守備隊長 中川州男大佐の霊言』として、13日に発刊される。
霊言の冒頭で中川大佐の霊は、天皇、皇后両陛下がペリリュー島を訪問されることについて、繰り返し感謝の言葉を述べた。そして、当時の激戦の様子、知られざる自身の最期についても詳しく明かした。
また、ペリリュー島で1万人の日本軍が、3万人のアメリカ軍を相手に死闘を繰り広げたのは、「われわれが一日持ち堪えることが、祖国への攻撃を一日遅らせることになる」という思いに他ならなかったことを吐露。「われわれの戦いが単なる犬死にでなかったと思ってくださることが、『最高の供養』だと思います」と現代の日本人へのメッセージを送っている。
現代の日本では、戦争当時、命をかけて戦った軍人について「無駄死にだった」と捉えられることすらある。しかし、彼らが戦わなければ、日本も欧米の植民地とされ、現在もアジアの植民地支配が続いていたことは想像に難くない。こうした先人の戦いの意味を見直し、正しく評価することが、慰霊のために重要ではないだろうか。(晴)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『パラオ諸島ペリリュー島守備隊長 中川州男大佐の霊言』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1435
幸福の科学出版 『公開霊言 東條英機、「大東亜戦争の真実」を語る』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=955
【関連記事】
2015年2月25日付本欄 ペリリュー島の戦いを率いた中川州男大佐とは? 日米最強軍が激突!
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9269
2014年6月4日付本欄 両陛下パラオご訪問へ 日本人は親日国からの感謝の念いを受け止めよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7949
◆イギリスがG7初、中国主導のアジアインフラ投資銀行に加入
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9324
イギリスがこのほど、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、設立国として参加することを表明したと、欧米各紙が報じている。G7の中では、初めての参加となる。
AIIBの設立は、アジア・太平洋地域の国々への投資を目的として、中国が提案したものだ。これは、欧米主導の国際通貨基金 (IMF) や世界銀行、そして日本主導のアジア開発銀行 (ADB) に対抗するものと見られている。2014年10月には、アジア20カ国とともに北京で創立式が行われた。
イギリスの財務大臣ジョージ・オズボーン氏は、参加にあたり、「AIIBの設立国として参加することは、イギリスとアジアにとって、相互に投資しあって成長する大きな機会となる」と声明を発表した。英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、英政府が中国との経済関係を深めようとしている、と指摘する。
中国が、AIIB内で拒否権を持ち、それを政治的な目的のために利用しようとするのではないかと懸念するアメリカは、同盟国に対して、AIIBに参加しないよう呼びかけていた。今回のイギリスの決断を受けて、アメリカの政府要人は「中国に対して譲歩しすぎる傾向に懸念を抱く」とした(FT)。イギリスほどの主要国が参加したとなると、今後、他の先進国も追随する可能性がある。
もちろん、中国がAIIBを設立したり、イギリスがそれに参加する自由はある。しかし、イギリス側は、経済面だけではなく、もう少し大きな視点で東アジアとAIIBの関係を見るべきではないだろうか。
中国は軍事拡張による覇権拡大を目論んでおり、AIIBも東アジアに影響力を広げる戦略の一環であることは明らかだ。一党独裁による人権侵害を繰り返す中国の覇権が成就すれば、東アジアの国々に多くの不幸をもたらすだろう。
現在、東アジアが頼れるアジアの国は日本しかいない。日本は、さらなる経済発展を遂げ、中国とは違う選択肢を東アジアに提供し、安全保障の面でも周辺国を守ることができる国とならなければならない。
確かに、「国の繁栄」は「経済発展」によって計られることが多いが、この二つは同義語ではない。国の主権や安全保障も国家の繁栄には欠かせないことを、イギリスも、アジアの国々も再認識すべきである。(中)
【関連記事】
2014年11月号記事 中国バブルはなぜ潰れない!? 恐ろしい「習近平の経済学」 - そもそも解説
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8463
2014年10月20日付本欄 中国主導の「アジアインフラ投資銀行」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8585
2014年5月6日付本欄 習近平が「アジアインフラ投資銀行」設立 日本のODAで他国を援助する欺瞞
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7801
◆なお言い逃れる下村博文・文科相 下村氏事務所が全国「博友会」組織の年会費を管理?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9326
衆院予算委員会では13日の最終日まで、下村博文・文科相の政治資金問題に対する追及が続いた。次々と新事実が発覚しているためだ。
12日発売の週刊文春(3月19日号)では、2月に全国博友会幹事会で配布されたという内部資料を取り上げた。この資料の中の「各博友会講演会の位置づけと講演会開催について」と題された書類の「現状」という欄には、「講演料としての報酬を貰う場合はある」と記載されていたという。
同誌は、「これまで、下村氏は講演料を受け取ったことは『一切ない』と完全否定。(中略)だが、その説明が虚偽だったことが改めて証明されたことになるのだ」と糾弾する。
また、資料の中には、全国の博友会の「年会費」の納入状況の一覧表もあった。これまで、下村氏は各博友会の運営について「私の事務所は一切タッチしていない」と説明してきたが、12日の予算委員会では、この資料を自らの秘書官が作成したことを認めた。
さらに同誌は、資料の中の、全国の博友会の年会費収入額と、下村氏の答弁で明かされた博友会関係者からの個人寄付総額が一致している点を指摘。この個人寄付については、下村氏の選挙区支部から「年会費」との但し書きで領収書が発行されていたという。
ただ、下村氏は12日の答弁で、「年会費というのは寄付のこと。今まで任意の『博友会』の方々が、年会費という言い方をしていた」と説明。「博友会の会員である個人から政党支部への寄付を受けていた」という、これまでの説明との矛盾はないとした。全国の「博友会」は、政治団体として届け出る必要のある資金団体ではなく、違法性はないということだ。
追及から逃げ続ける下村氏だが、13日の予算委員会では民主党議員から、答弁の変化について指摘された。
例えば、全国の博友会の運営について、当初は「一切知らない」と言っていたものの、12日の答弁では「全国の代表者に集まってもらい、年間スケジュールを決めている」と認めたこと。あるいは、講演料も当初は「一切頂いておりません」と言っていたが、後に「直接は」と限定をつけて、ホテル代やタクシー代を払わせたと認めたなど、10項目に及んだ。
これらについて、下村氏は「一方的なレッテル貼りだ。全く矛盾はしておらず、ぶれていない」と反論している。安倍晋三首相も、「法的には適切に処理していると考えている」として、下村氏の責任は問わない意向を表明した。
予算案の審議は16日から参院に送られるが、下村氏への追及は引き続き続くことが予想される。下村氏は、昨年12月の衆院選の公開討論会で、政治資金規正法に関し「違法であれば議員辞職する」と明言していた。これ以上、不明瞭な答弁を続けて疑惑を膨らませては、国民の支持を失う一方だ。早急に、自らの進退を明らかにすべきではないか。
【関連書籍】
幸福の科学出版 『永田町・平成ポンポコ合戦 文科大臣に化けた妖怪の研究』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1352
幸福の科学出版 『吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1350
【関連記事】
2015年3月11日付本欄 下村博文・文科相「違法なら議員辞めます」と発言していた
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9319
2015年4月号記事 「幸福の科学大学」不認可問題 文科相の判断は憲法違反である 小浜 逸郎氏インタビュー
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9224
◆自殺者減少もいまだ"戦死者並み" 自殺してはいけない本当の理由
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9321
動画リンク 自殺防止サイト ザ・リアルドラマ 自殺してはいけない本当の理由 - After Suicide -
https://www.youtube.com/watch?v=256qEOfx23U
日本で去年1年間に自殺した人は2万5427人で、3年連続で3万人を下回ったことを、内閣府と警察庁が12日に発表した。生活苦や借金、就職の失敗といった「経済・生活問題」で自殺する人の割合が減ったという。
しかし、毎年大きな戦争や災害が起きているのと変わらないほど、「自殺」で亡くなる方がいるということに変わりはない。自殺防止対策は大きな課題だ。
特に毎年3月は、卒業や入学、就職や人事異動などで生活環境が変わり、ウツや自殺傾向が強くなる時期なので、「自殺対策強化月間」と定められている。
身近な人の自殺を踏みとどまらせるためには、どのような考え方が必要なのだろうか。
幸福の科学グループの「自殺防止サイト あなたに贈る真理の言葉」( http://withyou-hs.net/ )では、自殺の原因となる「職場の人間関係」「過労」「お金・貧困」「病気」「失恋」「いじめ」など20の悩みの処方箋となる「生きるヒント」を紹介している。
その中から、自殺をしてはいけない宗教的な理由を一部紹介したい。
◎自殺の宗教的真実とは
1.「死ねば何もなくなる」という唯物論は誤り
日本では「死んだら終わり」という唯物論思想が浸透している。生きる苦しみからの肉体に宿っている魂こそ、人間の本質。自分の存在を消したくて自殺しても、魂は消えることはない。
2.「死ねば皆、天国」は誤り
自殺者の魂はストレートに天国に還ることはできない。釈尊の説いた「まいた種に応じた結果が現れてくる」という、原因・結果の法則により、自己憐憫や恨みの心で亡くなった人は同じ思いが渦巻いている世界(地獄)に行く。心を浄化して天国に上がるまでには、長い時間が必要だ。
3.自殺者の多くは「地縛霊」となり生前の10倍の苦しみや後悔を味わう
ほとんどの自殺者は、すぐにはあの世に旅立てない。本来の寿命がくるまで、死んだ事実に気付かず、亡くなった場所や家で地縛霊となり、後悔して苦しむことになる。苦しさのあまり、生きている人にとり憑いて「障り」を起こし、罪を重ねる霊もいる。
4.人生は一冊の問題集。自殺は尊い人生修行の放棄になる
人は偶然に生まれるのではない。時代や環境を選び、魂を磨くために苦難・困難を「問題集」として自ら設定して生まれてくる。自殺はこの問題集から逃げることであり、来世以降に同じ悩みや苦しみを味わうことになる。
◎自殺を考えている人に、「真実」を教えてあげて下さい
幸福の科学グループは、こうした事実を知ってもらうために、2003年から「自殺を減らそうキャンペーン」を全国で展開。自殺をなくすため、テレビ・ラジオCM、ポスターなどの広告や、街頭でのチラシ配布などの取り組みを行っている。
あなたのそばにも、いるかもしれない。誰にも言えないまま、人生の歩みを止めてしまう人が。だから、周りの家族や友だちに関心を持ち、大切な人の悩みに気づいてあげること、聴いてあげることが必要だ。そして、自殺した後に苦しみが待っているという厳然たる事実を教えてあげてほしい。
「知らない」ということは怖いことだ。間違った常識を捨てて真実を「知る」ことこそ、自殺を防ぐための「力」になる。本誌も正しい常識を多くの人々に伝え続けることで、日本から自殺をなくしていくために貢献していきたい。(真)
【関連サイト】
幸福の科学グループ 自殺防止サイト「あなたに贈る真理の言葉」
http://withyou-hs.net/
幸福の科学グループ 自殺防止サイト ドラマ「自殺をしてはいけない本当の理由」
http://no-jisatsu.jp/
【関連記事】
2014年9月9日付本欄 9月10日は世界自殺予防デー 自殺の連鎖を止める霊的真実を教えよう
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8399
2013年9月10日付本欄 世界自殺防止デー 霊的真実の周知徹底が真の予防になる
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6619
2013年1月17日付本欄 自殺者3万人下回る 霊的真実か
◆トヨタのベア、過去最高水準に 官製・賃上げには「しわ寄せ」がある
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9322
トヨタ自動車は2015年の春闘で、過去最高水準の賃金の底上げ(ベア)を容認する見通しだという。12日付各紙が報じた。日本最大企業の動きは、他企業の労使交渉にも影響を与える。「賃上げ」への気運が高まりそうだ。
これは日本経済にとって朗報なのだろうか。
◎無理やりな「賃上げ」のしわ寄せ
一般的に、企業の自主性に反する形での「賃上げ」には反作用が伴う。
●雇用が減る——一人当たりの人件費が増えれば、新たな雇用を生むことは難しくなる。企業によっては、「非正規雇用」の増加や、「下請けの切捨て」という形で対応することもあるだろう。
●福利厚生費が減る——形の上で賃金を上げても、社宅の建設を取りやめるなど、福利厚生にしわ寄せが行く可能性がある。
●設備投資が減る——コストが増えて利益が減れば、それだけ設備投資が難しくなる。新たなプロジェクトを立ち上げたり、研究開発をしたりする費用を削れば、将来の利益に響く。
「富」が増えた結果ではない「賃上げ」のしわ寄せは、結局労働者に行く。
◎安倍政権の強烈な「賃上げ」圧力
もちろん、企業が充分な利益を上げた結果として、あるいは労働力を確保するために、自主的に「賃上げ」を行うことに問題はない。
しかし、今回の「賃上げ」の背景には、政府の強い要請がある。安倍政権は、「国民の賃金を上げれば、消費が増え、景気が回復する」と考えている。特に、昨年の消費税増税による景気減速を打ち消すためにも、「賃上げ」への期待は大きい。
政府の「賃上げ」圧力は相当に強かった。2013年には甘利明経済再生担当相が、「賃金を上げないと恥ずかしい企業だという環境をつくりたい」と述べたことは波紋を呼んだ。昨年12月には、政府は経済界、労働団体の代表らと「政労使会議」を開催し、経済界に「賃金引き上げに向けた最大限の努力」を促す合意文書まで作成した。
トヨタ自動車のベアも、苦渋の決断だったことが伺われる。トヨタ自動車は、円安の影響で3月期の営業利益が過去最高を更新する見込みで、それが「賃上げ」圧力にもつながっていた。しかし、2012年3月期まで4期連続で営業赤字が続いていた。賃上げによる数十億円規模のコスト増は、企業の先行きに大きく影響する。経営側が、「賃上げ」にかなり慎重な姿勢を示していたことは報道されていた(11日付産経新聞電子版)。
こうした形での「賃上げ」が増えても、「景気の好循環」は実現できず、経済に思わぬダメージが及ぶ可能性が高い。
◎景気の課題は「賃金」ではなく「消費税」
安倍政権の間違いはどこにあるのか。それは、「景気の好循環」のボトルネックは、企業が賃金を上げず、内部留保を溜め込んでいることだと思っていることだ。円安や金融緩和の恩恵を、国民に行き渡らせる"手術"が必要だという発想だろう。
しかし本当の問題は、国民の消費マインドが冷え込んでいるところに、消費増税が追い討ちをかけたことだ。
政府がしなければいけないことは、企業の利益を無理やり労働者に流ししたり(賃上げ)、国民のお金を無理やり国庫に流したりする(増税)ことではない。商品やサービスが生まれ、取引されることで「富」が生まれる、市場に介入しないことだ。
安倍政権は、10%への消費税引き上げを中止し、税率を5%に戻すべきだ。そうすれば、消費マインドが回復し、企業利益も増え、賃金も上がる。個人の給与や、公人税が自然に増えて、税収も上がる。本当のボトルネックを解決しなければ、「好循環」はやってこない。(光)
【関連書籍】
ザ・リバティ 2015年4月号 【特集】ピケティブームがあなたの給料を減らす
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1422
幸福の科学出版 『資本主義の未来』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1353
【関連記事】
Web限定記事 アベノミクスをつまずかせた「規制」と「増税」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8851
Web限定記事 アベノミクスはなぜ失敗した? 資本主義はもはや限界なのか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8838
2014年3月号記事 アベノミクスは共産主義化した? (Webバージョン) - 編集長コラム
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7258
◆下村博文・文科相 政治献金問題についての嘘が次々と明らかに
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9292
下村博文・文科相の政治資金問題で、本人の証言が2転3転している。
下村文科相は、自身が代表を務める自民党支部が、大手進学塾の元代表であり、反社会勢力とのつながりが判明している男性から、2009年8月に10万円の寄付を受けていたことについて、2月の国会審議において「一切ない」として否定していた。
しかし、下村文科相の事務所は2日、「突然の質問でしたので、入ってきたメモに沿って答弁をしましたが、メモが間違っておりました。返金の手続きをいたします」と取材に対し回答。10万円の寄付を受けていたことを認めている(3日付朝日新聞)。
さらに、3日の国会審議で質問に立った民主党の柚木道義議員は、先週末に、ある「博友会」の会員に取材したところ、下村文科相の秘書が全国の「博友会」関係者に対し、口封じのメールを送っていたと指摘。
そのメールには、「大臣より取材の要請が来ても応じることなく、無視でお願いと申しております」「大臣になりますと、あらゆる疑いをかけられ、ないことを書かれますので、取り合わないようお願いいたします」などと書いてあったという。
柚木議員はまた、その「博友会」関係者は「(下村大臣が国会で)嘘の答弁をくりかえされるので、真実を語ってほしい」との思いでメールを公開することを決断したと紹介した。
下村文科相はこれまで、全国の「博友会」は任意団体であり、直接の関係はないとしてきた。しかし、その説明も覆されたことになる。本当に関係がないならば、口封じの必要などない。秘書から直接メールを送ること自体、深い関係があることを示している。
メールを公開した人物は、下村文科相を長らく支援してきた人物でもある。下村文科相の証言はそうした支持者に「裏切られた」と感じさせ、信頼を損なったようだ。
孔子の『論語』には、有名な「信なくば立たず」という言葉がある。政治の要諦として「兵と食と信」の3つを挙げた孔子は、この中でも最も重要なものとして「信」を選んだ。人々の信頼を失っては、政治は成り立たない。
下村文科相は、「信」を失ったものが長く政治を行うことができないことを知るべきだ。(居)
【関連記事】
2015年2月28日付本欄 下村博文・文科相の"錬金術"は教育行政の長にふさわしい?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9282
2015年2月26日付本欄 【速報】下村博文文科相が「違法献金」 週刊文春報じる
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9272
2014年12月11日付本欄 下村博文文科相の金銭問題について地元市民グループが告発
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8886
中国のGDPは日本の2倍以上? 数字を水増しする地方役人
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9206
2015年、中国経済は窮地を迎えるかもしれない。
中国国家統計局が昨月発表した2014年の経済データによると、中国の国内総生産(GDP)は10兆ドルの大台を突破した。10兆ドルを超えるのはアメリカに続いて2カ国目で、日本のGDPの2倍以上だ。
一方でGDPは前年比7.4%増にとどまり、7.5%という政府目標には達しなかった。7.5%を切ったのは実に24年ぶりのことで、政府と企業の債務拡大や不動産市況の悪化などが原因とされる。中国の景気の減速が鮮明になってきている。
ただ、この数字は水増しされていると言われており、中国経済の実態は深刻かもしれない。
地方政府と中国政府とでGDPに差がある
中国の各省、直轄市など地方政府が発表した2012年のGDPの合計は、中国政府が発表したGDPを約5兆8千億元(約100兆円)上回った。その差は中国の地方政府の中で最大のGDPを誇る、広東省の経済規模に匹敵する。
また学者筋からも中国のGDPについて疑問の声が上がっている。一橋大学の伍曉鷹(ウー・ハリー・シァオイン)教授は、中国当局がインフレのデータを過小報告し、工業生産高を過大評価し、経済の低迷を粉飾したなどの理由から、中国のGDPは当局のデータより36%も小さいと指摘。米サウスカロライナ大学の謝田教授は、「共産党は嘘と暴力で身を起こした。経済データに虚偽があるのは当然のこと」と語っており、2人の発言はニューヨークに本部を置く、中国人向けのテレビ番組内で紹介された(2014年7月30日付新唐人)。
李克強首相は中国当局の統計を信じていない
また、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電によると、現首相の李克強氏が2007年に遼寧省党委書記を務めていた時、駐中米大使に「中国のGDP統計は人為的なもので、信用していない」と語ったという。
李克強氏はGDPの指標として、経済統計の貨物輸送量や電力消費量、コンテナ取扱量の3つの数字に注目するという。これらはごまかしが効かず、信頼できる数少ない指標とされているが、中国の経済成長率に比例していない。例えば、中国国家統計局によると、2014年1月から11月までの中国の鉄道貨物輸送量は、前年同期と比べて3.2%減少。同年のGDPの減少幅0.3%と比べると違和感があり、GDPの水増しを行ったことは否定できない。
出世のためにGDP水増しする地方役人
ではなぜ中国はGDPの水増しを行うのか。GDPを大きく見せることで、国民に中国共産党の正当性を示し、国際社会で大きな発言力を持つなどの政治的な狙いは、もちろんあるだろう。それに加えて、水増しを行う大きな理由は、地方の役人たちの" 立身出世主義"だ。
中国の地方政府の役人の出世の条件は、中央政府が掲げるGDP成長率に沿った数字をいかに達成するかだ。中国では個人から企業まで、嘘の報告や賄賂が横行。それらを国家レベルで行っているのが、GDP水増しのからくりだ。出世のためにGDP統計の数字を水増しするのは役人にとって簡単なことだ。
ただ、地方政府の債務問題は限界に来ている。今まで地方政府は債務を返還するのに、シャドーバンキングなどを通じて、国民から300兆円以上のお金を借りてきたが、今年の年末、その40%が償還期限を迎える。これ以上GDPの水増しを行えば、不動産バブルが弾けてしまう。
こうした状況を加味すると、中国経済は減速どころかゼロ成長かもしれない。統計を操作して実態をごまかしても、「張子の虎」にすぎず、中国経済は決して発展するわけではない。今中国に求められるのは、国民を豊かにするような実態を伴った経済政策だ。(冨)
【関連記事】
2015年1月号記事 2015年 世界はこう動く 第2部 - 私はこう予測する! - アメリカ、中国、韓国、北朝鮮の行方
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8762
2014年10月23日付本欄 中国の経済成長は3~4%? もう一つの中国バブルが日本を脅かす
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8637
2014年10月3日付本欄 中国が新たな「シャドーバンキング」対策を開始 それも問題の先送りに過ぎない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8520
2014年11月号記事 中国バブルはなぜ潰れない!? 恐ろしい「習近平の経済学」 - そもそも解説
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8463
2013年6月27日付本欄 中国で株価が大幅下落 バブル崩壊が近い?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6249
中国の人民解放軍がこのほど、DF-41多弾頭式・大陸間弾道弾のテストを行ったことを、米紙ザ・ワシントン・フリー・ビーコンが報じた1万2千キロ以上の射程を持つDF-41は、中国が持つ最長距離ミサイルであり、アメリカ全土を射程距離に入れられる。
多弾頭ミサイル(Multiple Independently Targetable Re-entry Vehicle - MIRV)は、1つの大きなミサイルの中に、複数の小さな弾道弾が納められている。
発射後に、大気圏外で分裂し、それぞれの弾道が大気圏に再突入し、標的に向っていく。さらに、それぞれの弾道弾はマッハ20以上のスピードで飛びながら、軌道変更が可能であるため、既存のミサイル防衛システムでの迎撃は難しいとされている。
11月下旬に米議会に提出された「米中経済・安全保障調査委員会」(USCC)の2014年度報告書によると、DF-41は10発の弾道弾が搭載可能で、アメリカ本土のミサイル防衛システムを圧倒できるという。
また、弾道弾1つが、2万トンから25万トンの爆薬に相当する威力を持つ。ちなみに、広島に落とされた原爆は2万トンだが、1発でも大きな都市を破壊するものが、10発同時に飛んでくるということだ。
米シンクタンク「International Assessment and Strategy Center」の研究員リック・フィッシャー氏は、中国のDF-41テストを見たアメリカは、自国の核兵器数の減少に歯止めをかけるべきだと指摘。
今回の中国のテストは、アメリカの軍縮政策が失敗している証拠として、アメリカも核戦力の増強を進めるべきだとした。
米空母を東アジアに近づけないための対艦ミサイルの配備、米軍の「目」を潰すための衛星破壊ミサイル、そして米本土を狙い撃ちできる今回の多弾頭ミサイルの開発など、中国の軍拡は着実に進んでいる。
このままでは、東アジア有事の際、米軍は介入したくてもできなくなる。
そしてもし、尖閣諸島や日本本土が侵略され、多弾頭を持った中国が「アメリカの都市に打ち込む」と言ったら、アメリカは日本支援のために動くだろうか。
中国に領土を狙われている日本はどうすべきか。考えてみれば、MIRVは70年代に初めて開発されて以来、いまだに対抗手段がない状況だ。
日本は、技術と知恵を尽くして、弾道ミサイルや核兵器を無力化するための手段を探すべきだろう。同時に、日本独自の抑止力を持つべき日も近づいていると言える。
中国や、同じく核開発を続けている北朝鮮などの軍事独裁国に傾きつつあるパワーバランスを、日米をはじめとする民主主義国側に引き戻し、地域の安全と発展を推し進める努力が、今の日本に求められている。(中)http://the-liberty.com/article.php?item_id=8979
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