Finaleというソフトで、シンガーソングライターの岡村孝子さんの
「輝き」という曲を入力していました。
ピアノ用にアレンジされた物です。
この曲はいわゆるJ-POPの典型的な作り方がされています。
写真を見て下さい。
まず、最初から51小節までは普通に演奏します。
そして51小節まで演奏したら、1回目は1カッコ内を演奏します。
リピート記号がありますから、反対のリピート記号まで戻ります。
曲の1番が終わって2番に入るわけです。
そして2回目は51小節まできたら今度は2カッコ内から以降を演奏します。
変化をつけないと曲が先に進まないからです。
見えませんが64小節にはダル・セーニョ記号があります。
そこまで演奏したら、セーニョ記号まで戻ります。
2番が終わったあと、サビだけ繰り返す曲、聴いたことありませんか?
あれです。
しかしこれでは繰り返しの連続、エンドレスですよね。
そこでTo.Codaという文字が見えますよね。
セーニョ記号で繰り返した後、To.Coda後は昔の日立のマークの様な
記号の所に飛びます。(写真の右の方)
Codaですから曲が終わりに向かっていきます。
「なんで、こんなに面倒くさくしたの?」
「初めから終わりまで、演奏通り全部書けばいいじゃん」
そうすると、演奏者は1曲の間に何回も楽譜をめくらなければなりません。
楽譜として出版したときも枚数が多くなり高くなります。
ですからこういう約束事を作ったんですね。
51小節のEとGは52小節の1カッコの頭とタイで繋がっていますので、52小節の
頭の音はありません。
51小節の最後の音符を繋がった長さだけ伸ばします。
同じ事が54小節の2カッコ、コーダにも言えます。
しかし、これが音を出しちゃうのよ。
グラフィック的にはタイ「のようなもの」をつけたので、人間が演奏する場合には
何の問題もないのだが、演奏させてみると、うまくいかない。
どうしたものか。
楽譜としてはこれでいいのだが、なんか面白くない。
「困ったときはググれ~」
はいはい、やりましたよ。
そしたら、いましたいました、多量に同じ悩みを抱えている人が・・・
そこで、変わった方法が紹介されていました。
それはまず、高速ステップ入力から適当なメニューをクリックします。
処理をせずにキャンセルをクリックすると、ツールバーに高速ステップ入力が表示されたままになります。
該当小節をAlt+クリックすると選択状態になります。(MacはOption+)
ここでShift+Tを押すと、前の小節からのタイが表示されます。
実際に演奏させてみたら、これでうまくいきました。
同じ悩みを抱えている人、試してください。
なお、このソフトの名誉のために言っておきますが、あくまでもこのソフトは
「楽譜を印刷するソフト」なのです。
ですから実際にソフトシンセで演奏させると変になってしまう状態でも、プリントした
楽譜が人間が見て正常なら、それでいいわけです。
その点に関しては問題ありません。
おまけ
元々このソフトはバグが多いことで有名でした。
まだ、不満な点はいくつかあります。
有名な所では、日本語版なのにタイトルや歌詞に日本語があると文字化けすること。
ソフトのコア部分が1バイト文字前提で作られているためらしい。
だいぶ良くなりましたが、まだダイアログボックスなどでたまに発生します。
日本の代理店、文句言えよ!と言いたいところだが、このソフトの日本語版
シェアは10%くらいらしい。
だから言っても本部はなかなか腰を上げないみたいよ。
なお、音楽記号は文字化けする可能性が高いので、今回ブログにアップする際、
あえて使用しませんでした。ご了承ください。
おまけ2
大昔、まだパソコンが8ビットの時代、サウンドジェネレーターで曲を作ると、
同じ音程の音符が続くと、全部つながってしまいました。
人間は同じ音でも無意識に間に僅かな無音時間を作りますが、機械は単純に1小節の演奏時間から
割り算で音を出す時間を計算していたためです。
間に32分休符とか入れて、なんとかそれらしく聞こえるようにするため、
大変苦労したことを思い出しました。