白井健康元気村

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市販薬の使い過ぎが頭痛を悪化させる 頭痛の正しい対処法(1)

2025-02-04 05:30:07 | 健康講座

 医療ジャーナリスト・油井香代子さんが昨年11月19日から22日にかけて、『日刊ゲンダイDIGITAL』に「頭痛の正しい対処法」を連載(4回)しました。本ブログでは油井さんの連載を毎週火曜に4回に分けて転載することにします。

頭痛の正しい対処法(1)

市販薬の使い過ぎが頭痛を悪化させる

医療ジャーナリスト・油井香代子

 

▲白井健康元気村の健康教室で講演する油井香代子さん(白井市文化会館、2023年1月15日)

 

 日本人成人の約3割が悩んでいるという頭痛。季節の変わり目や天候不順が続く時には、頭痛を訴える人が増えると言われています。

「実際、この時期になると頭痛外来の患者さんが多くなります。なかでも多いのが片頭痛の患者さんです。片頭痛は天候や温度、気圧に左右されやすいのです。関東在住なのに、遠く離れた沖縄の南海上に台風が接近すると頭痛が始まるという人もいるほどです」

 長年、脳の病気の診療に携わってきた「丸ノ内なかごみクリニック」の中込忠好院長はこう話します。

 一口に頭痛といっても原因も症状もさまざま。大きく2つに分けられます。脳の病気が見つからない「1次性頭痛」と、脳卒中や脳腫瘍など脳の病気による「2次性頭痛」です。

 片頭痛は「1次性頭痛」の代表的なもので、ズキンズキンとする強い痛みが続き、寝込んでしまうほど重い人もいます。中込院長によると、市販の頭痛薬や痛み止めを飲んで我慢している人も多く、頭痛薬が効かなくなってようやく受診する人もいるそうです。

「注意しなければならないのは、自己判断で市販の頭痛薬を飲み続けているうちに頭痛が悪化する『薬剤性頭痛』です」

 これは薬剤の使用過多による頭痛(MOH)のことで、片頭痛で毎週3日以上定期的に頭痛薬を飲んでいる人に多く見られるそうです。朝起きた時から頭痛がし、薬を増やしても効き目がないという厄介な頭痛です。

 頭痛に使う市販の痛み止めにはイブプロフェン、ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、無水カフェインを含む顆粒などがありますが、成分が一つだけのものより、複数の成分が入ったものやカフェインが入ったもののほうがMOHになりやすいそうです。

「市販の頭痛薬を使用する場合は、単一薬剤なら月に15日、複合薬剤は月に10日以内にとどめたほうがいいでしょう。これを3カ月以上飲み続けると使い過ぎになります」

 思い当たる人はできるだけ早く頭痛外来を受診したほうがよさそうです。

「飲み続けている期間が長いほど、また複合薬剤を飲んでいるほど 治療が難しくなります。MOHとわかったら、飲んでいた頭痛薬を中止し、代わりに片頭痛の予防薬を服用することになります」

 片頭痛はストレスや疲労の他に、アルコール、チーズなど血管を広げる作用のある食物を取ると起こりやすくなります。これらを取り過ぎないことも予防につながります。

「片頭痛は首や肩が凝っていると起きやすくなります。体操やストレッチ、マッサージ、ヨガなどで首周りを緩めたり、頭痛体操をしたりするのも効果的です。ただし、発熱や激しい頭痛がある時には控えてください」

 なお、頭痛体操の方法は日本頭痛学会のHP(https://www.jhsnet.net/pdf/zutu_taisou.pdf)などで紹介しています。(『日刊ゲンダイDIGITAL』11月19日公開) =つづく

 

【油井香代子さんのプロフィール】

長野県生まれ。信州大学人文学部卒業後、明治大学大学院修士課程修了。医療・健康・女性問題について新聞や雑誌などに執筆する他テレビ・ラジオなどで医療問題を中心にコメントや解説も行う。2007年よりイー・ウーマン「働く人の円卓会議」議長を務める。著書に「医療過誤で死ぬな」(小学館)、「あなたの歯医者さんは大丈夫か」(双葉社)など多数。


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