津田塾大で行われた「源氏物語」の講義(木村朗子先生)を
学生にコメントシートを毎回配り、感想を書いてもらうと言う手法で書かれた本。
千年も前の古典を現代の女学生はどうとらえるのか?
『源氏物語」は、摂関政治の後宮で生まれ、そこに集う女性たちが最初の読者だったので、
女子学生の感想は、時代背景は違っても共通するものがあったのではないでしょうか。
原文の一部が紹介されているのだが、とにかく、現代の学生のコメントが面白い。
私も高校時代、図書館にこもって読破したが、それ以来の「古典を自由に読む方法」に触れたので、
18歳のとき「光源氏」に感じた感想は、今の若い学生に通じるものがあった。
潔癖な気持ちから、なんだこの男(光源氏)は・・という気持ちは強かったと思う。
今では、時代背景などもっと幅広く捉えることが出来るようになったし、
歳もとったから、もう少し深く理解できるようになったが・・。
戦時中「源氏物語」は、天皇家の内幕を赤裸々に書いていると言う観点で、禁書になったこともあったという。
木村朗子先生の本は、久しぶりに楽しく読むことが出来た。