はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">2/23放送ピタゴラスイッチ。</font>

2005-02-24 21:21:04 | 佐藤雅彦
録画しておいた、2/23放送ぶんのピタゴラスイッチを見ました。
冒頭の人形劇にまたしても感激。
「ものがふるえておとがでる」と題し、音=振動=波であることを解説。
毎度ながら、科学専門用語はいっさい使われませんでした。
日常の平易な言葉と映像のみで、高校レベルの物理知識を説明しきってしまうものすごさ。
「誰が聞いてもわかる」ということの難しさを知る身にとっては、土下座したくなるほどの映像でした。
つくづく、佐藤雅彦氏に脱帽です。
「10本アニメ」は名作「♪1本でできること」。
「おとうさんスイッチおじいちゃんも可」は出演者のハイテンションが微笑ましい。
そして「きょうのロボット」にはただただ瞠目。なつかしのトゥインクルチョコレートがパック詰めされてゆく映像にはまばたきも忘れてしまうほどに釘付けでした。
新作ピタゴラ装置も秀逸。何度も見直したくなる絶妙の動きです。
「アルゴリズム行進」は動きの美しい消防士さんたちと一緒。
なんとも見どころ満載の今回でした。



<font size="-3">2/9放送ピタゴラスイッチ。</font>

2005-02-11 21:35:38 | 佐藤雅彦
続けて、録画しておいた2/9放送ぶんのピタゴラスイッチを見ました。
冒頭の人形劇は「まわるもののちから」。
まさかとは思いましたが、なんと、遠心力を解説!
学術的な用語をいっさい使わず、日常の簡単な言葉と映像だけで、遠心力を説明しきってしまいました。
すごいぞ、ピタゴラスイッチ!
あらためて、感服です。
「かってなルール」も虚をつかれ、爆笑。冴えてます。
その後のピタゴラ装置にも感心。重力、慣性、遠心力、揚力、磁力・・・使用する「力」も増え、回を重ねるごとに進化しているのがわかります。
本当に佐藤研の学生さんたちは素晴らしい。
アルゴリズム体操は舞妓さんと一緒。
露光オーバーぎみで映える舞妓さんとともに動く「いつもここから」のおふたり。菊地さんの"白さ"が印象的でした(笑)。



<font size="-3">1/26放送ピタゴラスイッチ。</font>

2005-02-11 21:23:09 | 佐藤雅彦
録画しておいた、1/26放送ぶんのピタゴラスイッチを見ました。
冒頭の人形劇は「かさなってできている」。レイヤーの概念をわかりやすく解説しており、毎度ながら感心。
「フレーミー」では不覚にも感動。本気で泣きそうになりました。
わずか数分の中に盛り込まれた美しいテーマ。秀逸です。
ドゥ・ヴィットの「岸辺のふたり」を彷佛とさせるような作品でした。
見るたびに感動の種が増えてゆく、ピタゴラスイッチ、本当にあなどれません。



<font size="-3">1/11放送「ピタゴラスイッチ」。</font>

2005-01-13 21:45:58 | 佐藤雅彦
録画しておいた1/11放送の「ピタゴラスイッチ」を見ました。
冒頭の人形劇コーナーのテーマは「ミスをふせぐほうほう」。
間違い防止のシステムを実例まじえて紹介していました。
私もつね日ごろ、大事なことは「間違えたくても間違えられないようにしておく」ことが重要だと思っていたので、このテーマには快哉を叫んでしまいました。
こと日本では「間違えないように努力すれば間違いは起こらない」と思い込まれている節があります。
ですから、大人でも「間違えないようにデザインする」ことの重要性を理解していない人間は多いと思われます。
その盲点を克服するような、こんな高度な概念を子供の頃から学べるとは、ピタゴラスイッチ恐るべし、です。
「おとうさんスイッチ(おじいちゃんも可)」の「きゅ」に爆笑。「きょ」も渋いです。
ピタゴラ装置は新作二種。さすがの出来。


ところで、ひとつめのピタゴラ装置(「おとうさんスイッチ」直後)に使われている木机、どこかで見たことがあると思ったら、これ、佐藤雅彦氏の私物ではないでしょうか?
雑誌「アルネ」8号の15ページに載っている写真に瓜二つ。
佐藤氏自ら私物総動員で装置をつくっているのだとしたら・・・・研究室の熱気が容易に想像できます(^^。
佐藤氏と佐藤研のテンションが窺い知れて微笑ましいです。
理系特有、とまでは申しませんが、このノリ。学生時代を思い出してニヤニヤしてしまいました(笑)。



<font size="-3">「『考え方』が動きだす-佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ-」

2005-01-11 20:25:19 | 佐藤雅彦
過日1月3日にNHK教育で放映された「『考え方』が動きだす-佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ-」にかんする続報です。
1月3日には中部東海地方での放映がなかったらしく、その地域での放映時間情報が佐藤雅彦氏の事務所TOPICSのHP(→こちら)にアップされていました。
以下、抜粋しますと・・・・


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新年1月3日(月)の夜に放映された佐藤雅彦研究室のアニメーション特集番組が、
中部7県(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、福井県、富山県、石川県の各放送局)で
1月16日(日)14時 ~15時の1時間 NHK教育テレビで放映されます。
こちらにお住いの方はぜひご覧ください。
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だそうです。
該当地域の方、興味がございましたらぜひぜひご覧になってみてください!



<font size="-3">「『考え方』が動きだす-佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ-」

2005-01-04 03:00:30 | 佐藤雅彦
過日ご紹介していたNHK教育で放映の番組「『考え方』が動きだす-佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ-」を見ました。
映像、ナレーションの言葉遣い、構成、どれをとっても全体的に佐藤氏の監修がゆきとどいているとおぼしき、非常にわかりやすい内容でした。
冒頭から心の師匠の御登場。思わず、テレビの正面で正座しながら観てしまいました。
そのオープニングから既にドキドキ。非常にエキサイティングです。結局最後まで動悸が止まりませんでした。


なかでも、しょっぱな、「Aの4分木」で大きな正方形が四分割された瞬間に泣きそうになりました。ツリーの意味が「わかった」瞬間、衝撃的なほど感動してしまったからです。まさに「概念の視覚化」。ツリー構造の持つ情報が位置情報として可視化されてゆく映像はたとえようもなく美しく感じられました。
数々の著作やインタビュー記事で佐藤氏の提示する概念の多くを把握してはいましたが、その概念を実際の映像として示されてみると、まったく思いもよらない感動が新たに生まれます。


私にとっていちばん衝撃的だったアニメーションは「信号」です。
プログラムの可視化という命題を表わしたこの作品は、向こう側からやってくる色の列として信号を表現したものです。言葉で説明するのは難しいのですが、いちおう形容してみます。写実映像と重なって信号のむこうにそれぞれ3色の帯が断続的に伸びており、その帯が信号へむかって流れてきます。青の次に黄、その次は赤、その次はふたたび青です。青と赤は長く、黄色は短い帯。それぞれの色が信号に到達したとき、信号はその色になります。つまり、信号の点灯時間を色の帯の長さで表わし、これから起こること=プログラムとして実写映像に重ねてみせたのがこの「信号」というアニメーション作品なのです。
信号が、決まった時間だけ決まった色に点灯する。その予定はあらかじめ決まっている。---よく考えればあたりまえのこと、なのですが、それを映像として示されると、まるで未来を見せられているような不思議な感覚を惹起されます。向こうから未来が迫ってくる・・・そのような気分になりました。なんとも不思議で感動的な力をもった映像に感じられました。
もうひとつ、衝撃だったのは「こうま算」というアニメーション作品。これにはただただ惚れ込みました(笑)。
四則演算、つまり+-×の計算を小木馬(数字)と出走扉(+)、落とし穴(-)、分岐(×)で表わした作品です。黒板上に数式が書かれ、「=」でストップします。続けて各項に対応するオブジェクトが配置され、計算スタート。扉がひらいて木馬が飛び出します。数式と並走するこうま算。あらたに扉から出走する小馬(+)、穴に落ちていなくなる小馬(-)。最終的に「=」に到達した小馬の数が数式の答として最後に書き加えられます。
「ルール」としての演算があって、一方で「トーン」の手法もふんだんに活かされていたためでしょうか、数学的であると同時に非常にドラマチックな要素を内包しており、そのまま傑作アート作品として充分に通用するのではないかとさえ思えました。もっと複雑な計算もぜひ見てみたい、そんな気分になりました。
「ロゴ・プロッター」の美しさにも惚れました。「計算通り」も、「functional arm」も大好きです。他にも、ここでは語り尽くせないほど好きな作品がたくさんありました。


脳科学でいうところのtaskを利用したアニメーションにもたいへん興味を覚えました。
ランダムに動く群点の中から、鑑賞者が意味ある図形を能動的に抽出することによって成立するアニメーション作品。人間がどのようにして「animation---動くもの」を認識しているかを知るための有効なツールになる可能性は高いでしょう。佐藤氏の提示した仮説は非常にエキサイティングです。
よく考えれば、世界という混沌から有意な事象を恣意的に切り取っているのが人間です。ノイズに満ち、情報の多すぎる世界から必要な情報だけを抽出することは生物にとって必要不可欠の能力だったのではないでしょうか。結果的に効率的な情報抽出能力が特化されていったのだと考えれば、今回示されたデータも納得のゆくものといえるのかもしれません。認識論と人間の知覚、人がどうやってものごとを知るのか---佐藤氏には佐藤氏ならではのやり方でこの根源的なテーマをぜひもっと追求していただきたい、そう強く思いました。


「広告批評」2003年7/8月合併号特集の対談で「どんな形になるかはわからないけれど、数理概念を表現した時にうまれる『表現』を追求してゆきたい」「『わかること』をわかることに興味がある。人がどうやったら『わかる』のかを知りたい」そういった主旨のことを述べられていた佐藤氏が、その言葉を着実に「かたち」にしていることがわかり、ここにも静かな感動を覚えました。
番組中で紹介されていた、研究室学生さんたち作のアニメーションはどれも素晴らしいものばかりでした。時を忘れてずっと見ていたくなるほどです。同時に、これらのアニメーション作品のエッセンスが同研究室監修の「ピタゴラスイッチ」に見事に活かされていることもわかり、感慨ひとしおでした。
研究室がこうして社会とつながってゆく、分類し難いだけに発表も難しいであろう分野の研究成果がきちんと世に出ている、そこのところに佐藤氏の偉大さを痛感しました。
きっとこの先、佐藤氏は新しい学問分野を構築・体系化するのではないか、私はひそかにそう確信しています。


※後日、この番組を簡潔に紹介したblog記事にゆきあたりました。
tsuru-turuさんの「Seed Design」より NHK「"考え方"が動き出す 佐藤雅彦研究室が生む新しいアニメーション」→こちら  です。
情報デザインという言葉を教わり、目からウロコ。
これで佐藤雅彦氏を説明しやすくなりそうです(笑)。




<font size="-3">『考え方』が動きだす~佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ~</font>

2004-12-28 07:01:05 | 佐藤雅彦
佐藤雅彦ファンに朗報です!
佐藤雅彦研究室のアニメーションを特集した番組が放映されるようです!
以下、佐藤氏の事務所TOPICAのHP(こちら)から詳細を抜粋しますと・・・・


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新年1月3日(月)の夜に佐藤雅彦研究室のアニメーション特集番組が、NHK教育テレビで放映されることになりました。
正月中ですが、時間が許せば是非ご覧ください。


≪参考までに詳細を載せておきます≫
タイトル:『考え方』が動きだす 
     ~佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ~
テーマ: animation for concepts
媒 体: NHK教育テレビ
日 時: 1月3日 22時30分~ 1時間番組
出 演: 佐藤雅彦 ピーター・バラカン 慶應大学佐藤雅彦研究室 
撮 影: ホンマタカシ ほか


番組解説:従来のアニメーションとまったく違う流れが、生まれている。
慶應大学の佐藤雅彦研究室が生むアニメーションが、それである。
佐藤研の作るアニメーションは、最初から感性に委ねるのではなく、どれも『考え方』ということを基にしている。
一口に考え方といっても数多くあるが、例えば、計算機科学や脳科学といった分野にその基を求め、それを研究、発展させ視覚化させている。


番組では3部構成で
第1部  計算機科学とアニメーション 、
第2部  pro-gramという考え方、
第3部  脳科学とアニメーション」 

  
佐藤研としては、制作したアニメーションの公開は初めて。
番組中では、佐藤研が制作した数多くのアニメーション映像を中心に、
その基になっている概念・原理の解説や映像制作の様子、
佐藤雅彦の講義(ワークショップ)、脳科学の実験の様子等を
はさみつつ新しい表現方法を伝える。

 
ピーター・バラカンがナレーションと出演、
佐藤雅彦本人も出演している。
要所要所で流れるホンマタカシ撮影の佐藤研の研究室風景も瑞々しい。

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だそうです。
前々から佐藤氏の声、というか語り口を聞いてみたいと思っていました。存外早く念願が叶いそうです(^^。
佐藤研のアニメーション作品が見られるということは、「動け演算」や「Bounting Numbers」を実際に見られるということ・・・・?
期待が高まります。とにかくとにかく楽しみです♪




<font size="-3">「アルネ」8号。</font>

2004-11-24 02:35:39 | 佐藤雅彦
「アルネ」という雑誌の8号(2004年6月15日刊行)を入手しました。
特集は「佐藤雅彦さん/僕が好きでしょうがないもの」。
つい最近この特集のことを知り、あわてて都(仙台)の本屋へ遠征してまいりました(^^;。
なにしろ佐藤氏の事務所 TOPICS HPにも掲載されていなかった情報。
かといって些末な記事かと思ったら大間違い。
11ページにもわたる大特集で、とにかく写真が満載!
まるで「佐藤雅彦の事務所&お宅訪問!」といった趣です。
事務所だけならいざ知らず、まさかご自宅の写真を目にできるなど思ってもみませんでしたので、帰りの地下鉄で読みながら興奮しきってしまいました(^^;。
シンプルで合理的な美しさをもつ事務所調度の数々。
さまざまな工夫でひそやかに彩られた自宅の家具たち。
佐藤氏の「きちんと」ぶりがうかがい知れる興味深い写真にあふれています。
わたくしなど、あらゆる面で好みのツボを押されてしまい、狂喜乱舞とうらやましさではちきれんばかりの心持ちでした。
佐藤雅彦好きのみならず、デザイン好き、家具好きはとにかく必見です!


詳しくは「アルネ」のHP→こちら でどうぞ。

黒板・・・はもうある(^^;ので、壁の小箱、ひみつのスペースなど、本気で真似ようかと考えてしまった帰途。危険です(笑)。
(ひきだした~くさん棚は、欲しいけど予算が・・・無理(TT)。)
それにしても、佐藤氏、本当にお若い。写真ではとても50歳とは思えません。
この独特の若々しさ、研究者に多くみかけるような気がしています(^^。



<font size="-3">「日本のスイッチ」グッドデザイン賞受賞にかんする佐藤雅彦氏のコメント。</font>

2004-10-28 21:02:13 | 佐藤雅彦
「日本のスイッチ」グッドデザイン賞受賞にかんしての佐藤雅彦氏のコメントをみつけました。
慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のニュースブログからの引用です。

「『日本のスイッチ』は、5年前の大学院での私の講義が大元で、それを研究会と研究室で具体的に育てたという、純粋にSFC発のプロジェクトです。携帯電話を電話としてではなく、自分の意見を提示する装置として使い、主体的に社会との関わり合いを持ってもらうという事が目的なので、そのための画面や紙面のデザインには、研究生ともどもみんなで、とても注力しました。今回の賞は、そこが評価され、嬉しいというよりほっとしました。まだまだ、ずっと続きますので、皆さんも是非、参加してみてください。時事問題に強くなりますよ」

だそうです。
佐藤さんらしいコメントですね(^^。
ちなみに「日本のスイッチ」、私も毎回参加しています(笑)。


引用元、詳細は→こちら



<font size="-3">10/26放送ピタゴラスイッチ。</font>

2004-10-27 21:15:28 | 佐藤雅彦
録画しておいた10/26放送ぶんのピタゴラスイッチを見ました。
「勝手なルール」のコーナー、今回のルールに大声で笑ってしまいました。
「やられた!」と(笑)。
なかなかに秀逸です。
そして、冒頭ではスーがいっぱい喋っていて驚きました(笑)。
ピタゴラ装置新作も加わって、なかなか盛りだくさんの今回です♪



<font size="-3">10/6放送ピタゴラスイッチ。</font>

2004-10-11 22:04:10 | 佐藤雅彦
録画しておいた10月6日放送ぶんのピタゴラスイッチをみました。
新コーナー「はしって文字」に感心。
はじめは、いっけん不規則に走る子供たちの映像が流れ、その後、同じ映像がコマ撮りの連続写真としてリプレイされます。そこでようやく、不規則にみえた走路の軌跡が文字になって言葉をあらわしていたとわかる、そのような構成のショートフィルムです。
「?」から「!」へ。映画「kino」でも提示されていた佐藤氏の基本コンセプトを美しく形にした映像ではないでしょうか。映像実験作品としても綺麗に成立しています。
画質を落とした露出オーバーぎみの映像からにじみ出る空気感とナレーションのとぼけた感じが最高のマッチングです(笑)。なんてことはない、ただの言葉なのに、最後のひとことに爆笑してしまいました。
このような映像をふつうにみることができる今の子供たちがとても羨ましいです。



<font size="-3">「日本のスイッチ」がグッドデザイン賞を受賞!</font>

2004-10-08 22:54:18 | 佐藤雅彦
情報キャッチがおくれましたが、とりあえず取り急ぎ。
佐藤雅彦研究室と毎日新聞の共同企画、「日本のスイッチ」がグッドデザイン賞を受賞したそうです。
部門は、2004年度インタラクションデザイン賞(経済産業大臣賞)。
ミューチップ(非接触型極小ICチップ)との同時受賞です。
詳細はこちら


グッドデザイン賞公式ページ

毎日新聞ニュース

佐藤雅彦氏をはじめ、原案を思い付いた岡田育子さんやレイアウトデザインの山本晃二さんは喜んでいるでしょうねぇ。
関係者各位に心からおめでとう! です。




<font size="-3">「kino」と「キノの本」感想覚え書き。</font>

2004-09-24 03:53:27 | 佐藤雅彦
佐藤雅彦の短編映画集「kino」、そして「kino」製作にかんする解説や感想を綴った「キノの本」、つづけて満喫しました。

まず、映画「kino」本編を観て、「ありがとう佐藤雅彦!!!」という感情で頭の中がいっぱいになりました。
とにかく感動してしまって、なぜかもわからないまま涙が流れる流れる。
佐藤さんご自身が帯の文句で公言していらっしゃるように、たしかに実験的な手法にあふれた映画です。
短編のひとつひとつに「こういう手法で作ってみました」という角書きが貼ってあるかのような潔さすらあります。
しかし、映像実験であると同時に、カメラはあくまで「人間」を見つめているのです。「実験」なのに「人間」を向いている。それだけでもうなんだかうれしくなってしまって、最後は涙が止まりませんでした。
ちょっとした驚きと、感心と笑い。「ええっ?」「おおっ!」「くすっ。」が満載。
そしてなにより優しさと幸福感に満ちています。
どこか遠い国の、どこにでもありそうなさもない日常を、斬新なアイデアでやさしくすくいとった、なんとも心地良い作品です。
「ピタゴラスイッチ」の原形、萌芽ともとれるような手法も随所に見られ、佐藤雅彦の進化までうかがい知れる貴重な1本。
今後、好きな映画は? と訊かれたら、間違いなく「佐藤雅彦の『kino』!」と答えてしまいそうな予感がします(笑)。


そして、「キノの本」。「kino」中の六つの短編「オセロ」「ホテル・ドミニクの謎」「反抗期」「おばあさんの天気予報」「Point」「大人の領域、子供の領域」についてのプロダクションノート、絵コンテ等が佐藤氏のエッセイを折り込みつつまとめられています。
数々の著書や「佐藤雅彦全仕事」、「広告批評」の特集などで目にするのとかわらず、常にわかりやすく誠実な語り口。今現在とくらべてみても、当時からゆるぎのない方法論と主張の一貫性があったとわかります。さらに氏の思考の進化がうかがい知れ、読めば読むほどに頭が下がります。
常に新しい表現というものを誠実に追い続けているその姿勢。やはり佐藤氏は研究者としての私の心の師匠です。


美しくて、謎があって、笑えて、そこはかとなく幸せなもの。そういうものが好きなんだなあ、と自分の嗜好を再確認した今宵でありました。


<font size="-3">「キノの本」発見!</font>

2004-09-23 23:31:08 | 佐藤雅彦
佐藤雅彦の短編映画ビデオつきテキストブック「キノの本」を発見しました!
昨年からずっと探していたのですが、某熱帯雨林系書店でも品切れになっていたため半ばあきらめていたもの。
仙台市内の某“遊べる本屋”でまさかの邂逅を果たしました。
いったいどこから仕入れたんでしょう?
(この調子で「動け演算」も仕入れてくれないかなあ・・・・)
あなどれじ、○ィレッジ・○ァンガード。
あなどれじ、仙台。
これから観賞。今日は眠れるんでしょうか・・・・(笑)。



<font size="-3">感動のピタゴラスイッチ@9/14</font>

2004-09-21 03:10:03 | 佐藤雅彦
録画しておいた9月14日放送のピタゴラスイッチをみて快哉を叫びました。
「10本アニメ」の「♪1本でできること~」
うまい! 巧すぎます!
途中からオブジェクト同士がぴたりぴたりと符丁してゆくさまは、予定調和の快感を越えてもはや鳥肌モノ。
本気で感動してしまいました!
佐藤雅彦研究室の学生さんたちは、本当に良い仕事をしていらっしゃいます。