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ウクライナは「民主主義侵略」の一部 【連載】アンディ・チャンのAC通信

2022-01-29 16:42:08 | アンディ・チャンのAC通信
【連載】アンディ・チャンのAC通信
ウクライナは「民主主義侵略」の一部
No.880 (2022/1/28)
 
 
 

 ウクライナの国境で緊張が高まっている。ロシアがウクライナの国境付近に10万人規模の部隊を集結させた。アメリカとNATOはロシアがウクライナに侵攻するかもしれないが、もしもロシアがウクライナに侵攻すれば「重大な代償と結果を招く」と警告し、ロシアに部隊撤収を要求している。しかしロシアは「自国の領内で演習を行なって居る」とアメリカの要求を拒否した。ロシア側の要求は「NATOの東方不拡大(ウクライナ、ジョージアなど)を約束せよ」と言うことだ。そもそもNATOは東西ドイツが統一した後は解散すべきだったと言うのがロシアの主張である。

 ウクライナの緊張を更に高めた原因はバイデンが先日の記者会見で「ロシアのウクライナ侵攻はあり得る、もしもロシアの侵攻が小規模ならアメリカ側の報復も小規模」と言った失言を補うため、「ロシアの侵攻は本当だ、5000人の部隊を派遣する用意がある」と失言の上塗りをしたからである。このバイデン発言には紛争の当事者であるウクライナのゼレンスキー大統領もバイデンの過剰反応だと批判した。だがバイデンは更に派遣部隊の人数を5000人から8500人に引き上げ、ウクライナにロケットなどの武器弾薬を提供した。ドイツは軍備の代わりにヘルメット5000個を提供した。つまり恫喝を二度も三度も繰り返したのはバイデンである。

 バイデンは就任以来、一度も自分の失策を改善したことがない。改善しないばかりか二度、三度と失策を強化する命令を下して失敗を拡大する。ウクライナ失言、アフガン退却、国境解放、インフレ、エネルギー政策、コロナ疫病対策、マスク着用強制命令など、失敗を重ねるだけで改善しない。つまりバイデンは智力減退、無能、無策だけでなく頑迷、独裁である。ある人はバイデンが独裁的ではなく彼は黒幕の操り人形にすぎないと言う。操り人形だから黒幕(DS?オバマ?)の言いなりになっているのかも
しれない。

 プーチンはバイデンが無能で失策を繰り返すことを熟知しているから引き下がるはずがない。ロシアの目的はウクライナやジョージア(グルジア)をNATOに参加させないため国境に軍隊を集結させて武力恫喝をする。ウクライナに親ロシアまたは中立政権を作りたい。ハッキリ言えば「アメリカの民主主義侵略」を防ぎたいのである。

「アメリカの民主主義侵略」とはオバマが大統領になって以来、「世界に民主主義を推進する」ことを理由にして世界各地で革命を推進し、親米政権を作ろうとした政策(陰謀)である。チュニジアのチューリップ革命から、リビア、エジプトなどでタリバンに武器を提供して独裁者を倒した挙句、タリバンに提供した武器を取り戻そうとして失敗したベンガジ事件が起きた。そして次の目標だったリビア革命は失敗した。去年のバイデンのアフガン総退却は民主化に失敗した続きであり、ウクライナのNATO加盟も民主主義を理由とした侵略である。民主主義の推進と言いながらバイデンの絶対に失敗を認めない態度は独裁そのものだからアメリカも独裁国と大差はない。

 ウクライナの緊張が高まったと言うけれど、ロシアはウクライナに侵攻するつもりはないと言っている。ロシアと違ってアメリカはウクライナに武器を提供し、ウクライナの米国大使館の撤退を命令した。これはバイデンがアフガン退却の大失敗を繰り返さない為とも言えるが、ウクライナに武器を提供した結果、ウクライナ側がロシア側に発砲したらプーチンにウクライナ侵攻を正当化する口実を与える。誰が戦争を嗾けているのかは歴然としている。しかもアメリカは戦争に介入しないし、できない。

 ロシアがウクライナに侵攻してもアメリカは介入できない。アメリカには戦う意思はないしドイツも戦争に反対である。アメリカがウクライナ戦争に介入すれば戦争が拡大して収拾がつかなくなる。アメリカには他人の国の戦争に介入する正当性がないし、アメリカ国民は戦争に反対である。それなのにバイデンはウクライナに武器弾薬を提供し、大使館員の撤退を命令したのだ。このようなアメリカの挑発的行は絶対に危険である。中国がこの機会を利用して武力で台湾を攻撃する可能性もある。北朝鮮はこの数日で6回もミサイル発射を行った。

 ウクライナ問題が武力衝突となっても大きな戦争にならないし、アメリカに出来ることは経済封鎖だけである。それならウクライナに武器弾薬を提供するのは無駄なことだ。ロシアに対する経済制裁は両刃の剣である。経済制裁がロシアに与える影響は大きいが、同時に欧州や日本も大きな影響を受ける。ドイツは多大にロシアの原油や天然ガスに依頼しているので経済制裁はやりたくない。天然資源制裁の他に、ロシアに対し金融取引停止をすると世界諸国の金融取引が大混乱を起こす。だからアメリカの一存で経済制裁を加えることはできない。つまりロシアに対しては武力戦争も経済戦争も困難なのだ。

 ウクライナ紛争の元はロシアがウクライナのNATO加盟に反対していることである。アメリカ側とロシア側が平和的に交渉して「ウクライナの民主化」を中止すればそれで良いのだ。その上でアメリカはロシアと共同で中国の世界侵略を食い止めるべき、これがアメリカにとって最善の策である。

 アメリカのDeep Stateが推進する政策は大きな間違いを犯し続けてきた。キッシンジャーは中国の民主化に失敗した。イラクの独裁者サダム・フセインを殺したけれどイラクの平和と繁栄はなかった。オバマとヒラリーの民主化陰謀で倒したチュニジア、リビア、エジプトの現状は惨憺たるものだし、アフガンの大失敗に懲りず、ウクライナでロシアを敵に回している。

 アメリカが勝手な民主主義侵略で失敗を繰り返している間に、中国は南シナ海の7つの島を占領して軍事基地化し、台湾征服を主張し、尖閣諸島を狙っている。この他にも膨大な資金と軍事力を使って東南アジアの国々、インドネシア、南米諸国とアフリカ大陸の戦略的資源を買収している。ロシアも中国の覇権拡張に強い警戒心を持っている。中国の覇権拡張はロシアにとって大きな脅威である。

 ロシアと敵対するより中国の覇権拡張を食い止めることが大事である。アメリカがウクライナ問題でロシアを敵に回せばロシアと中国がグルになってアメリカと敵対する。こんなバカな政策は即時中止してロシアと平和友好を取り戻し、ロシアと共に中国覇権を食い止めるべきである。


 
 
【アンディ・チャン(Andy Chang)さんのプロフィール】 1934年生まれ。第2次大戦後に台湾からアメリカに留学し帰化した。現在、カリフォルニア在住。アメリカと台湾の時事ニュース中心に独自の視点で分析してネット配信している。AC通信は週刊のメルマガで、使用言語は日本語。

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