わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

『ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』

2009年06月12日 11時17分02秒 | 美術散歩

東京国立西洋美術館での『ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』もいよいよ今週の14日(日)で終了となるが、見逃した方ご安心下さい。
6月30日(火)~9月27日(日)の日程で、
京都市美術館http://www.ytv.co.jp/event/louvre/index.htmlで開催されます。
作品解説は以下を参照下さい。
http://www.ytv.co.jp/event/louvre/exhibition/description.html


かく言う私は東京で既に3回観てきました。
土曜日にも行く予定にしておりますが、相当の混雑は覚悟の上です。

ところでこの展覧会、実は40数年前にも開催されているのです。
『フランスを中心とする17世紀ヨーロッパ絵画展』です。
今回の展示作品のうちの多くが当時も出品されていました。
前回出品作品の中では、ニコラ・プッサン(当時は、プーサンと表示されていました)の作品が多数出品されておりました。
あの有名な、『アルカディアの牧人』が当時の目玉だったような気がします。
 

前回と今回とも出品されている主なものをあげれば、
クロード・ロランの『クリセイスを父親に返すオデュセウスのいる港の風景』、
 

ジョルジュ・ラトゥールの『大工の聖ヨセフ』などなど多数である。
 

40数年前に観た時は、多感な青春時代であったが、
年月を経た今日再会できたことは、感無量である。

作品について少し触れておこう。
ニコラ・プッサンとクロード・ロランはフランス古典主義の画家である。
画風はルネッサンス以降のイタリア絵画のようであるが、さも有りなん。
当時のフランスは、イタリアほど絵画芸術は洗練されておらず、彼らはフランス人でありながら、活動の拠点はフランスではなく、イタリアであった。

ニコラ・プッサンはギリシャ神話や古代ギリシャを主題にした作品が多い。
今回の出品は旧約聖書に主題を取ったものである。
《川から救われるモーゼ》
 

 

クロ-ド・ロランは風景画家としても有名である。
こちらも同じく《川から救われるモーゼ》
 

当時のイギリス貴族の子弟はイタリアが留学ブームであり、
そのイタリアの風景を描いたクロ-ド・ロランの作品に人気があったようである。
彼は今回の出品作品以外にも古代をモチーフにした作品を描いている。
『タルソスに上陸するクレオパトラ』などなどである。
 

 

ジョルジュ・ラトゥールは光の魔術師とも呼ばれている。
イタリアのカラバッジョは絵画に『光』を取り入れて、劇的な効果を出した。
《聖マタイの召命》  (今回の展示はありません)
 

その『光』の効果をラトゥールはファンタジックに仕上げている。
今回の出品以外にも、『蝋燭の前のマグダラのマリア』などがある。
 

 

そのほかの作者では、フェルメールの『レースを編む女』が出品されているが、
 

40数年前のときは、日本ではそれ程フェルメールに脚光が当たっておらず、
そのためか出品が無かった。

とにかくこれだけ沢山の『ルーブルの珠玉』は必見です。