はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">「笑いの大学」感想覚え書き。</font>

2004-11-04 01:52:08 | 日記・エッセイ・コラム
映画「笑いの大学」を観ました。
舞台は戦時下の東京。喜劇に命を捧げる劇作家と、笑いを憎む検閲官との攻防を描いた7日間の密室劇です。


かつて、「クール・ランニング」、笑いました。最近では「パイレーツ・オブ・カリビアン」、笑いました。「ジブリーズ」も、「ゼブラーマン」も、「スクール・オブ・ロック」も、「福耳」も、笑いました。
が、しか~し!
「笑いの大学」!
いや~あ、笑った笑った笑った。まるで喜劇の芝居を観ているようでした。映画館でこんなに声を出して笑ったのは初めてです!
これは大事件(笑)。私の中で映画の笑い記録更新です(笑)。


まず、序盤からものすごーく気になったのが「ラーメンズと同じ香りがする!」ということ。
ひそかにラーメンズへのオマージュなんじゃないかと思うくらい、ほうぼうに気になるシチュエーションや様式、フレーズや所作が詰まっていていちいち反応、興奮してしまいました(^^;。
しかし、この件につてはパンフレットを読んで納得。
この「笑いの大学」、元々は舞台用に書かれた脚本だったのです。
10年以上前にラジオドラマで、そして、96年に芝居として上演されていたのだそうで、「体ふたつだけで出来ること」を追求した密室劇ならではのトーン類似だったのですね(^^。
シンプルな舞台装置の中で、2時間という芝居の幅に起伏を配置したのが「笑いの大学」、密度を上げて短時間に凝縮したのがラーメンズなのかなあ、と(^^。
「笑いの大学」とラーメンズは同じ根っこを持っている兄弟分である、と提唱したいところです(笑)。(←ラーメンズファンの戯言です(^^;。でも、ああ、短縮版「笑いの大学」小林&片桐バージョンも見てみた~い(笑)!)


私のイチオシは役所公司さん。もう最高です。ときに抑え、ときにオーバーリアクション、ニコリともしない渋面なのに(いや、だからこそ?)醸し出される強烈な可笑しみ。もうお見事と言うしかありません。
稲垣吾郎さんも、ソフトなうわべに隠された情熱を美しく表現しておいででした。
ふたりの掛け合いはまさに真っ向真剣勝負といった趣き。それゆえの緊張感に満ち満ちた感情の振幅。そこからこぼれ出す笑い。人間ドラマであり喜劇でもある。構造としてはもう完璧です。
基本的にはふたりのドラマなのですが、要所要所で登場する検閲室の警備員さんがとても良い味を出していらっしゃいました(^^。


古風なトーン。様式美。シンプルな舞台装置。古き良き丁寧な、美しい日本語の響き。抑えたぶんだけ強烈に繰り出される笑い。そして人間ドラマ。
最後は笑いながら号泣でした。
私にとっては大好きな映画。
あと2~3回は観てしまいそうな予感がします(^^;。
強力推薦。おすすめです。
(とくに、ラーメンズ好きは必見(笑)!? 妄想が膨らみます(笑)。)