田舎へ行ってご/見てご!

二地域居住(田舎暮らし)、花・写真、古民家めぐり、旅、日々のあれこれなど。

旧齋藤家住宅:松戸市

2019年02月22日 | 古民家っていいなぁ。(千葉県内)

昨日、松戸市紙敷にある「旧齋藤家住宅」を見学してきました。

見学するためには事前予約が必要なので前の日に予約しました。
駐車場はないので武蔵野線・北総線「東松戸駅」近くのコインパーキングに駐車し、歩いて行きました(約10分)

入口の薬医門?

主屋が平成29年(2017年)に国登録有形文化財(建造物)に登録されました。主屋は明治34年(1901年)築で、桁行7間×梁間4間半。右側の増築部分(客間、台所)は含まれません。

庭園は、竹林や梅、松などをはじめとする四季折々の植物であふれています。

旧齋藤邸は、主屋、離れ、竹林、竹工房などからなり、敷地面積約5,500㎡(約1,672坪)の古民家です。
当初は小作人を抱えて農業を営む家の所有でした。昭和39年(1964)に芝浦工業大学教授だった「故・齋藤雄三」氏が田舎暮らしをしたいとの希望で土地と建物入手。

その後、増築や庭の整備を行い、齋藤夫妻は昭和44年(1969)に当時住んでいた文京区から転居。雄三氏の死去にともない相続したトシさん(当時80)は、「この家と庭園を後々まで長く残してほしい」との雄三氏の言い残しがあり、平成10年(1998)に家屋および庭園の保存と自身の居住を条件に松戸市に寄付しました。そのトシさんも平成25年(2013)に亡くなられた。

今回は運よく管理人の方が案内をしてくれました。

主屋は寄棟造り、茅葺屋根の住宅で、紙敷地区の典型的な農家の建築様式を踏襲しつつ、随所に近代和風建築の要素が加わっています。

「土間玄関」。

茅葺き。管理人さんの話では、松戸市で唯一の茅葺職人(当時81歳)に差し茅をしてもらったとのことです。

床上部は四間取。西端の「式台玄関」から建物に入ります。一番奥が「オク」(8畳)、手前がナ「カノマ」(10畳)。

「サジキ」(12.5畳)。仏壇とガラスの引戸のある神棚があります。差鴨居はどれも大きな材が使われています。

土間の上は直材の梁を井桁に組み、天井が張られています。

土間。板張りされているのでここからは出入りできません。

2本ある大黒柱は、約40センチ角で大変立派なものです。

「オク」の平書院。組子障子・欄間

「カッテ」

西側の縁。杉丸太の「縁桁」。突き当たりが「便所」。

切れ目縁(建物に対して直角に板を並べる形式)。

「離れ」(茅葺屋根)にも入れて頂きましたが、こちらはかなり痛みが進んでいて、特筆すべきことはありません。

主屋の裏側には広大な孟宗竹林が広がっており、竹紙(ちくし)工房(元蔵)では、庭園の竹を利用した竹紙作りを(紙漉き)体験できます。

東側の隣地境界にこんな大きなケヤキの木が数本ありました。ところが伐採されて、隣地はアパートになるとか。建物と周囲の構成(景観)はセットなのでまことに残念です。

駅に近く、都心や成田空港へのアクセスが容易であることからどんどん市街化が進んでいます。

26日(火)からは色鮮やかな「吊るし雛」の展示が始まりますので是非訪れてみて下さい。(利用可能日は平日のみ。土、日、祝祭日は不可。最終入場は15:30)

齋藤邸+α

齋藤邸に向かう途中、少し手前に「長屋門」(湯浅家)がありました。

長屋門の西側。窓や雨戸があるので使用人等の居住スペースだったのかな?

内扉は板戸内開きで、戸口の脇に「潜戸」(左側)があります。

板戸の釘隠し(饅頭金物又は乳金物)





最新の画像もっと見る

コメントを投稿