LPGA主催の『LPGA新人戦 加賀電子カップ』(賞金総額600万円、優勝賞金108万円)の大会最終日が12月9日、千葉県長生郡長南町のグレートアイランド倶楽部(6,526ヤード/パー72)で行われた。最終組の優勝争いとなった最終日、強風が吹き荒れる中、首位からスタートした髙橋恵が2バーディー、3ボギーの73で、2位に4打差をつけて通算3アンダーでプロ初優勝を飾った。通算1オーバー、2位タイに小野祐夢と蛭田みな美が入った。前半終了時点で首位に立った川岸史果は、後半に41と崩れ、4位に終わった。(天候:晴れ 気温:17.6℃ 風速:4.8m/s)
「(ウイニングパットだから)マークしたほうがいいよ」と同伴競技者の川岸史果に促され、お先に沈めようとした短いパーパットを、慌ててマークしたのは、6年ぶりの優勝だったからというのはさすがに言い過ぎだろう。しかし久しぶりのトーナメント優勝は、それは髙橋恵にとって、やはり格別のものとなった。「やっと優勝出来た」と、力強いガッツポーズで喜びを表すと、祝福に待ち受けていた仲間たちの出迎えに、こらえきれず涙がこぼれた。
大方の予想通り、最終組の争いとなった最終日。先手を打ったのは2打差で追いかけた川岸だった。9番ではフォローの風も手伝って、ティーショットが300ヤード近く飛ぶなど、その圧倒的な飛距離を武器にスコアを伸ばす。前半2ボギーで回った髙橋を逆転し、後半折り返し時点で首位に立っていたのは川岸だった。しかし髙橋に焦りはなかったという。「まだ後半ある。最後の9ホール楽しもう」と勝負を楽しむ余裕すらあった。勝負の分かれ目は、後半12番ホール。「ティーショットを右にふかしてしまった」と痛恨のOBでダブルボギーを叩いた川岸に対し、「これは絶対に決めなきゃ」と髙橋は3mのバーディーを奪い、再逆転。池が絡む終盤の17番、18番も冷静にパーを重ね、見事に嬉しいプロ初優勝を飾った。
2010年のアマチュア優勝で脚光を浴びた“天才少女”を待っていたのは挫折だった。特にパットに苦しみ、本人曰く「イップスのような状態」に陥った。その状態が一番深刻だったのは、去年のプロテスト受験時で、「バックスイングで手が震える」程に。しかしプロテスト失敗後に「(パットのストロークで)元々フォロースルーよりもバックスイングが大きくて、それでインパクトで調整するようになっていたみたいで、フォロースルーを大きく出すようにしたら、“あれ、手が震えない”と」とイップスを克服。「今は一番入っていた中学生の頃のように打てています」と、今年の飛躍に繋げてみせた。
来年のレギュラーツアー出場権をかけたファイナルQTでは、7位に入り、来年のフル参戦権を獲得。「シードを獲ることははもちろん優勝を目指して、オフに追い込んで行きたい。そして毎年優勝して、いつか賞金女王に、そして世界で戦えるプロになりたい」と目を輝かせた髙橋。1年遠回りをしたルーキーの再出発が、いよいよここからはじまる。
以上、日本女子プロゴルフ協会記事
>しかしプロテスト失敗後に「(パットのストロークで)元々フォロースルーよりもバックスイングが大きくて、それでインパクトで調整するようになっていたみたいで、フォロースルーを大きく出すようにしたら、“あれ、手が震えない”と」とイップスを克服。「今は一番入っていた中学生の頃のように打てています」と、今年の飛躍に繋げてみせた。
パットイップスを克服しての優勝、良かったですね。
来シーズンはフル参戦ということですから、ツアーでも上位で争ってほしいですね。