【印象派の陰で:サロン絵画を見直す】
講師:千足伸行 成城大学名誉教授
表題はこのようですが、当時の状況からは
「サロン絵画の陰に印象派の絵画があった」と言うのが実態のようです。
サロン絵画はルネッサンスやバロックと手本としたので、
物の形やとりわけ人体を正確に描きました。
その為ギリシャ彫刻などのデッサン、人体のデッサンが重視されました。
当時のサロン画家はブルジョアなどの富裕層を顧客に持っていたので、
画家自身も豪邸に住まうなど裕福な生活を送っていたようです。
それに引き換え、印象派の画家は結構生活に窮していて、
晩年になってやっと経済的にゆとりができたようです。
印象派の絵画は光や色彩を重視するため、
人の顔なども、クロード・モネに見るようにはっきりと判別しないもの。
サロン派の画家からすれば印象派の絵画は「未完成・手抜き」と非難されていました。
サロン派の絵画が注文が多かったのは、
ギリシャ神話などに主題を取った作品。
つまり、ヴィーナスなどの女性の裸体が描かれたもの。
それもかなりエロチシズムを感じさせるもの。
それは客である「男性」の希望に沿うためのものだったようです。
ちなみに当時人気のあった巨匠としては、ジャン=レオン・ジェローム、アレクサンドル・カパネル、
フランソワ・ジェラールなどです。