■マイノリティ・リポート■ これは王道を行ったね! ただの「予言の自己実現バナシ」かと思ったら違ってた。なによりSFXがすっばらしーし。とくに前半。逃走劇の羽目ハズしかけちゃあ居ずまい正すようなアクションやら、自動車組み立て工程に落ち込んじゃいがてらそのまま運転逃走だなんて大笑いだってのよ。そもそも私これモンスター映画とは思ってなかったんでまことにトクしちゃったってば。もちろん広くとればあんな恰好で水中培養されてる予知能力者3人が十分モンスターなわけだが、狭い意味でもほら、なんと有毒怪奇植物がツルまきつけて襲ってくるとはな。恐ろしめのが五種類くらいはいたみたいじゃないか。あと「スパイダー」だよ、寄ってたかって強引に網膜検査やっちゃうとはね、あれ戦闘能力も相当あるんだろうな。話自体もあれこれいい意味で込み入ってたっぽくて、超のつく御都合主義および主人公の好感持てない身勝手ぶりという二大欠陥を補って余りある。敵役かと思わせたチョビ髭が実は陰謀の主だったわけじゃなかったとか、目んタマ手術のおっさんや助手のミス何某やバーチャルリアリティ屋のハッカー等々ワキを固めてる人たちがまた個性レベル高いんだなあ。あえて難を言えばジョンを陥れる策謀がなんとまあ低プロバビリティの犯罪であることよ等々醒めた目で見りゃ破綻しまくりのストーリーにもそこは目をつぶりましょうや、こんだけ映画固有のメリット活かしてもらったからには。ありきたりなハッピーエンドもまあスピルバーグだから仕方ないとして、いや、150分弱も全然退屈しませんでしたよ。
■ブルーベルベット■ なんだか……。きわめて通俗的なミステリーをもったいぶったスローテンポで流しゃホラ芸術的映画一丁上がりでしょ、ってだけな感じの。「蟻がたかっている人間の耳を拾う」という出だしで期待しちゃったせいかこの盛り下がり具合にゃ大いに不満だな。つうか客観的に見てもかなりつまらなかったってのが正直な感想。どのシーンも丁寧に作ってあるだけにあまり貶したかないけど、しかしあれじゃあ困るんですよ。主人公がミステリー気取りでなんにでも首突っ込むから窮地に陥る、なぁんてモチーフは全然新味がないし、警察が後手後手に回る、ってお定まりパターンも、もともとは刑事の娘から主人公ァ情報得てるんだから本来ありえねーわけだし、終盤入っての三角関係もウザッたいョ。メインの二人なんか結局ついこないだ出会ったばかりで女のああいう嫉妬はないでしょう(あの歌手に比べりゃ大層なドブス度なので嫉妬の形相もサマになってはいましたが)。前評判に反して変態場面もほとんどないときたし、なんか薄味の平凡な映画だったよなあ。リンチにしてはというより、普通の基準でもね。最後に鳥が加えていたのはオープニングに接写されてたゴミムシと同じ個体かな? てくらいしか心から興味を惹かれた場面もなかったや。
■ブルーベルベット■ なんだか……。きわめて通俗的なミステリーをもったいぶったスローテンポで流しゃホラ芸術的映画一丁上がりでしょ、ってだけな感じの。「蟻がたかっている人間の耳を拾う」という出だしで期待しちゃったせいかこの盛り下がり具合にゃ大いに不満だな。つうか客観的に見てもかなりつまらなかったってのが正直な感想。どのシーンも丁寧に作ってあるだけにあまり貶したかないけど、しかしあれじゃあ困るんですよ。主人公がミステリー気取りでなんにでも首突っ込むから窮地に陥る、なぁんてモチーフは全然新味がないし、警察が後手後手に回る、ってお定まりパターンも、もともとは刑事の娘から主人公ァ情報得てるんだから本来ありえねーわけだし、終盤入っての三角関係もウザッたいョ。メインの二人なんか結局ついこないだ出会ったばかりで女のああいう嫉妬はないでしょう(あの歌手に比べりゃ大層なドブス度なので嫉妬の形相もサマになってはいましたが)。前評判に反して変態場面もほとんどないときたし、なんか薄味の平凡な映画だったよなあ。リンチにしてはというより、普通の基準でもね。最後に鳥が加えていたのはオープニングに接写されてたゴミムシと同じ個体かな? てくらいしか心から興味を惹かれた場面もなかったや。