今回は海老蔵親子の競演でも話題になっていますが、それよりも、歌舞伎、能狂言、オペラなどとのコラボ、構成が面白い。
物語の内容は日本人なら誰でも知っているもの。
今回の舞台では、光源氏の心を覆う闇の部分と、「光の君」としての輝かしい部分をテーマとし、紫式部が描きたかったことを表現しています。
その象徴として、オペラ歌手二人がそれぞれ白い装束、黒い装束で光源氏の心を歌い上げる。
能狂言方では、須磨に配流された光源氏を救う龍神に観世喜正を配するなど豪華なキャスト。
さらには、能舞台で登場する「合狂言」が舞台のナレーターよろしく舞台を進行させていく。
さらに舞台では、華道家元池坊による生け花ライブなどが見所の一つ。
さらに本公演の最大の見どころは、海老蔵が龍王になり、宙乗りで舞台の袖から3階の揚幕(?)に入るシーン。本来歌舞伎座では拍手はしないものではありますが、客席一同手拍子で盛り上がりました。
さらにびっくりしたのは、歌舞伎公演では有り得ないカーテンコールがあったこと。
しかも2度にわたって。まさにレビューを思わせる幕切れでで客席会場は大いに盛り上がった舞台でした。
ちょっと気になったのは海老蔵の声がいつもと違って聞こえたこと。マイクを使っていたのか、風邪でも引いたのか。とにかく疲れを残さず無事千穐楽を迎えて下さい。