子供をつくる、人をつくる、ものをつくる、それぞれに”つくる”か付き、やがてその”つくる”は育てるに変わり、物は愛着へと言葉は変わっていく、愛がつく言葉にかわり、それと関わりながら、作ったときの苦労や、我慢したときの悔しさを思い起こしながら、その人の生活の中に必要とされたものが残っていく。
愛と言う言葉をつけられ、大切に使われ、維持されていく物の中に、物づくりの意味があり、深みがある。
個人が作る中で最大の物づくりが、自分の住まいを作る事であり、日曜大工で作る、棚や箱とは大きさが違い、規模が違う。
買う値段の桁が違い、数が違い、品質も様々で多くの知識が必要となり、手に負えなくなってしまう。
そんな中、人は”素人だから分からない”と言って誰かに任せる事を考え、最も大切な物づくりの殆どを人任せにし、お金の使い道さえも、分からないまま、住まいを完成させようと考える。
長い年月を包み込まなければならない器。
子供を育て、疲れを癒す大切な人を守らなければならない場所、分からないまま造り上げられた物には、愛がつかない、単なる器になってしまう。