松山英樹が米ツアー2勝目を飾った2月の「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」。リッキー・ファウラーとの4ホールにわたるプレーオフは「USA!USA!」コールが鳴り響く“完全アウエー”の雰囲気だった。そんな中、松山は勝負に徹しながらも「このまま決着がつかないでほしい、ずっと続いてほしい」という思いに浸っていたという。
松山英樹×石川遼対談 Final Round アメリカと日本・ふたりのこれから
GDOによる石川遼との対談インタビューで明かした感情。この言葉に、ふたりが海を渡った理由が込められている。米ツアーの賞金額はいまや日本ツアーの4倍以上。各大会の優勝賞金は1億円を超える。金額もさることながら、松山にとっては「それ以上に、コースが楽しい。そして、あの選手層の中で勝ちたいって思う」と世界最高レベルで戦うこと自体が刺激的でならない。
石川が「高い賞金がかかる夢のあるスポーツを、夢のある“見せ方”をする。そこにすごくお金をかけている」と言うように、米ツアーはプロモーションに精力を注ぐ。ポイントレース、プレーオフシリーズの創設、下部ツアーとの連携強化といった新しいツアーの見方を提供し、メディア戦略も多様だ。一方で、根底にあるのは“プレーヤーファースト”の精神。「ゴルフのプロ」と、「ツアーを盛り上げるプロのスタッフ」の仕事が分業化されている。
松山は各大会前に行われるプロアマ戦に関しても、米国と日本との違いを指摘する。「日本ツアーではプロアマ戦を欠場したり棄権したりすると、本戦には出られない。体調が悪かったり、ケガをしたりしても…。でもPGAツアーは理由が正当なら、途中でやめても(本戦が)欠場になることはない。試合に集中できる」。「選手は試合(本戦)で魅せることを大切にしたい」という。
10月の「日本オープン」では、4日間で大会史上2番目の4万5257人が来場した。「英樹が日本オープンに出てくれて、あれだけの人が集まった」と石川。
「海外で活躍する選手が日本に帰って試合に出れば、盛り上がることはみんなが分かった」と、日本ツアー再興のカギのひとつは、選手のレベルアップとツアーによる積極的な海外行きの支援にあるという。「自分を含めて、(日本の)選手は技術のレベルを上げる必要があるし、レベルが上がった選手はアメリカでといった具合に、選手がどんどん海外に行ける環境になれば好循環になるのでは」
対談を行った後の12月16日、JGTOは欧米ツアーに進出した日本ツアーメンバーに課していた年間5試合の出場義務を2017年に撤廃することを発表した。15年に日本ツアーのメンバー登録を放棄した松山がかねて疑問を呈してきた規定だった。母国ツアーとゴルフ界への深い愛情を育みながら、ふたりは2017年も、それぞれの目標に向かってまい進する。(編集部・桂川洋一)
以上、GDOニュース
日本ツアーは、海外で活躍する選手を応援するルールづくりをすることで世界的な選手を生み出すことができると思う。
日本ツアーの機構は、大きな改善すべき岐路にきているのだろう。東京五輪も視野にいれると今、チェンジすべきだ。