「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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ジョーカーウーマンの「明日もボブで狂うわよ!」(第8回) ボブ書籍をご紹介よ!

2019-10-11 09:15:33 | BOB DYLAN
良かった~~~
心の底からほっとした。

2018年秋ツアーは8月初旬に発表だったため、
今年も遠からずの発表があるだろうと待ちに待った8月。
ファン内では、既に「秋ツアーは西海岸からスタート 
今年は北回り(西から東の北回り、南回りを隔年で繰り返す傾向にある)」
との「そこはかとない噂&推測」が優勢だったが、8月中は1件のリークもなし。

北米ツアーを狙ってるファンでナーバスなタイプ(私とか)が真っ先に不安サイクルに突き落とされ、
「今年の秋は無いのか?」
「過去年間100回位が近年年間80回位になっている、、、」
「ボブは他の同年代アーティストのように『ラストツアー宣言』してからツアー生活を終えるだろうか?。。。否。絶対知らん顔してぷつりと止める」
等々、考えても仕方ないネガティブ思考の渦に巻き込まれる。

タイミング悪く「ボブ・ディランがオリジナル曲のニューアルバムを製作中。2020年末から世界ツアー」とのフェイクニュースがネットで拡散され(※パロディサイトの記事で事実無根)、「もしかして1年以上ボブ観れないのでは?」と想像しただけで、ボブ・ディラン依存症の私は手が震えてくる毎日。

その後、イタリア某市の市長が「来年の7月のわが町のフェスにはBob Dylan呼ぶからね~」と無邪気にリークしたことで、ツアー引退はないと推測され、一安心。

更に、昨年、一昨年と11月下旬連続ショーが開催されたマンハッタンのBeacon Theatre の予定が不自然に11/23から12/11まで空いていることから、「おそらくBeaconはある」との推測が濃厚となる。

「レイバーディ(今年は9/2)明けには発表される」
との噂があるも、発表されず、おそらく今年は通常ツアーはなくBeacon連続ショーと東海岸の数か所になるだろうと予測していた。

が、9/9 9時(東海岸時間)、突如オフィシャルページに、10/11 カリフォルニアからスタートする、ほぼ週5態勢でのツアー予定が堂々掲載。。。

どうなってるの?

999という数字もちょっと気になる。

ともかく、一安心。

その後、大方の読み通り、Beacon連続公演、2017の5回、2018の7回に続いて、2019年堂々10公演が発表された。やはりNY公演は売れてるんでしょうか?
 

さて、ツアーとツアーの合間、何を語らせて頂きましょうか?

本日はボブの幼なじみ Louis Kemp氏の「Dylan & Me: 50 Years Of Adventures」(以下ケンプ本)という本を熱く語らせて頂きます。

とは言ってもネタばれになるので、直接的な内容には触れません。
英文ですが、ケンプさんはプロの作家ではないからか平易な英語で面白いのであっという間に読めます。
また、AmazonのKindle Unlimited対象となってますので、Unlimitedのお試し期間や99円期間を利用すれば、無料~格安で読めます。

Louis Kemp氏(以下ケンプさん)はボブとユダヤ教の夏休みこどもキャンプで友達になります。

本物の友達です。

海鮮関係の仕事で大成功され、経済的に裕福なので、同じく経済的に豊かなボブと付き合い続けるのが簡単だったのかもしれません。

ケンプさんは成功したビジネスマンらしく、
「誰が自分の本を買って読むのか」正確に解っていて(もしくは優秀な編集者か)、小ネタであってもファンが食らいつくようなボブの言動は外しません。

その分、本としては、ボブに絡む年代順小ネタ集的な感も否めませんが、今までの伝記本とは一線を画す、対等の友達のみ語れる非常に興味深い内容となっています。

ハイライト(の内の幾つか)

・理解されずとも堂々の子供時代ボブ・ディランのパフォーマンスの思い出
・思春期ボブはやんちゃもした
・バディh・ホリーのラストコンサート(ボブが既に語ってることを疑ってたけど本当かも)
・ビリー・ザ・キッド撮影現場に同行とその後のメキシコ旅行
・プラネット・ウェイブス製作時期に、ジョニ・ミッチェルと会い、新作から数曲歌ってくれるチャンスを得るが、その時ボブは。。。
・74年ツアー同行記(こぼれ話多数)
・ローリング・サンダー・レヴューの重責を担い、無事やり遂げる
・ローリング・サンダー・レヴューに参加のアーティスト達について
・ラスト・ワルツの時、アラスカキングサーモンを提供した
・ラスト・ワルツ映画製作サイドの思惑とボブの意向の相違が生んだすったもんだ
・グロスマン対ボブのすったもんだ(ケンプさん紹介弁護士活躍する)
・78年日本公演に同行する
・78年日本で地震に遭遇、その時ボブは。。。
・80年代初頭にボブと同居する
・同居時代の熱心な宗教討論(キリスト教V.S.ユダヤ教)
・ケンプさんが強力ラビ紹介、そしてボブは。。。
・伝説のチャバット派テレソン出演はこうして実現した
・ユダヤ教の儀式参加時のボブ
等々

ネガティブ要素が少ないので楽しく読めます。

最も興味深いのは、ボーンアゲインクリスチャン時代からインフィデルズの間、
何が起こっていたかの断片を垣間見れたことでしょうか。

思い出しただけでも心が震える”What Can I  Do For You”の超絶パフォーマンス(ハーモニカがすごい)、裏返り声炸裂の”When He Returns”等々、ゴスペル期の名演の数々(2年前には『トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-1981』もオフィシャル発表され、また出回ってる有名ブート80年のトロン公演も絶対見逃せない、聞き逃せない内容です)だったのに、いや?あんなにラブだったジーザスはどないなったん?との長年の疑問が少し解明されました。

面白かった。

ケンプさんは海鮮物取り扱い業なので、日本の企業とも取引があったらしく、
スーパーで”ほぼカニ”を見ると条件反射的に「ケンプさん・・・」と思う毎日です。

また、Louis Kempの名前はNetflixで公開された「Rolling Thunder Revue: A Bob Dylan Story by Martin Scorsese」でも「嫌われ者」として語られてましたね。

興味深いです。近日またNetflixに加入予定ですので、次回はケンプさんに注目しつつ見直したいと思います。


※先月掲載分で、最初違う写真を掲載するつもりで文中に書いてましたが、Windows10にアップデートしたら写真の所在がわからず、ピアノの蓋を開けた写真に変更しました。その後文章訂正するのを忘れてました。
訂正してお詫び申し上げます。
 
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ゲスト・ライター陣紹介
〈ジョーカーウーマン〉
日本を代表する
「ボブ好き5人衆」
の一人。
 
お金が有ればもちろん、
無ければローンを組んででも
海外まで出掛け
「ボブ・ディランLive」
をGetsし続ける「重鎮」
 
俺「Mash」とは
「ボブの音楽的部分」
そして
「ユーモラスに笑える部分」
にて合致!
 
今回の新連載で
より深く「ボブ」を掘り下げる!
 
ジェリーズ軍団では
「Starman☆アルチ」
「ハウリンメガネ」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。