TPP参加の是非について、お医者さんと意見を交換しました。
その方は、「TPPには参加すべきだと思う」というご意見。私は当然参加反対の立場です。これまでJAの組合長さんとの懇談や農家の方と対話をしてきましたが、だれからも参加肯定のご意見は出た事がありませんでした。
どんな風に考えていらっしゃるのか、その思いを訊いてみると、「農業がもっとも影響を受けると思うが、農業ばかりが保護されているいま、国際競争くらいさせないと」というのです。一方医療については、公的保険がなしくずしにされることに懸念があるとの話。「条件などは日本がもっとアメリカに対しても堂々ともの言えば良いこと」とも。
「医療分野では不利を被るのでいやだが、農業ではTPP参加を肯定」というふうに聞こえました。
食料自給率の問題や、農地の差などから最初からレースにならないこと、事実上アメリカのルールでコトがすすめられることなどを話したのですが、納得していただけません。
話をしているうちに、どうも農業政策の現状に対する誤解もあるようでした。あまりこのことばかりで意見交換をする場ではありませんでしたので、そのうち話題を移しましたが、私の方は、やはり気になりました。
TPP参加の是非以前に、農業の資本の論理の導入によって、農業は大変な状況におかれています。「ずっとこれまでどおりの農業で良いわけがない」と言われましたが、その根拠はわかりません。私自身は、農業が利潤追求と自由競争にさらされれば、「商売的に」淘汰されることが考えられますよね?それでいいのでしょうか?どうしてもそれで良いは私には思えません。この上TPP参加なんてことになれば、農業が壊滅するのは目に見えています。
「ブランド力」を口実にして、「日本の農業も競争できる」と言いますが、日本の農作物を、日本の住民が買えなくなるようではそれこそお話になりません。それでなくても、苦しい生活のなか、安い品物を買わざるを得ない人々にとっては、TPP参加によって、安全性が疑わしい海外からの輸入農作物を買わざるを得なくなります。
いま必要なのは、こういう農業にムチを打つことではなく、農業が続けられるようにすること、担い手を増やして、食料自給率を伸ばすことではないでしょうか。現状で食料自給率39%なんて、どう考えてもまともではありません。
国民のふところをあたためて、消費活動を活発にすることも必要です。くらしの基盤が安定することがそのための前提条件となりますが、そうなることで、日常的に国産の農産物を買うという選択も可能になります。TPP、やっぱり邪魔です。
医療や労働なども大きな問題があるTPP。これらについては、また折に触れて。