■2300年未来への旅■ 全体、やたらチープなセット風景の連続。それでも何かうっとりしちゃったのはなぜ。未来都市の万博的風景って、どんなん脳天気なんでも私とりあえず快感ってことでしょうか。しかしああも簡単に出られるドームで、アウトサイドを知らずに三十歳で死んでく人々ってホント素直すぎ。それに合わせたかどうだか門番ロボット弱すぎ。ご親切に警告してから攻撃しなさんなよと。取っ組み合いで人間に負けちゃうなんてつくづくお茶目な。しかしヒーローの行動がね、俺、てっきり逃亡者になりすましてヒロインを利用してサンクチュアリにたどり着いたところで正体表わして殲滅する、って後味悪い結末になるかと期待してたのよ。追跡してきた同僚を殺したのも敵を欺くにはまず味方から、てことかなと。結局ヒーロー君はコンピュータの言うなりだっただけってね。そういうのうすうす予期してたのにい。そしたらごくごくありきたり系ヒューマニズムで終わっちゃったよぉぉぉ。裏もなんにもないってのよぉぉ。爺さんのヒゲ撫でて住民ニッコリ、で大団円ってんじゃあ、セットのレベル同様お子さま番組じゃないですか~。でもまあ、ドーム内の人工空間からいきなり崖っぷち、そして森へ川へと大自然に出ちゃった瞬間の解放感って、効果満点でしたね。ラストの爆発連発もリキ入ってました。
■バーバレラ■ あれ? ジャケには大型サイズの銃抱えてる女戦士の絵あしらってあるからてっきりアクションものなのかと。実は大して戦ゃしないんだナ。キッチュをきわめた惑星風景は『2300年未来への旅』といい勝負つーか名コンビだなあ。あっち真面目バージョン、こっちオフザケバージョンって感じだけど。こっちのロボット兵士たちもやたらヘナチョコなことでは引けをとらない。ってかめぼしい攻撃せぬままただ突っ立っててぶっ壊されまくった印象が。初登場では鞭みたいなのビュルビュル出してかっこいいかな、と思ったんだけどね。あとほら、ソリを引いてたクリーチャーは何かな、アレが一番興味あったんだが。しかしまぁどんどん場面が変わってく先々の、チープぶりを競うがごときキラキラセットに万華鏡模様に、なんだかんだいって楽しかったんで仕方ないや。掌を合わせるあの時代のセックスとやら、もうちょい詳しく描写してほしかったけどな。ジェーンフォンダねえさんったら途中で目覚ましてたりいまいち乗ってなかったんで。それとほら、あの天使、イケメンに翼くっつけただけってのちょっとどうかな。もっとクリーチャーっぽくしてほしかったんだけど。なんとかの女王も右に同じ。