建物に使う商品は、規格化され造作材と言われる仕上げ材、例えば窓枠、額縁、廻り縁・・・・。
その殆どが既製品となっており、MDFに木彫を印刷したシ-トを貼った商品や、寄せ木にした商品が殆どで、昔は無垢の材料から、殆ど加工された。
現場にプレ-ナ-を持ち込み、使える形に加工し、造り上げていった。
今、現場に加工用の大型機械を持ち込む事はなく、せいぜいハンドプレ-ナ-程度で、殆ど使われることは無い。
建物から木の臭いがしなくなり、色にも深みが無くなり、見た目の綺麗さだけが残る建物が多くなった。プリント技術は進歩し、私達が観ても無垢材と間違うほど良く似せて作っている商品さえある。
このように、建材でさえ無垢物を殆ど使わなくなった今、大工さんの中には、使う機会が少ないため木の種類さえ分からない職人が増えてきた。
木を知らないと言うことは、それぞれが持っている木の癖も分からず、削ってひっつけるだけしか知らないため、せっかくの無垢材が台無しになってしまう。
無垢と無垢の偽物との大きな違いは、無垢は経年変化により色に深みが出て、年を重ねる毎に綺麗さを増し、一方は、出来たときは綺麗だが、時間が経つに従い、色は光沢を無くし、深みも薄れ、傷が付けば削る事さえ出来ない。