「即位礼正殿の儀」が去る二十二日に挙行されましたが、誰もが感動したのは、あの日は朝から雨が続いていたにもかかわらず、天皇陛下が即位を内外に宣明されたときには、一転して青空となり、虹までかかったことです。
日本天台の祖である伝教大師最澄は、桓武天皇によって見出されました。比叡山を開創し唐に渡ることができたのも、南都六宗と天台宗が平等に年度の得度者の数が割り当てられることになったのも、桓武天皇のおかげなのです。
皇室が菊の御紋であるのは、比叡山の坊さんが比叡山菊十六花弁をお見舞いに持っていったのを、闘病中の桓武天皇が喜ばれたからといわれます。日本天台の宗章では菊十六花弁の真ん中に三つの星があります。天台の「台」は「星」ということで、「天空には天帝を補佐する三台がある」(「天台青年連盟」の「天台宗の名前の由来」より)ということです。
政治に口出しをする南都六宗を遠ざけた桓武天皇は、純粋に鎮護国家のために祈りを捧げる伝教大師最澄への支援を惜しまなかったのです。そのときから日本天台と皇室との深い結びつきが生まれたのです。
今回の御即位受けて比叡山では十一月五日、森川宏映天台座主猊下を大導師に延暦寺大講堂で「天皇陛下御即位奉祝法要」を執り行います。
合掌
菊十六花弁の真ん中に三つの星がある日本天台の宗章が入った輪袈裟