陶磁器は九谷や伊万里など華やかなものも好いが、
青磁・白磁もなかなかに趣が深い。
特に青磁は大好きで、時として買い求めることがある。
かれこれ30数年前に買った美濃焼の青磁の徳利と杯。
今でも気に入って使っている。確か、加藤何がしという方の作。
貫入が綺麗に入っている湯のみ茶碗も使っていたが、
残念ながら洗う時に端が少し欠けてしまった。
そんな私が見逃すはずもない「南宋の青磁」展、
根津美術館で開催中です(~11月14日)
この南宋青磁は龍泉窯で焼かれたもの。
その抜けるように澄んだ青い釉薬の見事さで、「宙をうつすうつわ」と賛辞されている。
展示品には国宝も含まれており、「青磁鳳凰耳瓶 銘萬聲」、
重要文化財「青磁輪花碗 銘馬蝗絆」など多数あり、感激です。
「青磁輪花碗 銘馬蝗絆」は室町幕府の足利義政が愛用していたが、
破損してしまい明(当時の中国)に同様の茶碗の製作を依頼したが、南宋から時代も下がり、
もはや青磁の製作技術はなく、破片を繋ぎ合わせ戻して寄こしたという茶碗である。
修理の際に使用した部材が、蝗(いなご)のように見えることから、この名が付いたと言う事である。
実際の展示では、その箇所が見えにくいので、鏡など置いて欲しかったですね。
根津美術館 URL
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html