はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

遠征記追記。

2007-11-10 21:33:27 | お知らせ
11月4日の遠征記を大幅に加筆しました。
興味のある向きはご笑覧ください。


東京&横浜遠征11/4。(「馬と現代美術」「第19回『えんたに』グループ展」「シュルレアリスムと美術

2007-11-07 01:34:56 | アートなど
一昨日11月4日(日)は、東京と横浜で6つの展覧会と2つのイベントへ行って参りました。
書くことが多すぎて遅くなりそうなのでとりあえず観たものリストだけ。

目黒区美術館で開催中の企画展「馬と現代美術」。

・目黒区美術館となりの区民ギャラリーで開催されていた「第19回『えんたに』グループ展」。

・横浜美術館で開催中の企画展「シュルレアリスムと美術 - イメージとリアリティーをめぐって -」。

横浜美術館コレクション展 第2期

・横浜美術館内で開催中の「浅井祐介展『根っこのカクレンボ』」。

・横浜美術館アートギャラリーで開催中の「横浜美術館ボランティアが出会った『若きアーティスト』展」と題した、松宮硝子、日根野裕美、冨谷悦子3氏の合同展。

・横浜美術館 円形フォーラムで開催された、東京芸大大学院メディア映像専攻佐藤研+桐山研の「『表現実験ワークショップ』公開プレゼンテーション 『現代的シュルレアリスムとは?』

・新宿ルミネ・the・よしもと で開催された「バカロボ2007


おそろしく濃い一日でした。
詳細はのちほど。

以下、11月10日追記。

まずは、目黒区美術館で開催中の企画展「馬と現代美術」。
いつも良質の渋い企画展を開催してくれる目黒区美術館。今回は馬がテーマ。
案外ありそうでないテーマです。馬好きとしては見逃すわけにはゆきません。
加えて、ぐるっとパスで入場無料なので、これは是非にと足を運びました。

その昔、目黒には競馬場があったのだそうで、その縁に着目した目黒競馬場開設100周年記念としての企画展だったようです。
競馬にまつわる資料の展示にはじまり、競走馬たちの姿を記録した彫刻作品コーナー、馬が登場する日本近世絵画や馬を主題に据えた日本の近代絵画、馬を描いた海外有名画家の作品、などが展示されていました。
作品数は少な目でしょうか。
内容的には、馬好きとしては少し不満の残る展示でした。
あくまで競走馬の話題を中心に据えたため、近代化に伴う軍備増強の一環としての馬匹育成ばかりがクローズアップされ、「馬=サラブレッド」というステレオタイプなイメージを脱却できない内容に始終していたのが残念でした。
個人的には、昔からあった農耕馬・使役馬と人々のかかわりにももっと踏み込んで欲しかったです。馬にも多種多様な品種があることや、サラブレッドなどの軽種馬とはまったく異なる重種馬という存在があることくらいは紹介して欲しかったなと思います。そして、かつて日本には多くの在来種があったことや、国産馬の能力アップの名の下に在来種が繁殖禁止の憂き目にあって淘汰されてしまった負の歴史など、馬と日本人についてももっと多角的な視点でまとめてもらえればよかったのにと思えてなりません。
明治期に、軍馬にするための基準をクリアできる馬がいなかったので基準を体高133cmに下げた、というエピソードを紹介したキャプションがあったのですが、『ヨーロッパの基準では156cmであったことを考えると~云々』と、単に体格が小さいから『昔の馬は劣っていた』と評するかのような論調にすっかりがっかりしてしまいました。ペルシュロンやホルスタイナーやハノーヴァーなど、歴史的に大きな品種を育種してきた欧州と比較したところで何の参考にもなりません。競走馬だけが馬ではないし、馬はサラブレッドだけではありません。乗用馬ならむしろサラブレッドではないほうが適している場合も多いのです。
馬の博物館などから借用した資料も多数あっただけに、踏み込みの甘さが惜しまれてなりません。

ちなみに今回のマイベストは、エントランス付近にあった平山隆也氏の「何だお前はと嘶く」という立体作品。
くさりかたびらのように金属を繋いで造形した馬のオブジェです。
前脚を振り上げ後肢で立ち上がった馬が、柱の上に据えられた小さく奇妙な馬に向かって嘶いている様子が描かれています。
この、柱の上の小さな馬がものすごく気になる造形なのです。
体幹と四肢の比率と、首から上の比率が激しく異なっていて、頭部だけが異様に大きいのですが、何故か奇妙にしっくりきている。目を奪われました。ある意味、一生忘れられない作品のような気がします。

今回の企画展は手放しにおすすめとは言えませんが、ぐるっとパスをお持ちの方ならとりあえず行って損はないと思います。もれなく図録を兼ねたパンフレットがもらえるのは嬉しいポイント。
馬好きというだけで行くとかえってがっかりするかもしれませんのでご注意を。
なお、企画展ポスターが無料で配られていましたので、興味のある向きはどうぞお早めに。
11月25日まで。

さて次に、目黒区美術館となりの区民ギャラリーで開催されていた「第19回『えんたに』グループ展」。
こちらは目黒区美術館でたまたま案内をみかけて何となく足を運びました。
「えんたに」とは北京の美術大学で出会ったアーティストたちを中心としたグループなのだそうで、なるほど、メンバーの国籍も作風も多種多様。
工芸的な立体作品から版画、ドローイング、ペイント、インスタレーションまで、10名の手による実に多彩な作品が揃っていました。
作者に直接話をうかがうこともでき、なかなか興味深い展示だったと思います。
朽ちた板に有機的な紋様を描き小さな祠とともに配したインスタレーション(佐々木誠氏)、目の粗い巨大な布に施した山水画を思わせるモノクロ版画(ヤレンソワ・シェライク氏)、放射状に展開する木製折りたたみ椅子(作者失念)、羊歯の葉を描いた紙の正多面体(宮岡眞紀氏)、などの作品が気になりました。
こちらは11月4日で終了。


次に、横浜美術館で開催中の企画展「シュルレアリスムと美術 - イメージとリアリティーをめぐって -」。
20世紀初頭に始まった芸術運動シュルレアリスムに着目し、作品の背景や手法を鍵に分類展示していった大規模な企画展です。
エルンスト、デルヴォー、ダリ、クレー、ミロ、マグリット、マッソン、マン・レイ、などの作品がずらり。マグリット展など個人作家に着目した展示は比較的よくみかけますが、シュルレアリスムそのものをテーマにした企画展は珍しいような気がします。なかなかに気合いの入った内容。作品数も多く驚かされました。
しかしながら、こうして系統立てて総覧しても、いまひとつ「シュルレアリスム」というものが何なのかがとらえどころなく感じられ、どうにも釈然としないでいたところ、後述のワークショップ発表会で佐藤雅彦氏の再定義を聞いて長年のモヤモヤがすっきり氷解。同時に、なぜ当時のシュルレアリスムが科学を取り込まなかったのかという新たな疑問を感じ、いろいろと考えさせられました。


次に、横浜美術館コレクション展 第2期
企画展チケットで観られるというので巡ってみましたが、これが、すごい充実ぶり。
「近代の絵画と彫刻」「日本画に見る動物表現」「『わたし』との対峙 - 展開するセルフ・イメージ」「ミロとデルヴォーの版画」「長谷川潔:模写から創造へ」「シュルレアリスムと写真」と、計6つのテーマが展開しています。
企画展とのリンクもあり、シュルレアリスムについてより理解が深まるよう配慮されているのに感心しました。殊に「シュルレアリスムと写真」ではマン・レイによるシュルレアリスム作家のポートレートや、マグリットの撮影した写真などがあって個人的にとても興味を引かれました。
「『わたし』との対峙 - 展開するセルフ・イメージ」では、森村泰昌氏の「神とのたわむれ」シリーズが巨大な壁一面に配置されていて圧巻。石原友明氏のカンバスを使った立体作品(?)も強烈な存在感を放っていて印象的でした。
「日本画に見る動物表現」は、動物好きには純粋に楽しい展示。とりわけ、2頭の猿が鞠を運んでいるさまを描いた今村紫紅の「鞠聖図」が微笑ましくて個人的に大好きです。それと、鳥の形の陶器彩色作品、宮川香山の「古清水写鳧掛額」が陶器ながら鴨の羽ばたきを精緻に再現していて驚きました。
もしも企画展のチケットを買ったなら、こちらのコレクション展もぜひご覧になったほうが良いかと。おすすめです。
企画展と併せて12月9日まで。興味のある向きはお早めに。

この他、横浜美術館内では2つの企画展が開催中でした。
ひとつは館内全体を使った「浅井祐介展『根っこのカクレンボ』」。もうひとつはアートギャラリーが会場の「横浜美術館ボランティアが出会った『若きアーティスト』展」と題した、松宮硝子、日根野裕美、冨谷悦子3氏の合同展。
いずれも入場無料です。
浅井祐介氏は、マスキングテープを貼ってその上から絵を描くことで、どこにでも巨大植物や動物を出現させてしまうアーティスト。今回は言わば浅井祐介氏による『横浜美術館ジャック』とでもいうべき展示です。エントランスやカフェ、通路、トイレ、ありとあらゆる場所に浅井氏の植物が繁茂して場を彩ります。氏の作品は取手アートプロジェクト2006の記録書籍でちらっと拝見したことがあるだけだったのですが、入館して一目でそれとわかりました。いっけん単純ともいえる手法ですが、見る者への訴求力としてはとても大きな強度を持った作品だと思えます。作品を探してあちこち歩いてみたくなること請け合い。ところが、エントランス奥の通路をうろうろしていたら館の職員に『何かお探しですか?』といかにも不審そうに問いただされてしまったのが残念。せっかく作品が『かくれんぼ』的に分散しているのですから、鑑賞者にもっと自由を与えて欲しいものです。
こちらは12月25日まで。

「若きアーティスト展」は、それぞれ確固たる作品世界を持った作風の3氏による展示。
透明感ある少女たちを日本画で描いた日根野裕美氏、有象無象の動物たちを細密かつ高密度のモノクロ版画で表現した冨谷悦子氏、架空の生物Duqulamerを破砕したガラスによって再現した松宮硝子氏。三者三様。たいへんに個性的です。
私が特に惹かれたのが、松宮氏のガラスの生物シリーズ。とにかく繊細かつ驚異的な造形なのです。鋭利なガラス片が外向きに継ぎ合わされた、まるで巨大なウニやハリネズミのような本体から触覚のように細いガラス線が伸びていて、その先端にはこれまた鋭利なトゲのぼんぼりがついています。その体長、60~100cm程度。ナイフのように突き出たガラス片の密生するボディは触ったら血だらけ間違い無しです。
作者の提示する世界の中では、このDuqulamerをはじめとする生物がガラスの粉から成る土壌に生息し、特異な生態系の中で死滅と再生を繰り返すのだそうです。いわば、ケイ素を構成主体とした生態系といったところでしょうか。自然界には珪藻など実際にシリカ主体の生物も存在しますので、もしもこの地球とは別の進化を辿った生物がいたとしたらあながち無い話ではないなあ、と妙に感心してしまいました。どこか別世界の光景を提示しているかのような空気と、儚げであると同時に攻撃的かつ繊細な造形そのものの力にも目を奪われました。
博物誌的な作品世界の成長と進化を今後も期待したいところです。
こちらは12月2日まで。ガラス好きや不思議なモノ好きにはおすすめですので、興味のある方はお早めに。
ところで、この展示、ボランティアスタッフの方が解説してくださるのは良いのですが、松宮氏の作品世界をどこか嘲笑的に語る姿が気になりました。いくら奇妙な世界でも作品世界は作家にとって真面目なかけがえのない『世界』です。スタッフさんが『変だと思われたくない』と妙な気を回す必要などどこにもありません。社会常識的な視点で作品の価値を貶めないで欲しいと切に思いました。


次に、横浜美術館 円形フォーラムで16時半から開催された、東京芸大大学院映像研究科メディア映像専攻佐藤研+桐山研の「『表現実験ワークショップ』公開プレゼンテーション 『現代的シュルレアリスムとは?』」。
横浜美術館の企画展とタイアップする形で催された、横浜美術館と東京芸大大学院映像研究科との連携事業。
横浜美術館の学芸員中村氏が芸大メディア映像専攻教授の佐藤氏へ話をもちかけて実現した催しとのこと。
東京芸大の大学院には映像研究科という学科があり、この学科は横浜に校舎を構えています。
そして映像研究科の中には2つの専攻があって、それぞれ独立のカリキュラムと校舎を有しています。
ひとつは馬車道地区にある映画専攻、もうひとつが新港地区にあるメディア映像専攻です。
今回のイベントは、後者のメディア映像専攻によるもの。
専攻内に4つある研究室(藤幡研、佐藤研、桂研、桐山研)のうち、佐藤研と桐山研に所属する1年生が中心になって一般参加者を交えたワークショップを行い、その成果を発表したのが今回のイベントです。

横浜美術館学芸員中村氏からの趣旨説明と桐山孝司氏の挨拶の後、佐藤雅彦氏が「シュルレアリスム」という概念の解説(ある意味再定義)を行い、そのうえで「現代的シュルレアリスム」となりうる手法として4つの表現実験テーマを提示。その後、テーマを担当した学生さんが進行役となってそれぞれの実験結果をプレゼンテーションする、といった内容でした。

以下、簡単な概要と感想。

○中村氏の趣旨説明
・シュルレアリスムは言葉で説明し難い。現実体験に根差すものだから。
・現実に生じた裂け目から兆す強烈な光のようなものがシュルレアリスム。→現実観をゆさぶる。
・体験を再現する装置=シュルレアリスム作品
・3ヶ月前に東京芸大メディア映像専攻へシュルレアリスム展に関連した企画ができないかと相談してみたところ、快く同意してもらえて今回のイベントが実現した。


○佐藤氏によるプレゼンテーション「現代的シュルレアリスムとは」
・現代的シュルレアリスムについて表現実験ワークショップを行った。
・その成果発表の前に、まず、「現代的シュルレアリスム」というのが何なのかを解説する。
・その前にそもそも「シュルレアリスム」とは?
・シュルレアリスムを語義分解すると、
  ←シュルレアル
    ←シュル      +レアル
    =超(強い、過剰な)+現実
 つまり、強烈な現実、という意味。
 *一般俗語としての「シュール」とはまったく別の意味。
・では、「超現実」とは何か?
 →慣れすぎている日常に突如現れる強い現実
 *決して幻想といった類いのものではない。
  あくまで現実の延長線上にあるもの。
 キーワード
   現実に内在しているもの
   現実と連続しているもの
   過剰な現実
   主観的ではなく客観的
   シュールという言葉とはまったく違う
・佐藤氏なりのシュルレアリスムの定義
「日常生活や社会に対してあまりに慣れてしまい、知らないうちにだれてしまった我々。その我々が見えなくなってしまっている「真のリアル」を見ること。そして、そのための強い現実・過剰な現実をテーマとした表現活動」
・そのための手法として
  フロッタージュ(こすり出し)
  コラージュ(貼り合わせ)
  デカルコマニー(絵の具の混ぜ合わせ)
  自動記述
 などが編み出された。
・どの手法もオートマティスムという考え方に則っている。
・しかしながら、これら既存の手法はすでに我々の枠の中に入ってしまっている。
 →そこで、では「現代的シュルレアリスム」とは?
・現代の科学技術により露見する新しい表現が、現代のシュルレアリスムたりえるのでは?
・そういった仮定のもと、次の4つのテーマ表現を考えて実践した。
A 現代的フロッタージュ
B 街のオートマティスム・webのオートマティスム
C 時差のある顔
D パラレルリアリティ

佐藤氏によるシュルレアリスムの再定義は非常に端的で明快。いろいろ腑に落ちました。納得。


○学生さんたちによるプレゼンテーション
A 現代的フロッタージュ(北村氏、竹川氏)
 ・感熱紙とドライヤーによる「サーモタージュ」
   物体の上に感熱紙を置き、その上からドライヤーで熱風を吹き付けることにより、物体のテクスチャ(質感)を平面上に転写する手法。
   金属製ボールチェーンを対象にした実演(金属部分はそこだけ熱が逃げるので、チェーンの形が白く浮かび上がる!)の後、野外で石畳や石碑をサーモタージュした実例を動画と実物で提示。驚くほど忠実にテクスチャが写し取られているのがわかる。

これはつまり、下にある物体の吸熱率の違いによって感熱紙表面の温度上昇速度に差が生じ、その差が黒化という視覚的変化として検出されるシステムだと思われます。こんな形で物性を視覚化できるとは思いもよらなかったので驚きました。テクスチャだけでなく、見た目が同じなのに吸熱率が違う素材を「透視」的に写し取ることもできそうです。拓本にも応用できそうな気がします。

 ・レーザーポインタと長時間露光による「レーザーフロッタージュ」
   暗い中にある物体をレーザーポインタでランダムに照らし、その様子を長時間露光することで物体の形を写し取る手法。
   傘や椅子などの身近な物体からジャングルジムなどの野外の遊具まで、いろいろな例を画像で紹介。闇の中に物体が光のオブジェとして浮かび上がるさまは非常に美しく驚異的。

これは、いわばスキャン技術を身近な形に落し込んでやった検出システムだと思われます。走査電顕と同じ理屈をこうして身体スケールと同等のレベルで目の当たりにするなんて思いもよらなかったので、とても感動しました。
レーザー光を固定して物体が移動した軌跡をとらえても面白そうです。

 ・枠取りゲージによる立体的フロッタージュ
   モノの断面を型取りするための道具(櫛の歯のように金属棒が密に並んでいて、一本一本の歯が上下に動くので、モノに当てると接した形のとおりに歯が押し上げられて、下にあるモノの形がそのとおりに浮き出てくる。工学分野で使われる枠取りゲージ。)を様々な立体に使うことで、普段意識しない物体の断面を提示する手法。
   電話の受話器やコップの中の氷など、いろいろな例を実演と画像で紹介。


B 街のオートマティスム・ウェブのオートマティスム(勝目氏、村上氏)
 ・街のオートマティスム
   都市を素材にする理由→オートマティスムはパリで始まった。都市という場が重要。絶えずめまぐるしく変化しており一定しない。オートマティスムという概念とよく馴染む。

  横浜の町並みを実際に歩き、その中で集めた映像素材からオートマティスムを試みた。
  今回は街の広告に焦点をあて、そこから文章を創出してみた。
  例)カニの息切れ 心の 5号機
   街の映像に重なって上記フレーズが画面上に配置されている。街の映像がスクロールするとともに、フレーズの元となった広告と文字がぴったり重なってそこへ置き去られてゆく。

 偶然からの演繹的作詞を帰納的に示したシステムのように思えます。言葉を紡いだ過程の逆を映像で示されることで構築と解体を同時に体験できる。フォントの持つトーンもあいまって、妙なおかしみが付与されていて笑いを誘います。親しみを感じやすい表現手法だと思いました。

 ・webのオートマティスム
   入力した単語を含むテキストをgoogle検索し、それらの結果から文節を抜き出してランダムにつなげるシステム。
   あくまでひとつの単語をめぐる文であるのでそれなりに意味が通りながらも、叙述文と解説文と日記文等のスタイルがランダムに混ざり合うことで、思いもよらない文章が出現する。

 このシステムサイトにアクセスすることで誰でもweb自動記述を体験することができるのだそうです。ぜひ試してみたいのですが、URLをメモしきれず。残念。


C 時差のある顔(許田氏、田島氏、藤田氏)
 映像とプログラミングによって、次元を増やす表現として考えられたもの。同じ映像内に多数の時間軸を混在させる表現。
 動画をコマレイヤーとして積層し、局所的にコマを透明化することで異なった時間のレイヤーが画面上に同居する。
 透明化の操作が制作者の制御を越えたランダム要素を含むので、意図しなかった映像が出来上がる。

 時空の歪みや重力場のフィルタを通して光景を見たらこんな具合になるのかもしれない、と思わせるような映像でした。クロノス・プロジェクターにリニアな時間軸とランダム性を付与したようなシステムだと思えました。作者の意図を越えた映像が現れるのが一番おもしろい点のように感じます。そういう意味ではよりシュルレアリスム性の強い表現なのかもしれないと思えました。多重レイヤーの操作を「掘る」と形容していたのが印象的。自分でも実際にやってみたいなと思いました。


D パラレルリアリティ(加藤氏、細川氏)
 パラレルリアリティを表現したパフォーマンス。
 カンバスにドローイングする様子をビデオカメラで撮影しながら、それをリアルタイムでプロジェクタ投影している。青いクレヨンで描いてゆくと、ブルーにペイントされた画面の向こうに別世界が見えてくる。手に色を塗ると、そこにも別の映像が透けて見えてくる。

 いわゆるブルースクリーン技術を応用し、一定の色の上に別画像を重ねているのだという理屈は理解できるのですが、このようにして提示されるとかなりショッキング。とても印象的なパフォーマンスです。クレヨンでカンバスに書き付けるときのガリガリいう音も手伝って、『カンバスを削り取って異世界への穴を空けている』というシチュエーションも付与されているように感じられました。


最後に質疑応答(主に技術的なことなので割愛)の後、佐藤氏からアナウンス。
・横浜にも芸大があるということを知って欲しかった。
・メディア映像専攻に興味のある方はぜひ受験してみてください。
・3ヶ月間で考えてきたテーマについて、午前中からワークショップを行い、そのできたての成果を発表してもらった。
・シュルレアリスムの意味が伝われば嬉しい。


16時半から始まり、当初1時間の予定を大幅に上回って、終わってみれば18時過ぎ。
たいへん盛りだくさんかつエキサイティングな内容でした。
世の中に広く表現を発信してゆこうとする姿勢が見ていてとても嬉しくなります。
何かを一般見学者へプレゼンテーションするのは実は案外難しいものです。
しかもその内容が概念的なこととなると難易度はぐっと上がると思われます。
不慣れな会場や機材に苦戦しながら、そんなお題を果敢にこなしている学生さんたちの姿はたいへんまぶしく感じられました。
今回の催しは学生さんたちへの教育効果と広報を兼ねた意味合いもあった模様ですが、主催者と見学者双方にとって意義深い内容だったと思います。

なにより、佐藤氏の目論見どおり、シュルレアリスムというものの見方を変えられてしまったようで衝撃的でした。
前述のとおり、私にとってシュルレアリスムは知識としては知っていても何となくピンと来ない概念でした。
今まで私がなぜシュルレアリスムを理解しきれずにいたかというと、シュルレアリスムを回顧的な視点で観ていたからだと思います。20世紀前半特有の文化としてのシュルレアリスムは、既に終わってしまったものとして、私の中ではその時代を特徴付ける属性のひとつとして認識されていました。ゆえに、これらを現代に引き受けるための本質的な意味付けを得られずにいたわけです。
そこへ、佐藤氏の再定義によるナビゲートと、学生さんたちによるワークショップ成果実例を提示されることで現代とシュルレアリスムが結びつき、シュルレアリスムという概念をより具体的に理解できるようになったように思います。
そこで新たに浮かんだのが、20世紀初頭のシュルレアリスムがなぜ科学を取り込まなかったのだろう?という疑問です。
多くの驚異的事実や概念が科学分野でもたくさん生じていたのがこの時代です。それらの概念はきっとシュルレアリスムとも親和性を持っていたに違いないと思うのですが、既存のシュルレアリスム表現の中に科学的要素は希薄です。単に両者の接点がなかっただけなのでしょうか。それとも当時のアカデミズムにおける棲み分け意識の弊害なのでしょうか。あるいは情報流通が未熟だったための現象なのでしょうか。非常に気になるところです。

メディア映像専攻では、12月に恒例の「OPEN STUDIO」も開催予定とのこと。今回のイベントで活躍した方々を含む1年生の制作展示を拝見できるようです。
どのような個性が展開するのか楽しみでなりません。



さて、次に慌てて移動した先は、新宿ルミネ・the・よしもと で開催された「バカロボ2007」。
吉本興業と明和電機の企画による「役に立たずに人を笑わせる無駄にハイテクなロボット」のナンバーワンを決めるイベントの決勝戦です。
19時半開始の予定が50分押しでスタート。
催しそのものも伸びに伸びて終了した頃には22時半を回っていました。
南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太氏の司会のもと、審査員として明和電機の土佐信道氏、マンガ家のしりあがり寿氏、電通大教授の稲見昌彦氏、映画監督の樋口真嗣氏、特別ゲストのぜんじろう氏が出演。審査員は明和電機の作成したバカメーター(ヘルメット上に扇状のメーターがついている。手元のボタンを押すごとに針が動いて馬鹿度が上がってゆく。最大値になると針がベル触れて『チン!』という音が鳴る。針がどこを指しているのか本人はわからないので、手鏡を見ながら操作する。機構がそのままむき出しになった機械なので非常に重い。馬鹿度を評価するメーターであると同時にメーターそのものが馬鹿である、という装置。)を装着し、出場ロボットの馬鹿さ加減を評価しつつコメントを述べる。
出場ロボットは8体。
以下概要と感想。

・プッシュくん
 4本足のついたゴミ箱型ロボット。タチコマのような動き。自動制御。ゴミ箱でありながらゴミを拒否する。
 制作者と漫才めいたプレゼンを展開する様子が面白い。
 バカというよりバカを装った賢いロボット。

・キントレーZ
 お茶の間ジオラマの中で筋トレをするロボット。筋トレしながら自壊してゆく。壮絶。
 バカかつ物悲しいロボット。分類し難い存在。

・勃具
 触覚インターフェイスを刺激することで、うめき声のような音とともに床上にうなだれた突起型ロボットが立ち上がる。
 非常に生物的な動き。会場ではセクシュアルな意味だけが強調されていましたが、これは厳然たるアートだと思いました。
 バカロボというよりはアート作品。ファルスをモチーフにしていることは名前からも明白ですが、その単一的意味を越えて生物の普遍性を表現するに足る強度を持った作品だと思います。泥を思わせる造形はそれ自体が生物であると解釈することもできそうです。
 会田誠を連想しました。

・イナザウラー
 恐竜をモチーフにした素朴なロボット。反り返る動作に挑むも構造ミスであえなく転倒。
 作り手含め悲しい馬鹿さ加減を感じさせる。
 選定側に悪意を感じるのは気のせいか。見ていて気の毒になる。

・カキールX & JUNKO2007
 女子高生の作った装置。ロボットの形をした筐体の先端に歯ブラシがついていて、痒いところにあてて掻くためのカキールX。
 振動装置の上にジオラマがあり、家々とともにロボット型の人形が置かれている。スイッチを入れると周期的に振動が発生し、振動が次第に強くなってついにはロボット型人形の首が取れて落ちてしまう、という地震啓発のためのJUNKO2007。
 何をもって『ロボット』とするのかを考えさせられる作品。
 こちらも選定側に悪意を感じる。見ていて気の毒。

・美影
 『萌え』をテーマにしたメイド型ロボット。細いラインと繊細な動き。戯画的ではなく普通に美しい。
 バカロボというよりはまっとうな技術的製品。

・ラマーズ4
 妊婦型コーラススピーカー。妊婦型のトルソがスピーカーとして4体並んでいる。胎盤を模したインターフェイスを装着した演奏者がボタンを押すと、ボタンどおりの音階で背後のスピーカーから『ヒー』『フー』とコーラスが流れる。乳頭がそれぞれ電源とボリュームつまみになっていたり、顔面のスピーカーがヒゲのように見えたりとユーモラスでショッキングな外観と存外に美しい声があいまって非常に示唆的。
 ロボットというよりアート作品。
 
・ロボプッチョ
 UHA味覚糖のとある一部門がつくった公認プッチョロボット。
 体高60cmほどのプッチョがゆる~く喋りながら歩いたり旗揚げゲームを行ったりする。あぶなっかしい動きの末、最後には転倒して助けを求めるという趣向。動作の途中での唐突な『ぷっちょ♪』というサウンドロゴ挿入が可笑しい。
 運動にはおおよそ適さない比率のプッチョをそのまま大きなロボットにしてしまった時点で充分なバカっぷり。


グランプリはキントレーZ。
『バカロボ』という観点からすると消去法でキントレーZかロボプッチョかのどちらかだろうと思っていたので納得。
印象的だったのが『人と機械の違いを端的に表している』という稲見氏のコメント。
動かすと壊れるのが機械、動かすと強くなるのが生物。
常に自分を壊しながら更新している生物の特性に思い至り、感慨深く思えました。

バカロボ2007の様子は映画になるとのこと。
間に制作者を紹介した映像も流れていたので、それも収録されていることでしょう。
見逃した方々は、パッケージ化を待つのがよろしいかと思います。

次年度開催があるのかどうか、気になるところ。
アートの枠から取りこぼされてしまうようなバカバカしく示唆的なテクノロジーの無駄遣い、今後もそんなものを集めていってくれることを期待したいです。


バカロボの後は夜行バスで帰宅。
0泊3日。たいへん濃くて刺激的な遠征でした。


行きたい催し11月、12月篇。

2007-11-03 18:29:51 | アートなど
備忘録的に。

0 佐野市立吉澤記念美術館「関東の文人画展」 9/29~11/11
  目的は若冲。しかしたぶん行けない。苦吟。

1 目黒区美術館「馬と近代美術」 10/11~11/25
 馬好きとしてはぜひ行きたいところ。

2 ギャラリー小柳「マラブ・太陽 野口里佳」 10/27~11/30
 どことなく惹かれる。

3 目黒寄生虫博物館「それ!ほんとうに寄生虫? 寄生虫!と疑われた寄生虫ではない異物」 4/28~12/2
 獣医師としては、とりあえず見ておきたい。

4 横浜美術館「シュルレアリスムと美術」 9/29~12/9
 ワークショップに興味津々。

5 サントリー美術館「鳥獣戯画がやってきた!」 11/3~12/16
 鳥獣戯画! 果たしてゆけるか?

6 川崎市市民ミュージアム「みんなのデザイン ?グッドデザインと私たちの生活?」 10/27~12/16
 川崎市民ミュージアム自体に一度行ってみたい。過去の図録が欲しいのです。

7 旧赤坂小学校「Dialog in the Dark」 9/13~12/19
 真っ暗闇の中でのインスタレーション? 内容が気になる。

8 森美術館「六本木クロッシング:2007」 10/13~1/14
 先日も書いたので詳細は割愛。

9 21_21 Design Site「WATER」 10/5~1/14
 佐藤卓プロデュース企画展。名前のとおり水がテーマ。面白そう。

11 東京オペラシティアートギャラリー「北欧モダン - デザイン&クラフト」 11/3~1/14
 とりあえず行っておきたい。

12 東京都現代美術館「space for your future」 10/27~1/20
 エルネスト・ネトやオラファー・エリアソンも出展しているらしい。必見。

13 国立科学博物館「大ロボット展」 10/23~1/27
 とりあえずの興味。混んでいそうで憂鬱。

14 日本科学未来「地下展」 9/22~1/28
 前回見逃したのでぜひリベンジを。

15 DNP museum lab「<<うさぎの聖母>>聖なる詩情」 10/27~3/8
 一度行ってみたい場所。

16 リスーピア 常設展
 ここも一度行ってみたい場所。



たくさんありすぎ。はたしていくつ行けるのであろうか?
どこでもドアが欲しい・・・。


【情報】フジモトマサル「二週間の休暇」、発売。

2007-10-29 02:09:47 | アートなど
フジモトマサル氏の新刊「二週間の休暇」が発売された模様です。
これは、昨年こちらのサイトで連載されていた作品を単行本化したもの。
独特の絵柄と世界観がマッチした、ノスタルジックな物語が展開します。
フジモトマサル氏に興味のある方や、クラフト・エヴィング商會好きな方、鳥好きな方、裏路地の風景がつい気になってしまったり、通りすがりの猫についついちょっかいを出してしまうような方にはおすすめです。

単行本紹介サイトは↓こちら
http://moura.jp/manga/fujimoto_book/

amazonでの取扱いもあるようです。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4062140659&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


ハンコ修行のはじめかた。

2007-10-26 23:43:40 | お知らせ
近所のホームセンターで、ハンコ製作に愛用しているアートナイフの取扱いがなくなってしまってうろたえていたところ、ふと思い付いてamazonを検索してみれば、ありました!
KDS-Hiというメーカーの製品。
グリップが青、黄、緑の3色。掲載写真が一緒なので紛らわしいですが、それぞれ別に購入できるようです。
青↓
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000TGLT46&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
黄↓
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000TGFO24&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
緑↓
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000T6EJJ8&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
ついでに替え刃↓
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000TGJTBQ&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
48枚でこのお値段。安い!

この製品は、刃が繊細でお財布にも優しいので気に入っています。
ちなみに巷を席巻しているオルファは刃が厚いので嫌いです。

そういえば、よく聞かれるのがハンコ作りの道具について。
この際なので、ここに紹介。

◇アートナイフ
 上で紹介したので割愛。

◇ビニール板(通称ゴム板)
ハガキサイズで一枚定価53円です。安い!
たいていは2枚入り100円くらいで売られています。
なぜか、ジャスコの文具売場でよくみかけます。
こちらはamazonでの取扱いがなかったので某市場のリンク。
http://www.rakuten.co.jp/marutomi-kyouzai/655273/727653/736309/
たぶん送料のほうが高くつきますので、手を出す場合はご注意を。

◇ピンセット
要らない部分の剥離用。精密ハンコ向け。無くても可。
私は学生時代に入手した小さなピンセットを転用しています。
たぶん眼科用。↓これと似ています。
http://www.ufer.co.jp/iwashiya/order/pinsetpages/gankaJMM.html

amazonの取扱いでそれっぽいのは↓これ、か
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000BPN9PW&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
あるいは、これ↓ くらい?
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000J46WZY&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


◇ニードル
剥離補助用。精密ハンコ向け。これも無くても可。
コンパスの針でも何でも良いのですが、私はNTカッターのD-1000Pというものを使用。
持ちやすさと、使わない時に収納できる安全設計が気に入っています。
これもamazonにはなかったのでどこぞのショップをリンク。
http://www.kawachigazai.co.jp/item/Q001_35.htm
たぶんホームセンターを探せば普通に置いていると思います。


◇シャープペンシル
下絵用。トレース紙に絵を書いてそれを裏からこすってゴム板へ転写します。
細かい絵柄を彫る時は0.2mmの芯がおすすめ。
近所の文房具屋さんで売られていたのを買って、0.3mm用のペンシルに入れて無理矢理使っています。
同じものの画像をみつけたので、どこぞのショップをリンク。
http://store.yahoo.co.jp/arigata-bungu/ha-b107.html
古い文房具屋さんなどにひっそりと置いてありそう。


◇トレース紙
転写用下絵を書くのに使用。ふつうのトレース紙。
↓これのA4判、あるいは、
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000THZRLQ&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

ITOYAのトレペメモ帳↓を愛用しています。
http://www.itoya-store.jp/store/ProductDetail.do?pid=255-0001


◇アイルーペ
精密ハンコを扱う人間の秘密兵器。細かさを求めなければ無くても可。
私はエッシェンバッハの精密アイルーペ↓を使っています。
http://www.eschenbach-optik.co.jp/catalog/22.html
amazonでそれっぽいのはこのあたり↓か?
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000VOEBNM&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


◇ハサミ
彫ったゴム板を切り離すのに使用。
切れさえすれば何でも可、ですが、小さくて小回りのきくハサミのほうが良いと思います。
ちなみに私は100円ショップで売られていた小ぶりのハサミを愛用しています。


◇両面テープ
彫ったゴム板と木材の持ち手とをくっつけるためのもの。
私はニチバンの超強力タイプナイスタック(NW-U15SF)↓というのを愛用しています。
http://www.nichiban.co.jp/stationery/product/function_series/index.html
こちらも、たいてい普通のホームセンターに置いてあります。


◇木材
持ち手用。
カットしやすいのはバルサ材だが、後々木屑が出て印面を汚すのでおすすめできない。
切るのは大変だけれど、硬くて木目の美しい朴の木や杣などが好きです。


◇ノコギリ、ヤスリ
彫ったゴム板サイズに合わせた持ち手を作るために木を切り出すためのノコギリ。
そして、切り出した木材の面を滑らかにするためのヤスリ。
ノコギリは木質に合わせてバルサ材なら粗ノコ、朴の木や杣など固い材なら細密ノコと使い分けています。
ヤスリは紙ヤスリでも何でも良いのですが、おすすめなのがこれ↓。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000CED1WI&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
金属製の木工用ヤスリ。目が減らないので便利。
本来はホルダーにつけて使うようですが、私はこれをそのまま手に持って自由に使っています。

◇インクパッド、捺印マット
印面を確認するのに使用。
なんでも可。
インクの馴染みが良いので、私はシャチハタの黒を愛用。
捺印マットは無くても良いが、美しい印面を得るためには必須。


製作に必要な工具はこんなところでしょうか。
最近流行っているらしい消しゴムハンコよりもずいぶんお財布に優しいのが魅力(笑)。
ゴム板ハンコに興味のある向きは、どうぞお役立てください。
目指せ、ハンコ道!(&小細工道)


ひらがなの罠。

2007-10-26 20:15:31 | ことば
どうもう犬
もうどう犬

ぱっと見だと、どちらがどちらか考え込んでしまう。

「可とう性」では何のことやらさっぱりだが、
「可撓性」なら「撓」の意さえ調べればおおよその意味だけは知れる。

漢字は意味を担い理解を助ける。
いたずらにひらがなで書けば良いというものではない。


前世紀の遺産。あるいは謎の解明。

2007-10-23 00:03:05 | さもないこと
困ったことに、先週から絶賛発熱中。
休もうとするたび抜けられない仕事が入ってしまうという不思議現象真っ最中。
自宅に輸液セットが欲しいこの頃です。ギブミー5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液。

それはさておき、忘れないうちにこれだけはメモ。

Sl00
よく通る道(線路わき)でみかける謎の構造物。
思わぬところでその役割が判明しました。

先日、夕刻に起き出して駅近くのスーパーへ買い出しへ行った時のこと。
なんと、突然汽笛の音が聞こえてきました。
外へ出て見ると・・・・何かが! 煙を吐く何かが!
Sl01
(デジカメを持っていなかったので携帯で。ゆえに画像は見難いです。ご容赦を。)

どうやらSLの特別運行日だった模様。
ポイント切り替えでしょうか、客車を切り離してこっちへやってきました。
Sl02

かと思えば、逆方向へ。のろのろ進んで少し先へ停まったようなので後を尾けてみました。
するとそこは例の丸い謎の構造物!
機関車が入線していました。かと思うと蒸気の音の合間から低い轟音。なんと、線路が回っています!
Sl03
180°回転!
立体駐車場の入口にある回転台と同じ原理。
汽車専用の方向転換場だったんですねえ。
見物人も多数。親子連れ、カメラ小僧、その他もろもろ。
間近で転回する機関車に子供たち大興奮。大人も大興奮。フラッシュばんばん。記者会見状態。
異様な熱気。みんな、楽しそうです。

その後、方向転換した汽車はバックで線路へ出てゆき・・・・
Sl04
機関士さんたちの点検を受けているようです。
そういえば、機関士さんたちはなぜか皆、古風な黒い箱型帽子をかぶっていました。
佇むだけで絵になります。暗くてきちんと写っていないのが残念。
この後、上り方面へ向かって出発進行。
(↓音が出ます。注意。)
<script type="text/javascript" src="http://www.flipclip.net/js/c76ae76dbee964da648a8483503911c8" ></script><noscript>SL。
Powered by FlipClip</noscript>
[SL][遭遇]
SL。
by aiwendil


いやあ、迫力でした。
宵の口に黒光りする車体も圧巻でしたが、今度はもう少し明るい光の中で出会ってみたいです。
謎も解け、二つの意味で思わぬ遭遇でした。


ポアンカレ予想。

2007-10-22 22:24:08 | お知らせ
ただ今、NHK総合で、なんと、ポアンカレ予想の番組が放映されています!
NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」と題して、数学上の世紀の難問ポアンカレ予想にまつわるもろもろを映像を駆使してイメージ的にわかりやすく紹介。
さまざまな数学的トピックや数学者たちのドラマが描かれています。
なかなか面白いです。
数学や数学的な概念、奇想伝奇の好きな方にはおすすめです!

追記:再放送日程は、2007年10月24日(水)  深夜【木曜午前】0時20分~1時19分 NHK総合
だそうです。
見逃した方、録り逃した方はチャンス!

追追記:数学は敬遠したいけれど数学者たちの世界に興味をお持ちの方へおすすめの本2つ、ご紹介。

「ペトロス伯父とゴールドバッハの予想」。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4152083360&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
数論の世界の難問「ゴールドバッハの予想」に取り憑かれた数学者の数奇な人生を、これまた数学的センスに恵まれた甥の目を通して描いた物語。甥と叔父の織りなすドラマと知的好奇心をくすぐる内容が面白い良書かと。
上記NHK番組に登場したペレリマンの心境がほんの少し理解できる鍵になるかも。

「博士の愛した数式」
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101215235&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
書店員おすすめランキングや映画化で一躍有名になった感動話本ですが、こちらも数学者を扱った内容。
同じく数論寄りの話題が多数登場します。「ペトロス伯父と~」を読んでから読むと、また理解が広がるかも。


電脳コイル。

2007-10-20 20:59:58 | さもないこと
以前一度だけ見かけて気になっていたNHK教育のアニメ「電脳コイル」。
ようやく意図して見てみたところ、非常に面白い。
ウェアラブルインターフェイスとユビキタスと電脳。昭和的世界と謎。
既に最終話に向けての大団円ムードであったが、世界観とディティールが秀逸。
なぜもっと早く見ておかなかったのだろうと後悔。
再放送などないのだろうか。


猫カルピス。

2007-10-20 02:41:20 | ことば
気になる言葉をメモ。

猫カルピス:集中力が出ず、次々と意味のない暇つぶしに興じる状態のこと。

気になる方はフジモトマサル氏のサイト「フジモトマサルの仕事」の10月18日付け日記へGO!
左下に隠れた「日記帳」タブから見ることができます。
読みながら爆笑してしまいました。
ひそかに広めてみたい言葉です。


音楽バトン(人生版)。

2007-10-18 23:52:28 | アートなど
すっかり遅くなりましたがバトン回答。
音楽バトンというものだそうです。
盟友、北国のあきさんの「心の旅」からのいただきものです。
以下回答。

◎歌or音楽どちらでもOK◎
あなたの思い出を彩った楽曲を教えてください。

♪小・中・高校・成人・現在(まだ成人でない方は、そこまでで)と、心に残っている楽曲は?ちょっとしたエピソードなどもどうぞ♪

【小学校時代】
・校歌
一時期通っていた山奥の小学校の校歌。
「木々の緑が輝いて 山鳩歌う朝ぼらけ 子牛が草を食んでいる 泉が清く湧いている 元気だ きみもわたくしも」
という、小学校名が一切出てこない潔さと牧歌的な歌詞がお気に入り。この小学校から転校してみたら、1番2番といちいち学校名を連呼する押し付けがましい校歌が一般的だと知ってなおさら愛着が深まる。


【中学校時代】
・???
中学時代は本ばかり読んでいたのであまり音楽が記憶に残っていません。
クラシックはよく聞いていました。
そういえば、チャイコフスキーのバレエ音楽が好きでしたね。『くるみ割り人形』の全曲CDや、ボリショイの『白鳥の湖』テレビ放映からの音だけダビングを愛聴していました。


【高校時代】
・校歌
ふたたび校歌。
「やまとおみなのかぐはしき たましずもれるおかのべの ときわのもりのしたかげに ふかきみどりをみにしめて おふるちぐさのいやつよく ますぐにのびむ ともどちよ
 こがねはなさくみちのくの ふみのみやこのまなびやに あしたゆうべをおのがじし みちにいそしむともどちよ まことのこころみがきつつ きよきひかりをよにあげむ」
古風で格調高くのびやかな歌。学校名が一切出てこないのもナイス。意味含め、今でも大好きな歌です。

・古楽とクラシックと民族音楽
古楽に傾倒。リュート曲のCDやNHK FMの「朝のバロック」などを愛聴していました。
高校1年あたりでワーグナーにハマって、オペラ「ニーベルングの指輪」のテレビ放映を夜更かししながら見ていたのは懐かしい思い出。
そして気が付けばロシア好き。ボロディンは偏愛。弦楽四重奏第1番の第1楽章と、オペラ「イーゴリ公」中の『だったん人の踊り』が好きすぎて困る。
そういえばショパンのプレリュードやポロネーズを1番から最後まで通しで全部聞くのも好きでした。
ケルト音楽に手を出したのもこの頃。
主に書籍からの影響が大。

・ゲーム音楽
「ファイナルファンタジー」の音楽にハマる。ゲーム自体はよく知らないのに音楽だけをよく聞いていました。プレリュードはもう大好きです。

・創作と音楽
部活動(SF研)で、3年の間に短~中編を10本ほど書いたのですが、音楽が重要なモチーフとして登場する作品が多かったです。
音楽(主にクラシック)からインスピレーションを得て、それをキーとした物語をよく書いていました。
当時の私の中では、文学と音楽が分かち難く結びついていたのだと思います。


【成人後】
・ポップス
現代歌手の音楽を聴くようになったのは成人後。遊佐未森や葛生千夏や谷山浩子、ビョークに傾倒。
その延長で古楽をロックするヴィータ・ノヴァにも傾倒。
それと、歌詞と声が気になってスガシカオと原マスミ。
男性歌手にはなぜかあまり惹かれない。上記2名は例外的。

・ミニハープ購入
こつこつ貯金し、念願だった25弦の小さなハープを購入。ケルト音楽CDの曲を耳コピーしてよく弾いていました。

・古楽熱ふたたび
ロバの音楽座や栗コーダーカルテット、タブラトゥーラに傾倒。

・指輪映画サントラ
いわばトールキンファン祭りの一環。
映画化された「ロード・オブ・ザ・リング」のサントラ関連はよく聴いていました。
「May it be」「ゴクリの歌」「Into the West」の歌詞翻訳で遊んだのは懐かしい思い出。



【現在】
・以前からの継続
古楽関連やクラシックは今も好き。
以前好きだったものは、基本的に今も好きです。

・アート関連
アートとして出会った音楽たちも印象深い。現在はこちらが主な興味対象かも。
松本秋則: 竹で作った楽器のインスタレーション作家。音があまりに心地良いので気に入っていたところ、BankARTでCDを見つけて即購入。いわゆる環境音楽のようでありながらインスタレーションであり音楽でありアート作品であるという不思議な音源。よく聴く音楽として iPodに入っています。
岩井俊雄: アート作家。岩井さんの曲ではなく、岩井俊雄さんの作り出すインタラクティブな音楽システム作品が好きでたまらない。音と戯れる感覚が詩的。他に類を見ない。「エレクトロプランクトン」欲しさにゲームを始めて買った。今はTENORI-ONに興味津々。
明和電機: アーティスト。色々な意味で。「六本木エレクトロニカ」の衝撃が忘れられない。ライブパフォーマンスマシンとしての楽器たち。音楽性というよりも表現形態が丸々気になって仕方がない。
徳澤青弦: ラーメンズ本公演の幕間音楽。全般的に好き。
ミュージックビデオ関連: ショートフィルムを観るようになってから多様な音楽に感心。特にミュージックビデオとの馴染み具合で強烈に印象づけられるものもあって興味を引かれているところ。
佐藤雅彦: 主にピタゴラスイッチ関連で印象深い歌がいくつか。栗コーダーカルテットの栗原氏との合作もあるが、「ぼくのおとうさん」や「つながりうた もりのおく」「いたちのたぬき」は衝撃でした。


♪一番最初に買ったレコードorCDは?
うろ覚えなのですが、たしか「グリーンスリーブス~ハープとフルートによる小品曲~」という表題名の小曲集だったと思います。
クーパーの「闇の戦い」シリーズの影響か、フルートとハープの器楽曲に傾倒していたためかと。
伝承曲「グリーンスリーブス」やフォーレの「幻想曲」やラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が今でも大好きです。


♪一番最近買った(ダウンロードした)シングルは?
シングルはここしばらく買っていないような・・・。
記憶にあるのはTHE CONDORSの「真夏帝国」くらいか?
そういえば、シングルかどうか微妙ですが、つい先日 ART STAR(ひとつの曲と多数画像がセットになったCD-ROM。iPodで持ち歩けるアート、というコンセプト。音楽つきスライドショーで写真を楽しむためのもの。)のヤノベケンジ版を購入しました。


♪人生の転機で聞いた曲は?
・ボロディン「弦楽四重奏第1番」
大学受験のときにヘビーローテーションで聞いていました。合格発表の日に落ち着かない気持ちを抑えながら学校で聴いていたのもこの曲。
これを聴いている最中に合格通知を受け取ったので思い出深い。
宮城から岐阜くんだりへ、文系から理系へ、小さな世界から大きな世界へ。この通知がまさに転機となった。


♪バトンタッチ!5名
ぶら下げておきますので、どうぞご自由にお持ちください。




いやあ、あらためてみると、自分がいかに時代と切り離された興味関心の持ち主なのかがバレバレですね。
正直に書いても全然歳がバレない(笑)。
しかし、ゆえにカラオケは鬼門。
良いのやら悪いのやら・・・・。


テート・モダンに亀裂。

2007-10-17 21:50:14 | アートなど
いつもこっそり覗いている坂口祐氏の「魚祐の巻物」10月16日付けエントリで知った情報。

ロンドンのテート・モダンで、なにやらものすごい作品が展示されているようです。
コロンビア人作家ドリス・サルセド氏の『Shibboleth』は、なんと、会場床に本物の亀裂をつくってしまったインスタレーション。
さすが、現代アートの聖地テート・モダン!
他に見つけた記事(→http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2296058/2229900)によれば、かなり深そうな本格的亀裂のようです。
RC仕様でしょうか。
落ちて怪我する人がいようとも、柵など設けません、という姿勢も素晴らしい。
数年前にオラファー・エリアソンの黄色い太陽(作品名を失念)が展示されたのもこのホールだったはず。
行ってみたい場所がまたひとつ増えてしまいました(笑)。
もしもロンドンへ行かれる方がいらっしゃったらぜひ。


【情報】「計算の庭」。

2007-10-17 21:00:05 | アートなど
「計算の庭」の情報がTOPICSのサイトにアップされたようです。
写真も掲載されています。

「計算の庭」とは、佐藤雅彦氏と桐山孝司氏の共同新作。体験型の作品で、現在森美術館で開催中の「六本木クロッシング2007」に出展されています。
わたくし、8月の芸大メディア映像専攻OPEN STUDIOでこの作品のプレ展示を拝見したのですが、実際に体験してみると子供時代に戻ったかのようなドキドキ感がスリリングかつエキサイティング。とても楽しい体験でした。
四則演算ができる方なら小学生から大人まで年代問わず楽しめる作品。ご家族や友人同士で一緒に体験しても楽しそうです。
機会のある方はぜひとも体験してみてはいかがでしょう。おすすめです。

ところで、佐藤氏と桐山氏のユニット名が「euclid」(ユークリッド)というのを知って思わずニヤリ。
まさしく『名は体を表す』ですね。
お二方の今後のご活躍がますます楽しみです。


トらやんと写り込み。

2007-10-17 00:00:15 | さもないこと
ここ最近出会った表現の中でもっとも印象深かったのが、ヤノベケンジ氏の「トらやんの世界」展です。
9月の旅行で、霧島アートの森で開催されたこの展覧会を訪れてからというものずっと心を奪われっぱなし。(当日の記事は→こちら
氏の表現世界と、作品から受け取った小さな太陽を育んでゆきたいという想いとが脳裡をちらついて離れません。
あまりに印象的だったので覚え書きをまとめているところなのですが、なかなかまとまった時間が取れずに滞っていたところ。
そんな中、ちょっと面白いことが。

ヤノベケンジ氏のサイト「ヤノベケンジ アートワークス」では、トップ画像が毎回ランダムに表示されるようになっています。
さきほどアクセスしたところ、先日の「トらやんの世界」展を写したモノクロ写真が表示されました。
ヤノベケンジ氏ご本人によるギャラリーツアーの様子を記録した一枚です。
これをよ~く見ていたところ、おや、なんと自分が写っているではありませんか(笑)!
どうやら私が参加した日の写真だった模様。
自分本人にしかわからないほどひそかにではありますが、ヤノベケンジ氏やトらやんや作品たちと一緒にばっちり同じ写真に写り込んでいて、こうして作家ご本人のサイトでそれに遭遇するというのがとても不思議で面白く感じられました。
ひそやか具合が絶妙。なかなか嬉しいものです。
そして、あなどれじ、写り込み(笑)。
色々な意味で貴重な体験です。

ところで、せっかくなのでヤノベケンジ氏関連書籍情報を下に。
 
 
雑誌「pen」の最新号(2007年11月1日号)の表紙はトらやんらしいです。ナイス!
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000WM829W&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
 
 
「トらやんの大冒険」。
作品世界をまとめあげた物語絵本。ある意味、現代の予言的神話。
いっけん単なる絵本ですが、じつは複層的な意味を担う感動作。
氏の作品群実物を見てからでないと真価が実感できないので注意。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4903545164&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
 
 
ヤノベケンジ氏の作品集。DVDつき。
密度高し。お買い得。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4861520487&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
 
 
とりあえず、「pen」は面白いモノ好き要チェックですね。


水産幼稚園。

2007-10-16 22:03:52 | さもないこと
07:31' 20" 通勤路で幼稚園のスクールバスを見かける。
07:31' 23" その側面に「まだこ」と書かれているのに気付く。
07:31' 24" 幼稚園にしてはずいぶん渋いネーミングだなと感心する。
07:31' 25" 園長の趣味だろうか。
07:31' 26" ひょっとすると元板前だったのかもしれない。バスは一台ごとに「かんぱち」「いさき」「さんま」などとふんだんに魚介を用いた名前が付けられているのだろうか。いやいや、バスだけではない。そうなるとクラスももちろん鮨ネタ名だ。0歳児はおそらく「たまご」で異論はなかろう。年少クラスは「あまえび」「いくら」「かずのこ」あたりか。もちろんサビ抜きで。年中は手堅く「たい」「いか」「まぐろ」。「あなご」「ほたて」も捨て難い。そして年長さんともなると「あじ」「ほっき」「えんがわ」「しめさば」など通好みのセレクションに移行。大将と懇意になれば「うみぶどう」など幻の逸品も。時価は無くすべて適正表示。安心お得の良心価格、薄利多売でご愛顧いただいております。
07:33' 47" そういえばしばらく寿司屋に行っていない。
07:33' 52" さんまの寿司がむしょうに食べたくなる。
07:33' 55" 目の前を左から右へ宮交バスが通過する。「スバ通交城宮」と書かれている。
07:33' 56" 幼稚園バスが「こだま」であったことに気付く。
07:34' 00" 己を恥じる。

19:24' 39" 某スーパーでさんまの刺身を買う。


岸本佐知子氏風にお送りしてみました。
おそまつ。