
サヨクの「憲法上の権利」の敗北
予期していた通り25日金曜日、最高裁は妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「Roe vs.Wade」判決を覆す判断を下した。この判決については既に最高裁内部から草稿がリークしていたので別に新しい事ではない。判決が出ると中絶禁止派と中絶賛成派の双方が全米各都市で大規模なデモが起きたが、幸い暴力事件とならなかった。
総じていえばこの判決は保守派とサヨク(リベラル派)の闘争でサヨクが負けたのである。サヨクの「憲法の権利と言う横暴」が通らなくなったのである。
バイデン大統領はホワイトハウスの広報室でテレプロンプターを読む「判決に反対」の講演を行った。(バイデンの演説がテレプロンプターを読むだけとは、演説している間の彼の目が常にある1箇所を見つめていることで明らかである。)バイデンは「最高裁は米国民の憲法上の権利を奪った」として最高裁の判決を批判し、最高裁と対決する態度を明らかにした。
だがバイデンの主張は明らかな間違い、でっち上げである。最高裁は「憲法は国民に中絶の権利を与えていない」ことを明確にしただけなのにバイデンは「憲法が国民に保証した権利」を最高裁が奪ったと嘘をついたのだ。
判決文は簡単に言って二つの判決である。(1)憲法は国民に中絶の権利を与えていない。(2)中絶を規制する権限は、国民と国民に選ばれた代表に戻す。この二つだけである。つまりバイデンの言う国民の憲法上の権利はない。そして中絶を規制する権限は最高裁ではなく、国民に選ばれた代表、つまり州政府にある。
ここで注意すべき事は最高裁は妊娠中絶について反対も禁止もしていない。それなのにバイデンを左翼の頭とする民主党側は「最高裁が国民の権利を奪った、中絶を禁止した」と嘘をつき、国民を煽動して保守派とリベラル派の対立を高めているのである。
この度の裁判は妊娠15週以後の中絶を原則禁じるミシシッピー州の法律の合法性を巡る訴訟である。最高裁の判決はミシシッピー州には中絶を規制する権利があるとした。但し、最高裁は妊娠中絶を15週以内に限る事について判決したのではない。サヨクは中絶が原則禁止されたと言う嘘を宣伝している。
バイデン氏は24日の演説で「最高裁の判決は極端な主張と悲劇的な間違いを犯した悲しい日であった。そして(最高裁の判決は)この国を極端な方向に導いていく」と述べ、「私は今後も国民の個人の決定する権利を全力で守る」と述べ、中間選挙で中絶の権利の擁護に投票するよう呼びかけた。
権利、権利である。サヨクの主張する個人の自由と権利は時として社会の自由と平和を奪い、法の無視と崩壊を招く。この数年の間アメリカでおきた数々の暴動と放火、商店に侵入して金品強盗を働く事件についてバイデン政権は放任し続けていた。しかもニューヨーク州やオレゴン州など民主党州の政府は警察の予算を大幅に削減して警察を無力化することに熱中していた。
アメリカの崩壊は法の崩壊で始まると言っても良い。バイデン政権はBLMやAntifaの跋扈、黒人の犯罪や彼らの「権利」を放任してきた。「人民の権利」と呼ぶ暴力を利用する民主党政治家が法の無視、法の崩壊を促進させてきたのである。今回の最高裁の判決は「何でも憲法上の権利」で覇権を維持してきたサヨクの敗北だった。
保守の勝利はトランプが指名した3名の保守側の最高裁判事のおかげで5対4の判決となった。つまりサヨクと戦っているトランプが勝利したのである。だがたとえバイデンが負けたからといっても、一国の大統領が公然と国の最高裁判所の決定に反対すると発表したのは許されるべき事ではない。国の制度を弁えないバイデンは大統領失格、弾劾されるべきだ。
最後になったが今回の最高裁の判決でまだ残っている問題は、判決文の草稿を盗んでメディアにリークした犯人が未だに捕まっていないことである。ガーランド司法長官もFBIもサヨクの一端を担いでいると言われる現状では、中間選挙で保守が圧勝しなければサヨクによるアメリカの衰退は続くだろう。