白井健康元気村

千葉県白井市での健康教室をはじめ、旅行、グルメ、パークゴルフ、パーティーなどの情報や各種コラムを満載。

ロコモの予兆を見逃さない4つのサイン 整形外科医が教える体メンテナンス⑶

2024-11-10 05:30:52 | 健康講座

整形外科医が教える体メンテナンス⑶

ロコモの予兆を見逃さない4つのサイン

医療ジャーナリスト・油井香代子

 

▲白井健康元気村の健康教室で講演する油井香代子さん(白井市文化会館、2023年1月15日)

 

 

 日本の高齢化率は29.1%と、この30年でほぼ倍増しました(内閣府「高齢社会白書」)。それとともに要介護者の数も増え、700万人を超えています。

 一方、介護の担い手不足は年々深刻になっており、2年後の2026年には約25万人も不足するといわれています。将来、安心して介護を受けられる保証はどこにもないのです。

 介護不安が高まっている中、要介護にならず、できるだけ長く自立した生活を送るにはどうしたらいいのでしょうか。


「要介護になる理由の半数はロコモが原因です。要介護を予防するには、ロコモ対策が不可欠です」

 こう話すのは、整形外科専門医の加藤敦史氏(千葉白井病院整形外科・人工関節センター長)です。

 ロコモはロコモティブシンドロームの略で、運動器症候群ともいわれています。骨や関節、筋力が衰えたり、骨や関節を痛めたりして立ったり歩いたりすることが難しくなる状態をいいます。進行すると要介護リスクが高くなるといわれています。

 ロコモ人口は予備群も含めると4700万人と推定されています。国民病といわれている糖尿病(糖尿病予備群を含む)が2000万人ですから、ロコモ人口の多さがわかります。

「ロコモの原因は運動不足、肥満や筋力の低下、骨や関節の障害などですが、ロコモになると、ますます体が動かなくなり、筋力の低下や肥満が進むという悪循環が起こります。結果、ロコモが進行してしまうのです」

 進行を防ぐにはロコモを早期に発見し、対策を立てることが重要と加藤 医師は強調します。

 早期発見のためには、ロコモの予兆を見逃さないことです。ロコモの予兆に気づき、早めに手を打てばロコモやその先の要介護の予防につながるといいます。

 先月、日本整形外 科学会からロコモの予兆(ロコモサイン)が発表されました。

 そのサインとは、①階段の上り下りが困難。②急ぎ足で歩くのが難しい。③休まずに歩くことができない。④スポーツや踊りをするのが難しい──の4つで、これらのサインのどれか1つでも思い当たればロコモの一歩手前の「ロコモ予備群」の可能性が高いということです。

 ロコモに進まないための対策を加藤医師はこうアドバイスします。

「運動を始めることです。30代、40代から運動の習慣をつけるのが理想ですが、遅すぎるということはありません。忙しいサラリーマンなら、通勤時にいつもより歩幅を広くして早歩きをする、駅や会社では必ず階段を使うことから始めてください」

 運動する暇がないなら、毎日の生活にちょっとした動作をつけ加える。たとえば、掃除をキビキビとやる、テレビを見ながらストレッチをするといった「ちょい足し運動」から始めるといいそうです。=つづく『日刊ゲンダイDIGITAL』10月18日公開)

 

 

【油井香代子さんのプロフィール】

長野県生まれ。信州大学人文学部卒業後、明治大学大学院修士課程修了。医療・健康・女性問題について新聞や雑誌などに執筆する他テレビ・ラジオなどで医療問題を中心にコメントや解説も行う。2007年よりイー・ウーマン「働く人の円卓会議」議長を務める。著書に「医療過誤で死ぬな」(小学館)、「あなたの歯医者さんは大丈夫か」(双葉社)など多数。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 毒物研究に没頭した日々 ア... | トップ | 父親の杜聰明氏は「台湾医学... »
最新の画像もっと見る

健康講座」カテゴリの最新記事