阿部ブログ

日々思うこと

ストリームコンピューティング と サイバーフィジカルデータ

2012年02月20日 | 日記

RFIDやスマートメータなどに代表される多様なセンサから生成される大量の時系列データ、即ちストリームデータを扱うデータベースシステムは、主としてスタンフォード大学などでの成果が公開されており、それ以後、主要データベース製品への取り込みや独立ベンダーから製品として市場に出ている。

特にIBM プロジェクトSとして社をあげてストリームコンピューティング技術の製品化に向けて努力を続け製品として出荷されている。
参考まで、プロジェクトRは、リレーショナルデータベースの開発プロジェクト名で今のDB2につながった。
私見だが、コッド博士のリレーショナルデータベース理論は「ゴミ」だ。このゴミが現在の情報システム諸悪の根源の一部をなす。
我々は、「ゴミ」のコッド理論を捨てて、東京大学の國井名誉教授の「セル理論」に真摯に学ぶべき。

さて、連続数値ストリームを扱うハードウェアの開発や、ストリームで扱うデータとしてセンサ出力などの単純な観測数値を扱う場合、若しくは監視イベントなどのデータベースレコードを活用した実際の社会適用が確実に広がりつつある。

これら膨大なデータを生み出すセンサに関する技術については、従来から日本の強い領域でもあり、様々なセンサデータ処理の事例や現実の観測データストリームを公開利用するなどして、ストリームデータへの高価値データマイニングを積極的に促進すべき段階に入っており、日立製作所ではこれに対応するデータベース技術を新たに開発実装している。

昨年以降、これらセンサストリームからのデータマイニング技術分野では、大量ストリームからの相関度の高速近似計算技法やセンサデータ特有の不確定性を考慮したデータ処理技術など、直接的な実用性を意図した研究が増えている。

ストリ-ムコンピューティングと関連する重要な技術がサイバーフィジカルシステム。

このサイバーフィジカルシステムと言う名称は米国NSFにより2006年に提唱されているもので、その正確な定義は成されていないものの、概要としては、サーバ空間のITと実世界をより有機的に連携、融合させる次世代ITを指すものと表現される。

実世界とは具体的には実世界に広く展開される前述のセンサや組込み機器を指すが、現実的には互いに有機的に結合されていない。例えば、我が国においては、ITSが長らく検討されているものの、シンガポールでは、既に道路課金を時間毎に変動させる先駆的取り組みが実施されている。

このようなITSに表象されるようにまだまだリアルタイム制御までには至っておらず、更なる発展展開が期待されている。特にスマートシティ構想などに示される通り道路、鉄道、航空機、海運、物流、電力・ガス、水、医療、農業、金融など有りとあらゆる分野への適応が模索され期待されている。

サイバーフィジカルデータサービスは、NSFにおいてはクロスカッティング領域として位置づけられており、特定の技術を深堀する施策ではなく多様な技術開発とその融合を目標としている。

リアルタイムストリームデータベース、ストリームマイニング、サービス融合・連携、サービスモデルとその記述、組み込みシステムをグローバルに有機的に連携可能とするミドルウエア等多くの研究開発の実装が推進されている。