安中の会
今日は午後から「放射能から子どもを守ろう安中の会」主催の学習会に参加しました。16日の「10万人集会」の際、ご一緒した方とのお約束でした。
講演を行ったのは群馬県立県民健康科学大学大学院診療放射線学研究科の倉石政彦氏。原子爆弾と原子力発電の違いなどから始まり、安中市の現状も織りまぜながら、放射能、放射線とのつき合い方や個人でできること、行政でやってもらうべきことが何かを問題提起するようなお話でした。
とても分かりやすく、私自身も政治が関わることがどういうことかを考える視点で、いろいろと刺激になりました。
倉石氏が安中市内の小中学校、高校の放射線量を計測したところ、除染対象となる0.23μSv/hをこえる場所が複数出てきました。一方、安中市は、「市での調査で国の除染基準をこえた場所はなく、したがって市としては除染はおこなわない」と発表したとのこと。
「地域内で面的に0.23μSv/hを超える地域」は、調査と計画が認められた上で除染してもらうことができるのですが、地域の広さに定義がありません。町全体でも、町内字の範囲でも、一学校周辺でも、計画が妥当なら認められるらしいのです。これでは、放射線量の濃さを「操作」できることになるとの話でした。
原発事故によってふりまかれた大量の放射能ですが、これによって、たとえば群馬県民のがん患者がどれくらい増え、それが原発事故の放射能によるものと特定できるかどうかは、数字的には難しいと思います。それだけにたちが悪いとも思えます。
自然界に存在する放射線とごちゃまぜにして、「自然界にもあるのだからいいじゃないか」的な議論を目にする事もありますが、原発事故による放射能は人為的に発生したものであり、これをごちゃまぜにして論じるのは乱暴ではないでしょうか。
原発によって出た放射性廃棄物を最終的に処分する、クリーンにする技術もない。ひとたび事故が起こって放射能が漏れ出せばどうしようもないのです。
昨日、訪問したお宅で聞いた話。「除染、除染というが、放射性物質を移動させただけ」。そうなんですよね。結局、その放射性物質が放射線を出さなくなる数十年後まで、どうすることもできない現状。
原発再稼働、原発依存のエネルギー政策継続はどうしても認められません。