三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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レザーフェイス系1

2005-08-07 05:23:55 | モンスター映画
 ■地獄のモーテル■ これは何が面白いって、このテのに予期されるいかにも凶悪そうな殺人鬼ってんじゃなくて、善人顔した熟年兄妹が口笛吹きながら次々宿泊客殺して人肉ソーセージ作って隣人たちに食べさせてるって状況が怖くて笑えるわけだな。あの人間栽培畑の色彩がええのう。声帯を掻っ切りクスリを強引に食わせ音楽(かな?)や極彩照明で育成するなんともまあ手の込んだお楽しみ。楽しくてしょうがないって感じだねあの二人。刈り入れの時は催眠術できっちり仕上げときた。チェーンソー対決んときもわざわざポークヘッドかぶってのお出ましと。アーチストすぎるぞぃあのオッサン。栽培されちゃった連中が地面からよっこら抜け出してリベンジしに来る終始無言の有様は、外見はともかくすっかりゾンビになっちゃってていやはやシュール。名前なんてったけなオッサンに惚れたあの女、あれが死んでくれないことにはホントは物語が完結しないんだけど、結局あんだけ拒絶した保安官とくっつくのかえ、ラストのあの抱擁ぶりでは。モーテル・ハローがモーテル・ヘルに変化するネオンサインの半ギャグが、このオトボケホラーとも言うべきシリアスキラーものに情緒を添えています。
 ■クライモリ■ このテのってば殺し方がイノチでしょうに……。平凡な殺し方が多かったのは致命的ね。殺しの瞬間すら映ってないのもひいふう三つあったじゃないか。そこそこ面白パターンは二つだけだぜ、口から下切断落下の女と、片眼射抜かれた保安官と。鉄条網やトラバサミなどちらちら出てきた罠も、もっと種類多ければなあ、いまいち詰めの甘いサバイバル劇でしたね。もともとがあの人数で二人も生き残ってしまうという生存率の高さも不満だし、最後のじいさんが何か一発ぶち挙げてくれるかと思いきやそれもナシ。本筋に全然関係ないやつが最後ぽつんと殺されてみせてもあんまりインパクトないわけでしてねえ。ロッククライミングの二人のソフトな殺されかたで幕を開けた出だしは良かったんだけどラストまでその同じレベルひきずったままってんじゃ物足りなかったっすよ。それにしても21世紀にもなって、逃走中いまだに女の悲鳴を制するために男が四苦八苦しなきゃならないのか。逃げる気力すらなくしてる馬鹿女なんてもうキャラクターに入れてくれるなよっつの。ホント女は世話が焼けやがるぜ。
 ■テキサス・チェーンソー■ オープニングとエンディングのモノクロドキュメンタリー仕立ては何のつもりかな? 完璧不明だが。ブレアウィッチ賛歌より本番をちゃんとやってほしかったよ。だいたい肝心のチェーンソー、ブンブンうるさいばっかでブッタ切る瞬間が一度も映ってねーでしょうが!プンプン。餡この入ってない餡パンかっつの。女の惨殺場面に至ってはレザーフェイスの背中に隠れちゃってて、ほんとに殺したんですかと。21世紀映画なんだから脚切断場面くらいCG使ってリアルに直視させてほしかったし。閉鎖空間度薄くてあちこち小刻みに移動って散漫な流れもちょっとどうかと。いい加減飽き飽きするほど間抜けな追跡を振り切った女、最後の錯乱がとってつけたようなというか、最初に飛び入り自殺した女と形式合わせせにゃとでもいうように。そういう頭ごなしの作りは無理だっつのよな――かと思うと反対に、なかなかエンジンがかからないだとか地下室閉じこめン時なぜかあの女んときだけ無傷で放置しとくとか、低級エンタメの常道を性懲りもなく反復反復。やれやれ……。あとこれまで何度も言ってきたけど本番冒頭、車ん中で歌って叫んでセックスってのが若者らしさなのかよと。いくら70年代設定ったってねえ。「軽薄=楽しい」かよと。観客としちゃこんな類型的なやつら何人でも殺されなって気になるんで感情移入上はっきりマイナスよ。まーこのテーマじゃこんなもんが上限なのかなと。んなわけないよナ。