糸井ひろしの気まぐれ日記

日本共産党群馬県西毛地区委員会役員の日々のあれこれ

生活保護を守ること

2012-07-21 | 日記

 「しんぶん赤旗」日曜版の読者のお宅にあいさつにうかがいました。
 高規格道路の工事が始まっている地域で、山の斜面が削り取られて茶色の山肌があらわになっている所や、もうすでに形が変わっているところもありました。

 「こういう工事にかけるお金はあるのかね」と皮肉めいた言葉を、ある読者が吐き出しました。
 「こういうところには先にお金がまわるようにできているんです」と私。「もっと先にまわすところがあるはずなんですが」と言うと、堰を切ったようにその読者が語り始めました。

 87歳のいとこが一人暮らしをしているが、もう体の自由もきかないで、預貯金を切り崩しながら生活している。私がときどき様子を見に行くのだが、とにかくお金をかけないように、安い食材を選んだり、地味な生活をしている。大変な暮らしぶりだから生活保護の受給をすすめたが、本人が「生活保護を受けるのは恥」「後ろ指をさされるのはいや」だと言って、申請しようとしない。なんとかしてあげたいのだが、自分の生活だってゆとりがない。

 そういうお話でした。

 いま、生活保護について、ごく一部の不正受給を取り上げてバッシングするような動きや報道があります。
 一方で食うや食わずの人が、生活保護の申請をためらうような風潮も根強く残っています。

 生活保護の仕組みは、憲法第25条を根拠にしています。「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」というのがこれです。
 国の社会福祉、社会保障への責任を投げ捨てる政治が横行する今、生活保護も標的にされているのです。
 生活保護は、人間が人間らしく生活するための最後の生活の防衛ライン=セーフティネットです。「生活保護よりも低い賃金」を理由に、生活保護を削るのは、人間らしい生活を放棄するのと同義です。働いている人の賃金は、生活保護よりも高くて当然なのであって、そうしない使用者に問題があるのです。これは労働者がその権利を利用して、使用者との力関係で前進させなければなりません。

 就職口は少なく、安定した働き口がない、あっても派遣やパートの不安定雇用。その一方で、大企業や富裕層へは相次ぐ減税、雇用のルールが事実上無法状態で、たまった内部留保は266兆円。
 やっぱりこの格差社会、大企業・富裕層に応分の負担と社会的責任を負ってもらうしかないでしょう。

 

 他のご家庭でも、政治への不満が何かしらあって、その不満を表明したくてたまらないという感じで、水を向けると、本当にみなさん、よく話してくださいます。そして、そういう話をできる機会を、わたしたちがもっと用意したいなあと思いました。

 くらしに困った時、政府にもの申したい時には、いつでも日本共産党にご相談を。