先月10日(月)、流山市本町(ほんちょう)の「国登録有形文化財(建造物)」を中心にまち歩きをしてきました。
月曜日で休館している建物が多く、中に入ることは出来ませんでした。
※blog 12/11UP「新川屋店舗など:流山市」(古民家っていいなぁ)
昨日(1/18)、改めて流山を訪れました。
左側が「市立図書館」、右側が「市立博物館」
今回は1月12日(土)~3月17日(日)まで「市立博物館」で開催されている企画展「ちょっと昔のくらし」と常設展(流山の歴史や新選組の資料などを展示)の見学と併せて、かみさんと二人で流山本町のまち歩きをして来ました。
小学3年生の学習用(社会科)に、判り易く展示・解説されています。
BOSOの我が家にも幾つか残っていますが、昭和レトロの古民具が懐かしいですね。
流山は江戸川沿いに位置することから江戸時代から明治大正にかけて商業の中心地として栄えていました。(右側の赤点が現存する「呉服新川屋」)
「市立博物館」(左2つの青点と右の赤点:流山市加1-1225-6)は、元々「駿河の国、田中藩本田家(現藤枝市)」の屋敷があった場所。
明治時代に「葛飾県庁」、「印旛県庁」が置かれた場所でもあります。
※葛飾郡田中村(現柏市)の名は、田中藩の「飛領地」だったことに由来しているそうです。
左は昭和33年に分譲・入居した「江戸川台団地」の居間を復元。右側には「運河」などの歴史が展示されています。
この居間に夫婦と子供2人と奥の部屋に祖父母計6人が布団を敷いて寝ていました。
常設展「白みりん発祥の地」のコーナーには、みりんに関する数多くの展示品が並び、みりんの歴史について学ぶことが出来ます。醸造用の樽がバカデカい!
明治・大正の鉄道建設。左下が流山軽便鉄道(現流鉄)、右下が日本鉄道土浦線(現JR常磐線)、中央が県営鉄道野田線(現東武アーバンパークライン)
こんなものもありました。私が小学生の頃の給食。(コッペパン、マーガリン、膜が張っていた脱脂粉乳、クジラの竜田揚げ)
流鉄流山線は6駅、営業キロ程5.7キロ、所要時間11分の鉄道で1916年(大正5年)3月14日に開業。
「都心から一番近いローカル線」がキャッチフレーズの鉄道。
その中でも流山駅は終点の駅で昭和12年に改築されてはいるものの開業当時のものです。
1916年に開業し、今年で103年目を迎えました。
「東京近郊にありながらローカル色のある駅」ということで、1998年に「関東の駅百選」に選ばれています。
流山駅には車庫があり、電車は1編成ごとに「流星」 「さくら」 「あかぎ」 「若葉」 「なの花」と愛称が付けられています。
停車している「さくら」は「流馬」を塗り替えたものです。
これらの車両は西武鉄道で使用されていたもので昭和53年より順次購入し、編成毎に車体色を変えています。
Suicaなどの電子マネーは利用できないので券売機で昔懐かしい硬券切符を買う必要があります。
券売機の間のポスターは流鉄の新キャラ「流之進(りゅうのしん)」です。
平成17年につくばエクスプレス(TX)の流山セントラルパーク駅が開業し、乗降客が半減。
大変苦しい経営状況で、ワンマン運転にして経営努力したり、観光に力を入れて集客に努めているそうです。
流山駅前の「流山本町 江戸回廊MAP」。紙のマップを頼りにまち歩きスタート。
「あかり館@雑貨 konocono(このこの)」。
日本三大和紙”美濃和紙”を使った和紙照明・手づくり雑貨・生活雑貨・お菓子の店。
築90年近くなる乾物屋だった古民家(商家)を改装した店舗。
美濃和紙で作られたやさしい照明がたくさん並んでいます
新松戸から移転し、現在地で平成17年10月1日にリニューアルOPEN。
美濃和紙のあかりが大変美しく、和の空間づくりにはもってこいの照明です。
あかりは、好きな材質や絵柄の和紙を選び、注文から1週間ほどでオーダーメイドできるそうです。
一階では当時のままの商品棚や桐たんすなどを活用し、手づくり雑貨、食器や、自家製酵母のパンなどを販売しています。
二階にも様々な色や形の美しい明かりが沢山展示・販売されています。今度、奮発して1つ購入しようかな?
書道やヨガ、マクロビオティックや手づくりのワークショップも不定期で開催しているそうです。
「飯田信義」さん作の「切り絵」も数点展示されていました。
呉服「ましや」の土蔵は、土蔵造りの様式を今に伝える建造物(市指定有形文化財)。
1,859年創業の呉服屋で、土蔵は何度か改造や修理を受けているが、正面土扉や窓の土戸は当初のままの形態を保っており、明治期の土蔵造りの様式を随所に残す貴重な建造物となっています。
「呉服新川屋」(国登録有形文化財)。前回(12/11)の記事をご覧下さい。
「蔵のカフェ+ギャラリー灯環(とわ)」。
明治時代の『笹屋土蔵』(国登録有形文化財)の蔵を改装。
店の入り口。移築後100年以上経つ土蔵がカフェに生まれ変わりました。
二階の重厚な窓。
1階は珈琲の香りが漂う癒しの空間です。
2階のギャラリーでは多彩なイベントを不定期で開催しているそうです。
2階上部の重厚な梁には「明治三拾壱年四月廿二日(明治31年4月22日)田上岩吉 建立」と異様な大きさで墨書されています。
通常は「棟札」程度ですが、なぜこんなに大きく書いたのでしょう?
注文した「ほっこり♥みりんdeスィートポテト(ドリンク付き:880円)」。
オーブンで焼いたさつま芋にバニラアイス。煮切りみりんのシロップがかけてあります。
コーヒーカップは笠間・益子焼きなど店主のコレクションで、一人ずつ違うカップで提供しているとのこと。
「丁子屋」。足袋屋だった大正12年築の町家造りの建物を改装。
当時の屋号「丁子屋」を店名にしたフレンチ・イタリアンのレストラン。
Aランチ(2,130円)~Cランチ(3,780円)。いつか特別な日に利用したいと思います。
「万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵」
1890年に建築された土蔵「寺田園茶舗」(国登録有形文化財)
明治22年に建てられた蔵の中には、世界的万華鏡作家の作品がずらり。
世界で活躍している流山在住の万華鏡作家「中里保子」さんの作品も展示しています。
観光案内や伝統文化の講習会なども開催しており、お茶の葉や地域のお土産なども販売しているそうです。
神棚。お茶屋さんとして明治時代に開業、その後倉庫となっていたものを町おこしプロジェクトでギャラリーにしたそうです。
幾つか「万華鏡」を覗かせて頂きましたが、これまでの万華鏡のイメージを覆す素晴らしい世界が広がります。
「近藤勇陣屋跡」。近藤勇率いる新選組が本陣を置いたと言われる醸造元「長岡屋」の跡地。
「machimin(まちみん)」は、おばあちゃんちの縁側をコンセプトにした“コミュニティスペース 兼 観光案内所”
流山駅の元タクシー車庫を改装し、2018年4月にオープン。
歴史は200年以上もある白みりんの発祥地だからこそのお土産をつくる菓子製造工房もあり、ここでしか買えない「みりんのマシュマロ」や「みりんのキャラメルクリームパン」を販売しているそうです。
毎日、当番を決めず、都合の良い人がボランティアで詰めていて、総勢50~60人で運営しているそうです。
電車のホームとつながっている窓から見える「カラフルな電車」を楽しむ観光名所として、まち歩きの良い情報を得る案内所または休憩所として、流山ならではのお土産を買う場所として、電車の待合スペースとして誰でも利用することができるとのこと。
machiminは“まちをみんなでつくる”から命名。観光に来た人など多世代の多様な人々が集う場所になることを目指し、いろんな視点でまちを見て盛り上げていけるハブ拠点として存在しているとのこと。
「一茶双樹記念館」
安政年間(19世紀中頃)みりん醸造で財をなした秋元家の建物を復元し、往時を偲ばせる主庭を中心に商家を再現。
「双樹亭」は、現在地に隣接する広大な秋元家の敷地の北側ほぼ中央に建っていた木造平屋建、寄棟造瓦葺の新座敷と呼ばれた建物。
枯山水の庭園
おくの間、なかの間、ちゃの間の3室が東西に並ぶ座敷。
3面を下屋廊下が囲む、開放的なつくり。
おくの間の「付書院」
おくの間の「床の間」を背にして座して見た庭園
「双樹亭」のおくの間。掛け軸の文字「天晴(あっぱれ)」。
流山白みりんの2大ブランドが「万上味醂(堀切家)」と「天晴味醂」で、「天晴味醂」を開発したのが秋元本家です。
みりん関係資料等を展示する「秋元本家」と、
茶会・句会等に利用できる「一茶庵」(写真)で構成されています。
俳人「小林一茶」は、みりん醸造創設者の一人「秋元三左衛門」(俳号双樹)と交友があることから、この地を第二のふるさととして数十回来訪しました。入館料:100円(大人)
漸く点灯している「切り絵行灯」を見ることが出来ました。現在、100基近くの行灯が設置されているそうです。
この行灯の切り絵は「あかり館@雑貨 konocono」の2階に展示されていた切り絵と同じ作者の「飯田信義」さんで、本体の設計・製作は「長谷部年春」さん。材料費は依頼者が負担し、製作はお二人がボランティアで行っているとのことです。
長くなりました。最後までお読みいただきありがとうございます。
「流山、知れば知るほど歴史のある”興味深いまち”です。」 是非、訪れてみて下さい。