Powers of Ten
1977年製作 アメリカIBM
8:48
監督:チャールズ&レイ・イームズ
●DVD
EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界
先週に引き続き、イームズ夫妻の代表作。10×n秒の時間ごとに10のn乗メートルの尺度が映し出されてゆく。後半は10×n秒の時間ごとに10の-n乗メートル。倍数ではなく累乗でスケールが異なってゆく速度によって私たちの目にちょうどよく見えるということに、自然界の法則が垣間見える。これがもし10×n秒の時間ごとに10×nメートルの尺度が映ってゆくとしたら、始めは早く遠のき、しだいに速度が落ちて、地球を遠く離れると全く変化がなく、太陽系を脱するまでに何万年もかかってしまうことになるだろう。
CGを使わない手作り感覚の妙。
↓続いて、チェコのアニメ(実写含む)作品3編
メカニカ Mechanika
2002年 9:45
ダヴィット・スークップ David Sukup 1974-
●DVD
チェコアニメ新世代Ⅰ
視角の外 Co oko neuvidi
1987年 3:05
パヴェル・コウツキー Pavel Koutsky 1957-2006
●DVD
チェコアニメ傑作選II
対話の可能性 Moznosti dialogu
1982年 12分
ヤン・シュワンクマイエル Jan Svankmajer 1934-
●DVD
シュヴァンクマイエルの不思議な世界
「メカニカ」は機械仕掛け・金銭取引の管理社会を風刺。
「視角の外」はローテクのコマ撮りアニメーションによって私たち自身が操られているというメタフィクション。フィクション内の人形はいち早く自分の位置に気付いて、優位に立っていた他のキャラクターを蹴飛ばす。
「対話の可能性」は、対話のメカニズムをさまざまな日用品や粘土で寓意的に表現。
「メカニカ」には通常の「盛り上げ型BGM」が使われていたが、どれも手法的にハリウッド映画とは異なる。説明的なドラマ仕立てがない。時間が短いためにハリウッド映画と異なることは自明で、却って非ハリウッド性が隠れてしまったかもしれないが、同じ監督による長い作品もいずれ観ることにしよう。