花を咲かせよう

鼻先ばあさん、3度目の引っ越しです。
日々の一言絵日記

「老王の家」アルノ・ガイガー

2013-08-25 18:55:42 | 

             

渡辺一男さん訳の「老王の家」を読む。

ウイーン在住のアルノ・ガイガーさんの実体験から生まれた本。

息子による、アルツハイマーの父の人生への敬意と再発見を描いている。

「父が私の世界にやってくることは出来ないから、私の方が父の所へ出向く」

という筆者と父親の会話のすばらしさ。

認知症で失われるものはあっても、基本的な人間性はかわらない。

介護の苦労だけの話ではないので現在同じような状況の人にも

希望を与える本だと思った。

 

今、「はだしのゲン」が子どもにとってショッキングな表現なので

子どもの目に触れないようにすると言うようなことが言われ始め、

なんだそれは!と思う。

子どもの頃読んで、原子爆弾の恐ろしさ、戦争のおろかしさを感じた本なので、

作者が亡くなり、遺言のような本をどうして今更と不信感をもった。

中沢啓二さんはご自分の体験を抑えて表現しているのに・・と。